【球跡巡り・番外編】公式戦開催全球場のデータを更新します(2024年)
NPB公式サイトの球場情報の中にある「公式戦開催全球場」には、球場毎にこれまで開催した試合数や本塁打数などのデータが掲載されています。2024年シーズンを前に、昨年両リーグで行われた858試合の記録を加算しました。昨年は新設されたエスコンフィールドHOKKAIDO(北海道)と、きたぎんボールパーク(岩手県)で一軍公式戦を開催し、プロ野球の使用球場は291になりました。
今年は12球団の現在の本拠地球場における「個人シーズン記録」を追加しました(甲子園は二リーグ制以降)。打者が1球場でシーズン100安打を記録することは容易でなく、次の3人しかクリアしていません。
安打 | 選手と年度 | 球場 |
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107 | 青木 宣親(ヤクルト)=2007年 | 神宮 |
105 | 西岡 剛(ロッテ)=2010年 | 千葉マリン |
100 | 秋山 翔吾(西武)=2015年 | 西武プリンスドーム |
1924年の開場から100周年を迎えた甲子園球場のシーズン最多安打は2010年マートン(阪神)の89で、90台に乗せた選手もいません。昨年、シーズン164安打でリーグ最多安打のタイトルを獲得した中野拓夢内野手(阪神)や、2022年に甲子園で現役最多の80安打を記録した近本光司外野手(阪神)らに、節目の年での大台突破が期待されます。
投手の数字では勝利に焦点を当てると、1球場でシーズン20勝以上を記録した選手が1954~1961年の間に4人いました(全て過去の本拠地球場)。近年のプロ野球ではシーズンの「20勝投手」も貴重な存在で、2013年に田中将大投手(楽天)が24勝を記録したのを最後に10年間も不在ですから、当時の記録の凄さがあらためて伝わります。
勝利 | 選手と年度 | 球場 |
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20 | 杉下 茂(中日)=1954年 | 中日 |
20 | 金田 正一(国鉄)=1958年 | 後楽園 |
20 | 藤田 元司(巨人)=1958年 | 後楽園 |
20 | 稲尾 和久(西鉄)=1961年 | 平和台 |
昨年開場したエスコンフィールドHOKKAIDOの最多勝利は、加藤貴之投手と上沢直之投手(ともに日本ハム)の5勝でした。まずは10勝の節目を記録する投手の台頭に期待します。
【NPB公式記録員 山本勉】