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【コラム】偉大な背番号に負けない巨人の若きスラッガー、松井秀喜以来、20歳以下でクリーンアップを担う秋広優人

 “師匠”に負けじとアーチを架けた。7月11日の広島戦(東京ドーム)。2回、先頭で打席に立った巨人の六番・中田翔が左翼席へ床田寛樹から先制のソロアーチを放った。すると、続く3回だ。一死から今度は三番・秋広優人が初球、外角高めのツーシームを強振。打球は右中間席に飛び込む6号ソロに。2年連続で沖縄・石垣島の自主トレで寝食をともにした師弟から飛び出したアーチで主導権をつかんだ巨人は山﨑伊織、高梨雄平、鈴木康平、中川皓太の完封リレーもあって4対0と快勝した。

 4月29日の広島戦(東京ドーム)以来、2度目の師弟アベックアーチ。秋広は「手本を見せてもらっていたので“自分も”という気持ちでした」と微笑み、さらに「初球から積極的にいこうと思っていたなか、ツーシームが浮いてきたので思い切っていきました」と言葉に力を込めた。

 高卒3年目にしてクリーンアップに名を連ねる身長2メートルのまさに「大物」。ビッグネームが並ぶ重量打線に秋広は新風を吹き込んでいる。高卒1年目で一軍デビューを果たしたが、昨季は最後まで一軍から声が掛かることなく、悔しさを味わった。それでも二軍戦でチームトップの109試合出場、打率.275、9本塁打をマーク。今季も二軍スタートとなったが、打率.341と爆発。4月18日に一軍昇格すると22日のヤクルト戦(神宮)でプロ初スタメン初安打。29日の広島戦(東京ドーム)ではプロ初本塁打を放ち、サヨナラ弾の中田翔と一緒にお立ち台にも上がった。

「初ホームランを打ちましたけど、負けていたので複雑な感情でした。でも、翔さんがサヨナラホームランを打ってくれて、一緒にお立ち台に上がることができたので。まさか初ホームランを打った日に翔さんと上がることができるなんて思ってもいなかったので、すごく感謝しています」

 5月下旬からは三番での起用が続くが、原辰徳監督は「自分の力で(三番を)つかんだ」とその力を認めている。20歳以下でクリーンアップを担うのは、球団では松井秀喜以来のことだ。1年目のオフに引き継いだ松井も着けた背番号「55」は、球団の大きな期待の証しだが、その期待に、ようやく応えようとしている。同じ左の強打者として、偉大な先輩の背中を追う日々が始まった。

「やっぱりジャイアンツの55番なので、偉大な番号ですし、もちろん軽い番号ではありません。そういうところで注目してもらえることも多いですし、だからこそ『55番を背負わせてよかった』と思われるくらいの選手にならないといけない。そういう思いでこれからもやっていきたいです」

 ペナントレースも折り返し地点を過ぎたが、新しい目標は「規定打席到達」だ。

「試合に出続ける方たちのすごさというのが分かって、もちろん結果を出し続けないと試合に出ることはできないので。ケガや疲れも含めてコンディショニングをしっかりしながら、規定打席を目指していきたいと思います。その中で、多くの打席、チャンスをもらっているので、1打席も無駄にしないという思いで何とかチームに貢献して、優勝できるように頑張りたいです」

 7月16日現在、規定打席には11不足しているが、打率.298、7本塁打、23打点をマーク。若きスラッガーが後半戦、Bクラスに沈むチームを加速させていく。

【文責:週刊ベースボール】