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【コラム】悪条件下でも動じずに7回1失点の好投、ロッテ・小島和哉が目指す「イニングを投げるピッチャー」

 「負の要素を断ち切る力がちょっと自分には足りなかった」

 昨年に関してロッテ・小島和哉は、そう自己分析する。リーグ6位の防御率3.14。しかし、大幅に負け越して3勝11敗。開幕5連敗スタートで、シーズン初勝利は自身10試合目、6月10日のDeNA戦(ZOZOマリン)まで待たなければならなかった。勝利を得られなかった最初の9試合のうち、8試合は6回以上を投げ、9試合中7試合は自責点2以下だったのに、それでも勝ち星はつかなかった。

 「どっちかというとネガティブな考え方をする性格なので、ちょっと打たれただけで『どうしよう』とか、『この球が甘く入ったら打たれるんじゃないかな』という発想も出てくる弱さがあるんです。やっぱりポジティブに考えていきたい。絶対ゼロに抑えるんだ、という強い気持ちを持っていたいですね。あとは良くなかったときでも下を向かずに、反省するところは反省をして、そしたら頭を切り替えて次の登板に向かって集中して準備していきたいです」

 メンタル面に改善を図って迎えた今季、4試合目の登板となった4月26日の西武戦(ZOZOマリン)で生まれ変わった姿を見せた。初回、突然の土砂降りに見舞われたが、「嫌だと思わずに、力まないで指先に集中することを意識しました」と悪条件にも動じない。二死二、三塁からマキノンに先制打を浴びたが丁寧なピッチングで後続を断ち、追加点を許さず。2回以降も走者を出しながら隙を与えず、スコアボードにゼロを並べて7回1失点。2対1と僅差の勝利に貢献し、チームは単独首位に浮上した。

 「1点差ゲームを勝ち切れたことは大きい」と笑顔を浮かべた小島。今季は「勝ちに執着せずに投げられるようになりました」とも言う。

 「数字は自分でコントロールできることではないということです。ゼロで抑えても勝てない日もありますし、点を取られても勝てる試合もあります。なので、勝ち負けはあまり気にする必要はないのかな、と。でも、内容は気にしたい」

 その上で今季、目指しているのは「イニングを投げるピッチャー」だ。

 「昨年、一昨年も一応、規定投球回には到達しているんですが、140いくつとかだったのでギリギリでした(2021年=146回、2022年=143.1回)。そこを年間170イニング前後にしたいですね。僕はどちらかというと現実主義者というか、近くに目標がないと頑張りにくいタイプなので、年間170イニングという目標は持っていたいんです。大雑把に言うと、6回までで降板していたのを7回までに伸ばす。年間24試合に先発するとして、1試合あたりの投球回数を1イニングずつ増やせばいい」

 5月1日現在、4試合に登板してクオリティー・スタート(先発が6イニング以上を投げ、自責点3以内)は3試合で防御率も2.19と上々だ。執着していない勝ち星も2と自然とついてきている。「今年を現時点でのベストシーズンにしたいですね」と誓う小島。意気込みどおりのシーズンを過ごせそうな予感が漂う。

【文責:週刊ベースボール】