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【セCSファーストS展望】2年連続下克上を狙うDeNA、巨人は打線の爆発がカギに

 10月11日に横浜スタジアムで開幕する「2025 JERA クライマックスシリーズ セ」のファーストステージ。2位のDeNAは昨年レギュラーシーズン3位からCS、日本シリーズを勝ち抜き、26年ぶりの日本一を飾った。今年は2年連続の下克上を目指す。

 レギュラーシーズンは投打の歯車がかみ合わず、阪神が首位を快走する中で早々と優勝争いから脱落した。8月30日終了時点で借金が今季ワーストの7に。中軸を打つ主将の牧秀悟が8月7日に「左関節尺側側副靭帯修復術」の手術を受けたことが発表され、宮﨑敏郎も「右膝後十字靭帯部分損傷」で9月3日に登録抹消されるなど主力に故障が相次いだ。

 この窮地を救ったのが、昨年のシーズン途中にアメリカから復帰した筒香嘉智だった。春先から打撃不振で試行錯誤していたが、8月7日に一軍昇格すると33試合出場で14本塁打と量産。下半身のコンディション不良から復帰したオースティンの活躍もあり、9月以降は17勝6敗1分と大きく勝ち越した。オースティンは再び故障で離脱したのが気がかりだが、牧と宮﨑はCSに間に合う見込み。破壊力十分の打線で得点を奪い、試合の主導権を握りたい。

 投手陣は今季14勝で2度目の最多勝に輝いた東克樹、ケイ、ジャクソンと強力な先発3本柱を擁する。不安材料はリリーバーだ。今季の救援防御率3.37はリーグワースト。抑えを最後まで固定できず、先発が好投しても終盤に救援陣が打ち込まれて黒星を喫する試合が少なくなかった。防御率0.84と奮闘したウィックが故障で離脱していることから、救援陣の整備に迫られている。シーズン途中に加入した藤浪晋太郎が先発から救援に回ったが、制球が定まらず不安を残す。先発要員のバウアーが中継ぎで待機することになったが、10月8日の日本通運との練習試合で1回5失点と炎上。自己最多の22セーブをマークした入江大生、13セーブ32ホールドとフル回転した伊勢大夢、昨年抑えを務めた森原康平をどのように起用するか。ベンチワークがカギを握ることになりそうだ。

 DeNAは5年間指揮を執った三浦大輔監督が今年限りで退任することが発表された。選手たちは短期決戦を勝ち抜き、三浦監督を胴上げしたい気持ちは強いだろう。本拠地・横浜スタジアムの大声援を追い風に、攻撃的な野球を貫く。

 リーグ連覇を目指した巨人は貯金1の3位と不完全燃焼に終わった。不動の四番・岡本和真が左肘靭帯損傷で5月から3カ月以上離脱したことが大きく響いた。丸佳浩は右大腿二頭筋筋損傷で開幕二軍スタートと出遅れ、一軍に合流したのが5月下旬。チームを長年支えてきた坂本勇人も打撃不振と誤算が相次ぎ、深刻な得点力不足に陥った。投手陣では2年連続開幕投手を務めた戸郷翔征が春先から打ち込まれる登板が続き、2度のファーム降格を経験。夏場以降は復調の兆しを見せたが、21試合登板で8勝9敗、防御率4.14と安定感を取り戻しているとは言えない。CSでリベンジを果たせるか。

 明るい材料もある。プロ2年目の泉口友汰が遊撃の定位置をつかみ、リーグ2位の打率.301をマーク。出塁率.362と選球眼も良く、攻守の要になった。シーズン途中にソフトバンクから加入したリチャードも長距離砲としての可能性を示した。打率0割台で6月13日にファーム再調整となったが、7月8日に一軍昇格すると自己最多の11本塁打をマーク。試合の流れを変える一発は大きな魅力だ。確実性も上げており、短期決戦のキーマンになる可能性がある。

 DeNAと対照的に、巨人は救援陣が強固だ。大勢は54ホールドポイントをマークし、最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。マルティネスは中日から移籍1年目で自身3度目の最多セーブに輝いた。「勝利の方程式」につなげるリリーバーも能力の高い投手がそろっている。現役ドラフトで日本ハムから移籍した田中瑛斗は右打者の内角をえぐるシュートを武器に、62試合登板で1勝3敗36ホールド、防御率2.13とブレーク。左腕の中川皓太も63試合登板で2勝4敗36ホールド、防御率2.24で復活した。昨年の新人王に輝き、今年は57試合に登板して17ホールドを挙げた船迫大雅、常時150キロを超える剛速球が武器のケラー、DeNAから昨オフに戦力外通告を受け、41試合登板で防御率2.14をマークした石川達也も控えている。

 巨人は昨年4年ぶりのリーグ優勝を飾ったが、CSファイナルステージでDeNAに敗れて日本シリーズ進出を逃した。今年はファーストステージで対戦し、リベンジを果たせるか。試合を優位に進めるためにも、打線の爆発がポイントになりそうだ。

【文責:週刊ベースボール】