【記録員コラム】味方の捕球を妨げたからエラー!?
私は公式記録員になって15年目です。年間で一軍戦、二軍戦、合わせて毎年100試合近くを見る中で様々なプレイを目の当たりにしてきました。まだまだ勉強の日々ですが、そのような中でも先日、私が担当した試合でエラーに関する珍しいプレイがあったので紹介します。
それは9月12日、楽天対オリックス21回戦(楽天生命パーク)において、5回裏一死二三塁で楽天の岡島豪郎選手がショート後方への飛球を打ち上げました。前進守備だったショートの紅林弘太郎選手が後方に下がりながら飛球をグラブに捕らえかけたところで、前進してきたレフトの中川圭太選手と交錯してしまい、落球しました。
記録はレフトのエラーとしました。レフトの中川選手は直接に飛球には触れていないにも関わらず、です。その根拠は下記の野球規則です。
野球規則 9.12 失策(a)(1)【原注3】抜粋
野手が、他の野手のミスプレイの原因となったときは、失策を記録する。たとえば、他の野手のグラブにぶつかってボールを飛び出させた場合である。このような場合、捕球を妨げた野手に失策を記録したときには、妨げられた野手には失策を記録しない。
野手が、他の野手のミスプレイの原因となったときは、失策を記録する。たとえば、他の野手のグラブにぶつかってボールを飛び出させた場合である。このような場合、捕球を妨げた野手に失策を記録したときには、妨げられた野手には失策を記録しない。
つまり、打球に触れていなくても、他の野手の捕球を妨げてしまうと、その野手にエラーが記録されるということです。
今回紹介した野球規則はいかがでしたでしょうか。とても細かくあらゆることを想定して定められている野球規則の奥深さを改めて感じられたプレイでした。
【NPB公式記録員 伊藤亮】