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【コラム】開幕直前!2023年セントラル・リーグ展望

 昨年はヤクルトがリーグ連覇を達成。山田哲人、村上宗隆、中村悠平ら主力に加えて長岡秀樹、内山壮真と若手も頭角を現している。黄金期を迎え、球団史上初の3連覇を十分に狙える陣容だ。対抗馬は昨年の夏場にヤクルトを猛追したDeNA、投手陣が安定している阪神か。昨年は5年ぶりのBクラスに低迷した巨人、新井貴浩監督が就任した広島、戦力を大幅にテコ入れした中日も地力がある。順位が大幅に変動する可能性もあり、各球団の戦いぶりが注目される。

 ヤクルトはリーグ連覇の経験が自信につながっている。昨季日本選手記録の56本塁打を樹立し、三冠王を獲得した村上を中心に破壊力抜群の打線を形成する。打のキーマンは山田だろう。史上初のトリプルスリーを3度達成した名選手も昨年は好調の時期が短かった。スピードが持ち味の選手で、盗塁の数が多いシーズンは打撃成績も良い。もう一度、輝きを取り戻せるか。投手陣は守護神を務めていたマクガフが退団。新外国人のケラにかかる期待が大きい。先発陣は2021、22年と2ケタ勝利投手がゼロ。試合中盤に強力救援陣へスイッチする起用法も影響しているが、小川泰弘、高橋奎二は左右のエースとして2ケタ勝利が最低ノルマ。ドラフト1位右腕の吉村貢司郎は三振奪取能力が高く、スタミナも十分。先発ローテーションで稼働できるか。

 夏場に本拠地・横浜スタジアムで17連勝を飾るなど、ヤクルトと首位争いを繰り広げたDeNA。惜しくも2位に終わったが、攻守で戦力が充実している。補強の目玉として、20年にサイ・ヤング賞を獲得したバウアーの獲得を発表。32歳とメジャーでバリバリで活躍できる右腕の獲得は衝撃だった。コンディションが整えば、エース格として期待できる。懸案事項は捕手か。昨オフに正捕手格だった嶺井博希がソフトバンクにFA移籍。伊藤光、戸柱恭孝を併用の可能性が高い。ドラフト1位の松尾汐恩は走攻守3拍子そろった捕手。高卒1年目から一軍デビューのチャンスをつかむかもしれない。

 阪神は岡田彰布新監督が15年ぶりに復帰。近年は拙守が目立ったが、中野拓夢をセカンドにコンバートするなど強固な守備を目指す。投手陣はリーグトップクラスの陣容。先発は不動のエース・青柳晃洋を筆頭に、西勇輝、伊藤将司、才木浩人、西純矢、秋山拓巳、現役ドラフトで獲得した大竹耕太郎とズラリ。救援陣も岩崎優、浜地真澄、K.ケラーと質の高い投手がそろっている。守護神を務める湯浅京己が1年間回れば、安定した戦いができる。問題は打線だ。佐藤輝明、大山悠輔が伸び悩むと苦しい。和製大砲のドラフト1位・森下翔太がブレークすれば得点力が一気に上がる。

 4位に低迷した巨人は変革期を迎えている。投打の中心として長年活躍してきた菅野智之、坂本勇人が復活できるか。中、長期的に考えると2人に頼ったチーム作りはできない。新主将に就任した岡本和真もヤクルト・村上と遜色ない能力を持った強打者だけに、不動の四番で活躍してもらわないと困る。戸郷翔征も名実ともにエースであることを証明するシーズンになる。白星を重ねるためには、救援陣の再整備がカギを握る。昨年は守護神・大勢につなぐ勝利の方程式を構築できなかった。新外国人のロペス、ドラフト3位の田中千晴、5位の船迫大雅ら新戦力の台頭に期待したい。

 広島は16~18年にリーグ3連覇を飾った栄光から一転、19年から4年連続Bクラスと低迷期が続いている。投打ともに能力の高い選手がそろっているが、勝利に結びつかない。チーム再建を託されたのが新井監督だ。坂倉将吾を捕手1本に固定し、チームの伝統だった機動力の強化を明言。その旗頭にならなければいけない選手が野間峻祥、小園海斗だ。昨季は野間が7盗塁、小園が2盗塁と少ない。相手バッテリーに重圧をかけるためにも、足で「赤ヘル旋風」を起こせるか。投手陣は大瀬良大地、九里亜蓮の復活なくして王座奪回はない。両右腕は意地を見せてほしい。

 6年ぶりの最下位に沈んだ中日は二遊間を守る阿部寿樹、京田陽太をトレードで放出し、涌井秀章、砂田毅樹を獲得。最多勝4度の実績を持つ涌井は36歳とベテランの域だが、勝つ術を知っている。打線はアキーノ、カリステ、アルモンテの加入で外国人枠争いが熾烈に。大島洋平、昨季最多安打に輝いた岡林勇希はチャンスメーク能力が高い。走者を還すポイントゲッターを確立できるかがチームの命運を握る。二遊間を守るドラフト2位の村松開人、ドラフト7位の福永裕基はチャンスが多い。1位の仲地礼亜を含めて何人の救世主が現れるか。

【文責:週刊ベースボール】