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【記録員コラム】守備一貫

 先日、11月12日に2024年度の三井ゴールデングラブ賞が発表されました。
 守備のベストナインという位置付けになるこの表彰は、新聞社、通信社、テレビ局、ラジオ局のプロ野球担当記者の投票により選出されます。したがって純粋に記録(数字)から選出される賞ではないので、ファンのみなさんも選出メンバーに対して様々な感想を持ったことと思います。

 そこで今回は数字から振り返る意味で、2024年シーズンに記録された主な守備記録についてご紹介します。

捕手・連続守備機会無失策(連続シーズン)1897…中村 悠平(ヤクルト)

 2021年5月19日の対阪神9回戦(甲子園)7回裏に、近本光司選手の二塁盗塁に対する送球で失策を記録して以来、足掛け3年無失策で昨シーズンを終えて連続守備機会無失策(連続シーズン)のプロ野球記録を1892まで伸ばしていた。さらに記録の上積みが期待された今シーズン、開幕戦の2024年3月29日の対中日1回戦(神宮)6回表、ロドリゲス選手が一塁ベンチ方向に打ち上げたファウルフライを落球して失策。記録は1897でストップ。

遊撃手・連続守備機会無失策439…今宮 健太(ソフトバンク)

 4月16日の対日本ハム3回戦(エスコンF)の5回裏、上川畑大悟選手の打ったゴロを弾いて失策を記録。その後9月28日の対日本ハム24回戦に8回裏から守備で出場し、9回裏に細川凌平選手の打ったゴロを弾いて失策を記録するまで無失策だった。2006年井端弘和(中日)のプロ野球記録513には及ばなかったものの、従来のパ・リーグ記録だった1995年田中幸雄(日本ハム)の339を大きく更新。
 今宮選手は今シーズン終了時で遊撃手としての出場試合が1575試合となり、松井稼頭央(西武・楽天)の1531試合を上回り、こちらもパ・リーグ記録を更新している(プロ野球記録は坂本勇人(巨人)選手の2046試合)。

 この他、今シーズンのパ・リーグ遊撃手では紅林弘太郎(オリックス)選手387、源田壮亮(西武)選手340も従来の連続守備機会無失策のパ・リーグ記録を上回っていた。特に紅林選手は5月31日対中日1回戦(京セラD大阪)の2回表に失策を記録してから以降は無失策でシーズンを終えたので連続シーズン記録としてはまだ継続中。遊撃手は連続シーズンでも井端選手の513が最高記録なので、来シーズンどこまで迫れるか、あるいは更新できるのか注目される。

外野手・連続守備機会無失策308…秋山 翔吾(広島)

 今シーズン無失策で守備率1.000、守備機会308。2011年岡田幸文(ロッテ)のプロ野球記録359には届かなかったものの、セ・リーグ記録だった1975年山本浩二(広島)の302を更新した。
 ちなみに秋山選手は2023年7月26日対ヤクルト14回戦(マツダスタジアム)から無失策で、連続シーズンとしては367守備機会無失策で継続中。しかしこちらは足掛け6年で達成した聖澤諒(楽天)のプロ野球記録927、藤井栄治(阪神)のセ・リーグ記録817にはまだ遠く及ばない。

外野手・シーズン刺殺397…辰己 涼介(楽天)

 今シーズンの辰己選手の397刺殺は1948年青田昇(巨人)の391を更新するプロ野球記録となった。あわせて、外野手シーズン守備機会404も従来のパ・リーグ記録だった1963年広瀬叔功(南海)の368を更新している(プロ野球記録は1948年青田昇(巨人)の408)。
※刺殺とは打者もしくは走者をアウトにした時に記録されるもので、外野手で言えばフライをキャッチしてアウトにした数と同じと言えるので、「守備範囲が広い」を裏付ける数字だと考えていただければいいと思います。

 以上、今シーズンの主な守備記録を振り返ってみました。

 連続守備機会無失策をはじめとした守備記録は、新聞やネットの試合結果からはわからないように集計のむずかしさもあって打撃や投手記録と比べるとあまり取り上げられない地味な記録といえます。しかし言わずもがな守備も野球では大事な要素のひとつです。連続守備機会無失策記録が同一シーズンに複数出るのは珍しいことなので今回守備記録を取り上げてみましたが、みなさまはどうお感じになられたでしょうか。

【NPB公式記録員 藤原宏之】

連続守備機会無失策(シーズン)
位置 機会 名前 チーム
捕 手 1062 谷繁 元信 中日 2006
943 伊東 勤 西武 1997
一塁手 991 王 貞治 巨人 1980
1128 榎本 喜八 東京 1968
二塁手 503 菊池 涼介 広島 2020
545 白井 一幸 日本ハム 1994
三塁手 214 長嶋 茂雄 巨人 1969
210 小久保 裕紀 ダイエー 2001
遊撃手 513 井端 弘和 中日 2006
439 今宮 健太 ソフトバンク 2024
外野手 308 秋山 翔吾 広島 2024
359 岡田 幸文 ロッテ 2011
連続守備機会無失策(連続シーズン)
位置 機会 名前 チーム
捕 手 1897 中村 悠平 ヤクルト 2021-24
1263 伊東 勤 西武 1996-98
一塁手 1632 J.ロペス DeNA 2017-19
1516 榎本 喜八 東京 1967-68
二塁手 804 関本 健太郎 阪神 2005-07
836 福良 淳一 オリックス 1993-94
三塁手 257 宮本 慎也 ヤクルト 2011-12
210 小久保 裕紀 ダイエー 2001
遊撃手 513 井端 弘和 中日 2006
439 今宮 健太 ソフトバンク 2024
外野手 817 藤井 栄治 阪神 1967-73
927 聖澤 諒 楽天 2010-15