• セントラル・リーグ
  • 阪神タイガース
  • 広島東洋カープ
  • 横浜DeNAベイスターズ
  • 読売ジャイアンツ
  • 東京ヤクルトスワローズ
  • 中日ドラゴンズ
  • パシフィック・リーグ
  • オリックス・バファローズ
  • 千葉ロッテマリーンズ
  • 福岡ソフトバンクホークス
  • 東北楽天ゴールデンイーグルス
  • 埼玉西武ライオンズ
  • 北海道日本ハムファイターズ
  • 侍ジャパン

日本野球機構オフィシャルサイト

ニュース

NPBニュース

【コラム】開幕直前!2023年パシフィック・リーグ展望

 昨年はオリックスがソフトバンクと熾烈な首位争いの末、ペナントレース最終戦で逆転優勝を決め、26年ぶりの日本一に。リーグ3連覇を狙う今年も戦力は充実している。雪辱を期すのがソフトバンクだ。昨オフに大型補強を敢行。優勝争いはこの2チームが軸になる可能性が高い。西武、ロッテ、楽天は若手の台頭がカギを握る。最下位に沈んだ日本ハムは新庄剛志監督が就任2年目で「勝負の年」を明言。旋風を巻き起こせるか。

 オリックスは球界を代表する絶対的エース・山本由伸の存在が大きい。左腕エース・宮城大弥、田嶋大樹、山岡泰輔、山﨑福也とゲームメーク能力が高い先発陣に加え、高卒3年目の山下舜平大も台頭。さらに救援陣も山﨑颯一郎、宇田川優希、阿部翔太、平野佳寿、比嘉幹貴、ワゲスパック、本田仁海と質、量ともに充実している。打線は主軸を担っていた吉田正尚がレッドソックスに移籍したが、攻守の要となる森友哉が西武からFA移籍。昨年は機能しなかった助っ人野手陣、スランプに苦しんだ杉本裕太郎が機能すれば得点力は見込める。野口智哉、太田椋、来田涼斗、オープン戦で好調な打撃を見せ支配下に昇格した茶野篤政が一本立ちする活躍を見せれば、頂点にグッと近づくだろう。

 3年ぶりのV奪回を狙うソフトバンクは大型補強で今年にかける思いが伝わる。近藤健介、嶺井博希、オスナ、有原航平、ガンケルら実力者たちを獲得。エースの千賀滉大がメッツに移籍したが、戦力は昨年より上だろう。投手陣でカギを握る存在が藤井皓哉だ。育成枠で入団した昨季は開幕前に支配下昇格し、55試合登板で防御率1.12と抜群の安定感。セットアッパーとして大ブレークした。先発転向の今季は2ケタ勝利が最低ノルマ。エースになる力も十分に兼ね備えている。打線は主将の柳田悠岐が打たなければ、得点力が半減する。持ち前の爆発力に期待したい。

 昨年3位の西武は投手力だけで言えば、オリックスを上回る力がある。昨年のチーム防御率2.75はリーグトップ。髙橋光成、今井達也、松本航、エンス、與座海人、隅田知一郎と充実の先発陣で、救援も盤石だ。今年はセットアッパーとして長年活躍した平良海馬が先発に転向する。この配置転換がチームの命運をどう左右するか。打線は森の退団が大きな痛手だが、簡単に埋められる穴ではない。課題の得点力アップへ、松井稼頭央新監督は機動力をテーマに掲げる。源田壮亮、外崎修汰、金子侑司、愛斗と俊足の選手がそろっているだけに活路を見いだしたい。

 昨年は春先に首位を快走し、貯金を最大18まで増やした楽天だったが、その後に大失速。優勝どころかクライマックスシリーズ進出を逃し、4位に終わった。連敗すると歯止めが利かなくなる脆さを露呈した中で、若手の台頭なくして頂点は狙えない。先発で昨季伸び悩んだ早川隆久、瀧中瞭太、野手では上位を打つ辰己涼介、小深田大翔のさらなる飛躍が求められる。外国人野手も近年稼働していない。新外国人のフランコ、来日2年目のギッテンスが中軸として活躍すれば、浅村栄斗、島内宏明とともに強力打線が実現する。開幕投手に内定した田中将大も期する思いが強いだろう。エース復活なるか。

 2020、21年と2年連続2位から昨季は5位に沈んだロッテ。吉井理人監督が就任し、巨人を退団したメルセデス、ポランコの両助っ人を獲得し、澤村拓一が3年ぶりに復帰した。昨年は救援陣の乱調で落とす試合が目立っただけに、澤村がセットアッパーとして1年間定着できれば大きなプラスアルファになる。今年は右肩甲下筋肉離れで開幕アウトだが昨年盗塁王を獲得した髙部瑛斗、チーム最多の16本塁打をマークした山口航輝の活躍が明るい材料。だが、ドラフト1位入団の安田尚憲、藤原恭大が伸び悩んでいるのは歯がゆい。本来ならチームの中心として活躍してもらわなければ困る選手たちだ。覚醒に期待したい。

 昨年新庄監督が就任し、開幕前は話題を独占した日本ハムだったが、9年ぶりの最下位に。ただ、昨年は若返りのチーム方針で育成に舵を切った戦いだった。外国人選手を除く全選手に一軍でプレーするチャンスを与え、松本剛が首位打者獲得と大ブレーク。清宮幸太郎、万波中正、今川優馬も初の2ケタ本塁打をマークするなど収穫も多かった。就任2年目の今季は指揮官がレギュラーをある程度固定して戦うことを明言。勝負にこだわる中、投打の二刀流で注目されるドラフト1位・矢澤宏太、メジャーから逆輸入のドラフト3位・加藤豪将ら新戦力が起こす化学反応が楽しみだ。

【文責:週刊ベースボール】