• セントラル・リーグ
  • 阪神タイガース
  • 広島東洋カープ
  • 横浜DeNAベイスターズ
  • 読売ジャイアンツ
  • 東京ヤクルトスワローズ
  • 中日ドラゴンズ
  • パシフィック・リーグ
  • オリックス・バファローズ
  • 千葉ロッテマリーンズ
  • 福岡ソフトバンクホークス
  • 東北楽天ゴールデンイーグルス
  • 埼玉西武ライオンズ
  • 北海道日本ハムファイターズ
  • 侍ジャパン

日本野球機構オフィシャルサイト

ニュース

NPBニュース

【SMBC日本シリーズ2024展望】下克上のDeNAとパ・リーグ王者・ソフトバンクが7年ぶりに激突、DeNAは26年ぶり、ソフトバンクは4年ぶりの日本一目指す

 セ・リーグはDeNAがペナントレース3位からCSを勝ち抜いたのに対し、パ・リーグはソフトバンクが圧倒的な強さでリーグ制覇を飾ると、CSファイナルステージも日本ハムに3連勝と危なげなく勝ち抜いた。対照的な形で勝ち上がった両軍が日本シリーズで対戦するのは2017年以来7年ぶり。このときはソフトバンクが4勝2敗でDeNAを制した。今年はどのような激闘が繰り広げられるか。

 DeNAはCSファーストステージで2位・阪神に2連勝すると、4年ぶりのリーグ優勝を飾った巨人とのCSファイナルステージでも3連勝。巨人がその後に2勝してアドバンテージ分の1勝を含めて3勝3敗で迎えた6戦目は、劣勢をひっくり返した。2点ビハインドの5回に森敬斗、代打・フォードの連続適時打で同点に追いつくと、9回に牧秀悟が救援登板した菅野智之から決勝の左前適時打。6人の継投策で逃げ切った。

 試合を重ねるたびにたくましくなる。その象徴的な存在がCSのMVPに輝いた戸柱恭孝だ。ファーストステージ第2戦から先発マスクをかぶり、好リードで投手陣を牽引すると共に、打撃でも7試合連続安打で計6打点と勝負強さが光った。今季は46試合出場にとどまったが、正捕手の山本祐大がシーズン終盤に右尺骨骨折で戦列を離れ、伊藤光もCSファイナルステージ中に左ふくらはぎの肉離れで登録抹消に。チームの緊急事態を34歳のベテランが救った。遊撃の森敬も成長著しい。ファイナルステージ6戦目で初回に悪送球で先制点を献上し、4回も中継プレーで落球とミスが続いたが、見事に取り返した。5回に右中間を割る適時三塁打で反撃の口火を切ると、同点の9回は先頭打者で右前打を放ってチャンスメーク。二塁に進むと、三ゴロの間に好走塁で三塁に進塁し、牧の決勝打で本塁生還した。

 牧、佐野恵太、オースティン、宮﨑敏郎と中軸に強打者がそろい、脇を固める森敬、戸柱、梶原昂希もバットが振れている。日本シリーズでカギを握るのは投手陣だ。CSで好投を見せたケイ、ジャクソン、大貫晋一に加え、左太腿裏肉離れでCSファイナルステージ登板なしに終わったエースの東克樹が復帰できるか。無理をさせられない状況で、17年の日本シリーズでソフトバンクを相手に8回途中まで無失点の快投で白星を挙げた濵口遥大を起用する選択肢が考えられる。救援陣は中川颯、佐々木千隼、森原康平とパ・リーグの球団でプレーした選手たちがいる。伊勢大夢、坂本裕哉、山﨑康晃を含めてソフトバンクの強力打線をどう抑えるか。三浦大輔監督は「これでもう一度、横浜スタジアムで試合ができますので、また熱いご声援よろしくお願いします」とファンに呼びかけ、ボルテージが上がっている。

 一方、貯金42でシーズンで首位を独走したソフトバンクは、短期決戦でも投打ががっちりかみ合っている。CSファイナルステージで日本ハムに3連勝。アドバンテージの1勝を含めて、1度も負けなかった。柳田悠岐が右太腿裏の筋損傷から復帰した打線は、さらに破壊力が増している。右足首負傷で状態が万全でなかった近藤健介は3戦目で2本の二塁打を放つなど4安打1打点の活躍。四番の山川穂高もCSで3試合連続適時打を放つなど打率.500、3本塁打、6打点でMVPに。周東佑京、栗原陵矢、甲斐拓也、牧原大成と経験豊富な選手がそろい、正木智也、柳町達、川村友斗も頭角を現している。さらに、シーズン途中加入でCS初出場のダウンズも2、3戦目で一番に起用されて打率.429をマーク。変化球への対応能力が高く、広角に安打を打ち分ける。能力の高い選手がそろい、切れ目のない打線はどこからでも得点が取れる。

 投手陣は有原航平、モイネロ、スチュワート・ジュニア、石川柊太、大津亮介と質、量ともに先発が充実している。救援陣は松本裕樹が右肩痛、藤井皓哉が腰痛で9月に相次いで離脱したことは痛手だったが、杉山一樹、ヘルナンデス、尾形崇斗と三振奪取能力が高い投手がそろっている。シーズンで防御率3.76と不安定だったオスナも、ファイナルステージ3試合に登板して無失点。復調の気配を見せており、心配はないだろう。

 ソフトバンクは日本シリーズに強い。前身のダイエーで00年に巨人に敗れた後、8度出場していずれも日本一に輝いている。18年の第2戦を落としてから日本シリーズは無傷の12連勝中だが、スキを見せない。小久保裕紀監督はCSファイナルステージを制した後のインタビューで「今日の喜びは今日の喜びとして、しっかり切り替えて日本シリーズの準備をしたい。日本一になる。その強い決意を持って挑みたいと思います」と表情を引き締めていた。DeNAの勢いを止め、4年ぶりの日本一に輝いたときに喜びを爆発させる。

【文責:週刊ベースボール】

新着ニュース

関連ニュース