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【パCSファイナルS展望】ペナントレース最終戦でリーグ連覇決めたオリックス、ソフトバンクは本塁打量産の柳田悠岐がキーマンに

 パ・リーグの「2022 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファイナルステージは1位・オリックスがファーストステージを突破してきた2位・ソフトバンクを京セラドーム大阪で迎え撃つ。

 ペナントレース最終戦で楽天に勝利し、首位のソフトバンクがロッテに敗れたため、逆転でリーグ連覇を飾ったオリックス。7月下旬まで借金生活だったが、夏場にエンジンがかかると白星を重ね、ソフトバンクとの熾烈な争いを制した。

 絶対的エース・山本由伸が15勝5敗、防御率1.68などで史上初の2年連続「投手5冠」(編注:防御率、勝率、勝利、奪三振のタイトルに完封勝を加えたもの)に。宮城大弥は2年連続2ケタ勝利の11勝、田嶋大樹も自己最多の9勝と白星を積み上げ、吉田正尚は3年連続首位打者が叶わなかったが、打率.335、21本塁打、88打点をマーク。上記の選手たちは期待どおりの活躍をしたが、今年は中軸に誤算が相次いだ。

 昨季の本塁打王・杉本裕太郎は春先に打撃不振で四番から下位に降格するなど試行錯誤を重ね、長距離砲のT-岡田も36試合の出場のみ。チームの窮地を救ったのは、25年ぶりのリーグ優勝を果たした昨年に悔しい思いをした選手たちだった。

 中川圭太が110試合出場で打率.283、8本塁打と奮闘。昨季はケガで一軍定着できずリーグ優勝の瞬間も立ち合えなかったが、中嶋聡監督の期待に見事に応えた。昨季開幕スタメンに抜擢されながら46試合出場に終わった頓宮裕真も、81試合出場で自己最多の11本塁打をマーク。9月に四番に抜擢されるなど貢献度が高かった。

 投手陣では山岡泰輔が見事に復活。6勝8敗、防御率2.60と白星は伸びなかったが、先発としての役割を十分に果たした。救援陣も新たな力が躍動。2年目右腕の阿部翔太が44試合登板で1勝3セーブ22ホールド、防御率0.61と抜群の安定感で、シーズン終盤は守護神を務めた。育成出身の宇田川優希も7月28日に支配下登録され、150キロを常時超える球威十分の直球を武器に19試合登板で2勝1敗3ホールド、防御率0.81。実績関係なく状態の良い選手を積極的に起用する中嶋監督の手腕が光った。

 1勝のアドバンテージがあるファイナルステージは、初戦の先発が発表された山本で白星をつかみ、一気に決着をつけたい。

 一方、惜しくも2年ぶりのリーグ優勝を逃したソフトバンクは3位・西武とのファーストステージ初戦で5対3、2戦目も8対2と2連勝でファイナルステージに進出した。

 投打ががっちりかみ合う戦いぶりで、特に頼もしい存在が本塁打を量産している柳田悠岐だ。ファーストステージでは初戦に髙橋光成から3回に右中間のテラス席へ3ランを放つと、2戦目も0対0の3回に今井達也の低めに落ちる難しいスライダーを泳ぎながら右翼のテラス席へ。先制の満塁アーチで、試合の主導権を握った。今季は好調を長く維持できず苦心していたが、ペナントレースから目下4試合連続本塁打と勢いに乗っている。柳田が打つとチームが活気づく。ファイナルステージでもキーマンになることは間違いないだろう。

 選手層が厚いのも大きな強みだ。ファーストステージ初戦を千賀滉大、2戦目を東浜巨の先発で白星をつかんだが、ファイナルステージも石川柊太、板東湧梧、ベテランの和田毅、今季7勝と頭角を現した大関友久と質の高い投手たちがそろっている。救援陣もオリックスをしのぐ安定感を誇る。藤井皓哉、嘉弥真新也、津森宥紀、松本裕樹、泉圭輔、甲斐野央、森唯斗、モイネロとさまざまなタイプの投手がズラリ。さらに、セットアッパーの又吉克樹も故障からの復帰を目指しており、ファイナルステージに間に合えば心強い存在になる。藤本博史監督はシーズン終盤に、森を先発で2度起用して小刻みな継投で相手を翻弄する「オープナー」の戦術を導入している。ファイナルステージの大舞台でこの奇襲作戦を用いるか、注目される。

 今季のオリックス戦は10勝15敗と負け越し。京セラドーム大阪では3勝10敗と分が悪いが、短期決戦は別物だ。ソフトバンクは14年からの8年間で6度の日本一を飾っているが、18、19年はペナントレース2位からファイナルステージでプロ野球史上初の2年連続下克上を果たし、頂点まで突っ走っている。柳田、今宮健太、中村晃、甲斐拓也ら黄金時代を築いた選手たちは勝負どころで力を発揮する。マジック1で連敗を喫し、逆転優勝を許したペナントレースから2週間。打倒・オリックスに燃える。

【文責:週刊ベースボール】