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【コラム】ベイスターズを上昇気流に乗せる背番号63、関根大気が10年目で覚醒した理由

 鋭くバットを振ることだけを考えていた。5月20日のヤクルト戦(横浜)、2対2の同点で迎えた7回裏、佐野恵太が死球を受け一死満塁となり、打席に入ったのは関根大気だった。「キャプテンが当てられたり、いろいろなことがあったんですけど、冷静に、と」。チャンスの場面で犠飛や併殺崩れでも得点できればいいと考えるタイプだったというが、ここでは石井琢朗チーフ打撃コーチから「いつもどおりで行け」とアドバイスを受けた。頭が整理され、強くボールを叩くことに集中。するとカウント2-1から石山泰稚のフォークをうまく拾い、打球は右翼線へ。2者が生還する適時二塁打でチームを6連敗からの3連勝に導いた。

 史上最多の3万3266人の観客が詰めかけた横浜スタジアム。本拠地では14勝4敗、勝率.778と無類の強さを見せるが、今季5度目のお立ち台に上がった関根は「皆さんの喜びを僕自身も感じることができています。ぜひ、これからも選手たちを後押ししてほしいと思います」とファンへメッセージを送った。

 今季で10年目を迎えた関根。昨季までの9年間で通算安打は145だったが、今季は5月22日現在で38試合に出場し、47安打をマーク。打率はリーグ2位の.364を数えるなど飛躍的な進歩を遂げている。それまでは6番を任されていたが、5月17日の広島戦(横浜)からは2番に。役割が変わっても計4試合で18打数9安打の打率5割。首位・阪神に2ゲーム差の2位と、25年ぶりの優勝を狙うチームで欠かせない存在となっている。

 なぜ、10年目で覚醒を果たしたのか。関根自身は好調の要因を次のように語っている。

 「自分がやれること、確率が良いスイングを打席内では意識しています。相手に合わせるのではなく、自分のスイングをする。それができない球は見送って、追い込まれてしまったらなんとかバットに当てて。ただ、それを日々やっているっていう感じです」

 まずは自分が強いスイングができるボールに積極的にバットを出していく。好球必打。それは37打数13安打と初球に好成績を残している点にも表れている。昨季は225打席で31三振と三振率は13.8パーセントだったが、今季は145打席で11三振。三振率は7.6パーセントと大幅に減少しているが、これも「確率が良いスイング」を打席で意識した結果だろう。

 充実した日々を送っている関根だが、その視線は鋭さを増している。

 「キャンプイン前日に、萩原さん(萩原龍大チーム統括本部長)から『優勝するためにどうするかではなく、優勝すると決めてやっていこう』という話がありました。だから僕も、もう優勝するものだと決めて行動しています」

 そのために野球に対する姿勢をナインに見せ続けていく。

 「僕自身、野球を楽しめているので、そういう姿勢を貫くことでプラスを生めるんじゃないかと思っています」

 ハマの背番号63が、さらにチームを上昇気流に乗せていく。

【文責:週刊ベースボール】