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【パ・リーグ後半戦展望】オリックスが3連覇へ視界良好、ロッテ、ソフトバンクは食い下がれるか

 前半戦を終えてオリックスが貯金17で首位ターン。2位のロッテが3.5ゲーム差、3位・ソフトバンクが5.5ゲーム差でオリックスを追いかける。4位以下の楽天、西武、日本ハムは借金を完済して上位3球団を追いかけたい。リーグ3連覇を狙うオリックスは投打共に充実した戦力で後半戦もこのまま突っ走る可能性がある。残り5球団が「オリックス包囲網」を敷いて混戦のパ・リーグに持ち込めるか。

 オリックスは黄金時代を迎えていると言って良いだろう。主軸として活躍してきた吉田正尚が昨オフにレッドソックスへ移籍したが、「西武の顔」でFA権を行使した森友哉の獲得に成功。攻守の軸として大きなプラスアルファをもたらしている。リーグ2位の得点圏打率.365をマークし、守備でも好リードで投手陣を牽引。左大腿二頭筋筋損傷で7月2日に登録抹消されたが、リーグトップの打率.318をマークしている頓宮裕真、勝負強い打撃が光る中川圭太、和製大砲の杉本裕太郎に加えて育成枠から支配下昇格して本塁打量産のセデーニョとタレントがそろっている。投手陣も山本由伸、宮城大弥のダブルエースを筆頭に山下舜平大も8勝をマーク。リーグ3連覇に向けて死角は見当たらない。

 昨年5位に低迷したロッテは貯金10で2位の好位置につける。伸び悩んでいた藤原恭大、安田尚憲のドラフト1位コンビが成長の跡を見せ、投手陣も佐々木朗希、種市篤暉、西野勇士、小島和哉と球に力がある投手がそろっている。新戦力の活躍も目立つ。日本ハムからトレード移籍した西村天裕はセットアッパーで30試合に登板し、1勝0敗8ホールド、防御率0.90をマーク。メジャーから3年ぶりに復帰した澤村拓一は4勝2敗2セーブ13ホールド、防御率4.97で、勝つために全力を尽くすストイックな姿勢は、若手の良きお手本として数字以上に貢献度が高い。1974年以来49年ぶり勝率1位でのリーグ優勝に向け、救援陣の踏ん張りが生命線となる。守護神・益田直也を胴上げ投手にできるか。

 3位のソフトバンクは昨オフに大型補強を敢行した。日本ハムでFA権を行使した近藤健介の争奪戦を制し、DeNAで正捕手だった嶺井博希の獲得にも成功。メジャーから日本球界復帰の有原航平、昨年ロッテにシーズン途中加入で守護神を務めたオスナ、元阪神のガンケルが加わった。春先から順調に白星を重ね、7月上旬に貯金を今季最多の15に増やしたが、その後に27年ぶりの9連敗。失速したことで課題が浮き彫りになった。先発陣は藤井皓哉が左内腹斜筋肉離れで6月上旬に離脱し、石川柊太、東浜巨もピリッとしない。打線は近藤、柳田悠岐の強力コンビにチャンスで打席を回したい。底力があることは誰もが認める。パ・リーグの主役になり上がれるか。

 4位の楽天は6月終了時点で最下位に低迷。打点王、最多安打獲得の実績を持つ島内宏明が打率1割台と打撃の状態が上がらず、中日からトレードで獲得した阿部寿樹も2度のファーム降格を経験するなど苦しんだ。だが、7月は11勝3敗と息を吹き返して借金4に。好調の要因は活発な打線だ。一番・村林一輝、二番・小深田大翔、三番・小郷裕哉がチャンスメークし、浅村栄斗、阿部、岡島豪郎、伊藤裕季也がポイントゲッターで走者を還している。ただ、投手陣が安定しているとは言えない。チーム防御率3.55はリーグワースト。日米通算200勝まであと5勝に迫っている田中将大は今季5勝5敗、防御率4.43と集中打で大量失点を喫する登板が目立つ。後半戦は復調した姿を見せられるか。

 5位の西武は3、4月終了時点では13勝11敗と上々のスタートを切ったが、5月に7勝16敗1分と大きく負け越すとその後も下降線に。6月下旬から8連敗を喫して今季ワーストの借金18にふくらんだが、その後に6連勝で5位に浮上して前半戦を終えた。エース・髙橋光成を筆頭に平良海馬、今井達也、與座海人、隅田知一郎の先発ローテーションは十分に戦える陣容で救援陣もチーム防御率2.67はリーグ2位。問題は打線だ。235得点はリーグワースト。かつて破壊力抜群で山賊打線と他球団に恐れられていた面影がない。外野のレギュラーをなかなか固定できず、打線全体に迫力不足が否めない。チャンスを与えられている長谷川信哉、蛭間拓哉、鈴木将平、岸潤一郎ら若手が一本立ちしたい。

 最下位に沈んでいる日本ハムだが、チームの将来を悲観する必要はない。最下位に沈んだ新庄剛志監督就任1年目の昨年は戦力の差を痛感させられる試合が目立ったが、伏見寅威、マルティネス、加藤豪将ら新戦力が加わった今年は他球団に見劣りしない戦いぶりで、6月下旬は借金3まで減らしていた。前半戦のラスト10試合で6年ぶりの10連敗を喫して最下位に転落したが、敗れた試合は接戦が大半だ。前半戦で自己最多の15本塁打をマークした万波中正、左腹斜筋損傷から復帰した清宮幸太郎、スピードスターの五十幡亮汰と楽しみな若手が多い。投手陣も加藤貴之、上沢直之、伊藤大海の3本柱は他球団のエース級と遜色ない。もう一度チームを立て直してパ・リーグを盛り上げたい。

【文責:週刊ベースボール】