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【コラム】中4日で自己最多128球の完投勝利をマーク、頭脳明晰で熱い心も持つDeNA・バウアー

「ユメ カナウマデ チョウセン!」

 ヒーローインタビューでチームメートに教わった高校野球界の名将、済美高・上甲正典元監督の名言を絶叫してファンを沸かせた。7月6日のヤクルト戦(横浜)。DeNAの先発マウンドに上がったトレバー・バウアーは中4日のマウンドでも力強いピッチングを見せた。味方が逆転した直後の6回には先頭の山崎晃大朗に四球を与えたがクリーンアップ相手にギアを上げた。ドミンゴ・サンタナを外角低めのスライダーで、村上宗隆を落差の鋭いナックルカーブで空振り三振。最後はホセ・オスナをフルカウントから156キロの直球で3者連続空振り三振に仕留めて雄叫びを上げた。

 8回のマウンドを終えた時点で118球。お役御免かと思われたが、8回の打席に向かうと球場には大歓声がこだました。2連敗を喫していたチームに勝利を呼び込むために、自らが最後まで投げ切ることがベストだと気合を見せたのだ。最終回も150キロ台の直球、多彩な変化球でヤクルト打線を圧倒。自己最多となる128球の力投で今季2度目の完投勝利をマークした。「負けることが嫌い。何が何でも勝ちたいという思いでマウンドに上がった」。バウアーは言葉に力を込めた。

 メジャー・リーグで5年連続2ケタ勝利をマークするなど通算83勝を挙げ、2020年にはナ・リーグのサイ・ヤング賞に輝いたバウアーがDeNAに電撃加入したのは開幕直前だった。5月3日の広島戦(横浜)で7回1失点の鮮烈デビュー。その後、苦しんだ時期もあったが、徐々に日本球界にアジャストし、6月以降に5勝。7月10日現在、10試合に投げ、6勝2敗、防御率3.53を記録している。

「(MLBとNPBは)広く見れば一緒だと思っています。野球であることに変わりはないし、ルールも同じ。ホームベースとピッチャーズプレートの距離が変わるわけでもないですから。ただ、トレーニングをはじめとしたスケジュールの部分や、特徴を知らない打者にアジャストする必要性がありました」

 バウアーがピッチングで重要視していることは「どのくらい自分の狙ったところからボールがずれたか」だという。

「ずれた距離や確率を意識しています。というのも、ミスした距離というのは自分がコントロールできる部分だと思うんです。それをいかに小さくできるか。つまり、いかに投げたいところに投げられるかということです」

 UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)出身の理論派らしく、自らのパフォーマンスに関しても理路整然と語る。

「私はいつも『まずは自分自身に教え込まないといけない』と考えています。そのためには、自分が納得のできるクリアな説明ができなくてはいけませんからね」

 頭脳明晰で、熱い心も携える助っ人右腕が25年ぶりの優勝を目指すDeNAの大きな力となっている。

【文責:週刊ベースボール】