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【後半戦展望】セ・リーグの優勝争いは大混戦、パ・リーグはソフトバンクの首位独走を阻止する球団に注目が

 セ・リーグは前半戦を終え、首位・巨人から4位・阪神まで3.5ゲーム差の大混戦。5位の中日は8ゲーム差、最下位のヤクルトも巨人に9.5ゲーム差と巻き返しが可能な位置につけている。クライマックスシリーズ(CS)争いを含め、シーズン終盤まで熾烈な戦いが繰り広げられることが予想される。

 阿部慎之助監督が就任した巨人は貯金を今季最多の8に伸ばし、5年ぶりに前半戦首位ターンとなった。戸郷翔征、山﨑伊織、菅野智之、グリフィンの先発4本柱が安定しており、故障から復活した守護神・大勢が好調を維持している。打線はシーズン途中加入したヘルナンデスが起爆剤となり、懸案の五番打者は大城卓三を据えて得点力が上がった。2年連続Bクラスからリーグ制覇へ、視界良好だ。

 2位の広島はリーグトップのチーム防御率2.16と投手陣の奮闘が目立つ。特に近年不本意な成績だった大瀬良大地が4勝1敗、リーグトップの防御率0.82と復活したのが好材料だ。打線は故障者が続出した中で、小園海斗を四番に抜擢。勝負強い打撃でチームを引っ張っている。後半戦は対戦成績で3勝9敗1分と苦手にしている中日戦がポイントになりそうだ。

 3位のDeNAは筒香嘉智がシーズン途中に復帰し、打線に厚みが増した。佐野恵太、オースティン、牧秀悟、宮﨑敏郎と強打者が並ぶ打線は破壊力十分。1998年以来26年ぶりのリーグ制覇に向け、カギを握るのは救援陣だ。山﨑康晃、伊勢大夢、ウェンデルケンがセットアッパーで復活すれば頂点が見えてくる。

 阪神はリーグ連覇を目指し、戦前の下馬評が高かったが、前半戦終了時点で4位に。クリーンアップで計算していた佐藤輝明、大山悠輔、森下翔太が打撃不振でファーム降格を経験。得点力不足が深刻で上昇気流に乗れなかった。投手陣は安定しており、地力は十分にある。得点力が上がれば逆転優勝は可能だ。

 5位の中日は春先に首位に立つ快進撃を見せたが、高橋周平、中田翔、村松開人と主力に故障者が相次ぐと失速。投手陣も柳裕也、梅津晃大、大野雄大がピリッとしない。借金が今季ワーストの8にふくらんだが、故障者が続々復帰して戦力は整ってきている。逆襲に期待したい。

 最下位のヤクルトは先発陣のコマ不足を解消できていない。小川泰弘、高橋奎二が共に2勝では苦しい。打線は故障で離脱中のサンタナが早期復帰すればリーグ屈指の強力打線になる。村上宗隆、山田哲人が夏場に打棒爆発なるか。借金を完済し、優勝争いに加わりたい。

 パ・リーグは4年ぶりのV奪回を狙うソフトバンクが強い。前半戦を終えて貯金26を積み上げ、2位・ロッテに10ゲーム差をつけている。ロッテから5位・オリックスまで5.5ゲーム差の中に4球団がひしめき合う展開で、CS争いも注目される。最下位に低迷する西武は意地を見せたいところだ。

 ソフトバンクは小久保裕紀監督が就任1年目で、盤石の強さを見せている。359得点はリーグ最多で、226失点はリーグ最少。主軸の柳田悠岐が「右半腱様筋損傷」で6月初旬から長期離脱したが、柳町達、正木智也の活躍で勢いが落ちない。6月は月間成績17勝5敗1分と大きく勝ち越し、その後も首位を快走している。投手陣も安定しており、大失速する事態は考えにくい。

 ロッテは貯金を最多の11まで増やしたが、前半戦最後に5連敗。後半戦は気持ちを切り替えてソフトバンクを追いかける。移籍1年目のソトがリーグトップの62打点をマーク。佐藤都志也、髙部瑛斗、岡大海も好調を維持している。投手陣がリーグ5位のチーム防御率3.31は改善したい。戦列を離れている佐々木朗希の復帰時期が気になるところだ。

 3位の日本ハムは貯金4で大健闘と言えるだろう。新庄剛志監督が就任以来2年連続最下位に沈んだが、今年は投打で選手層が厚くなり野球の質が上がっている。田宮裕涼、水谷瞬、水野達稀、金村尚真、福島蓮ら若い力が次々にブレーク。勢いに乗ったら手がつけられない。後半戦もパ・リーグに旋風を起こせるか。

 今江敏晃監督が就任した楽天は交流戦で球団史上初の優勝を飾った。パ・リーグ球団との対戦で借金6が響く形となり4位だが、7月は月間成績が10勝5敗。小郷裕哉、辰己涼介がチャンスメークし、主砲の浅村栄斗も気温の上昇と共に調子を上げている。今季登板なしの田中将大の復活にも期待したい。

 リーグ4連覇を狙うオリックスは借金5で5位と想定外の前半戦に。先発で期待された山下舜平大が未勝利、エースの宮城大弥、東晃平が故障で離脱し、昨季の首位打者・頓宮裕真が打撃不振で打率.199と誤算が相次いだ。ソフトバンクと15.5ゲームの大差をつけられているが、勝ち続けるしかない。

 最下位に沈んだ西武は試練の前半戦となった。松井稼頭央監督が交流戦前に成績不振で休養に。渡辺久信GM兼監督代行が指揮を振るうが借金32と苦しい戦いが続いている。ドラフト1位左腕・武内夏暉、育成出身の3年目左腕・菅井信也、左のスラッガー・山村崇嘉の台頭など明るい材料もある。このままでは終われない。

【文責:週刊ベースボール】