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【SMBC日本シリーズ2025展望】リーグ優勝を飾った阪神とソフトバンクが11年ぶりに激突。阪神は2年ぶり、ソフトバンクは5年ぶりの日本一目指す

 セ・リーグは阪神、パ・リーグはソフトバンクとリーグ覇者の両球団がCSファイナルステージを勝ち上がった。その戦いぶりは対照的だ。阪神はペナントレースを制した圧倒的な強さを短期決戦でも発揮し、DeNAに3連勝。アドバンテージの1勝を含めて危なげなく勝ち上がった。一方、リーグ連覇を飾ったソフトバンクは熾烈な優勝争いを繰り広げた日本ハムと激闘に。2連勝の後に3連敗を喫したが、最終戦の第6戦で2対1と振り切った。阪神とソフトバンクが日本シリーズで対戦するのは2014年以来11年ぶり。南海、ダイエー時代を含めて過去3度の対戦ではソフトバンクがすべて勝っている。今年はどのような戦いが繰り広げられるか。

 阪神が光るのは試合運びのうまさだ。昨年レギュラーシーズン3位からCS、日本シリーズを勝ち上がったDeNAは難敵だった。第1戦では序盤からピンチの連続だったが、先発の村上頌樹が5回無失点と踏ん張ったのが大きかった。6回に三番・森下翔太、途中出場の小野寺暖の適時打で2点を先制すると、及川雅貴、石井大智、岩崎優と鉄壁の救援陣で逃げ切って完封勝利。第2戦も試合終盤までリードを許す苦しい展開だったが、8回に四番・佐藤輝明の適時打で同点に追いつくと、延長10回に森下がサヨナラ2ラン。劣勢の試合展開から白星をつかみ、勢いに乗った。第3戦は初回に佐藤輝の先制3ラン、3回に五番・大山悠輔の適時二塁打で突き放すと、先発の髙橋遥人が8回途中まで無安打無失点の快投。3投手の継投策で完封勝利を飾った。

 好投した投手陣だけでなく、好リードでけん引した坂本誠志郎の貢献度も高い。就任1年目でリーグ優勝、日本シリーズに進出した藤川球児監督は「うちのバッテリーに非常に自信は持っているんですけど、DeNAもファーストステージで勢いを持って戦ってきていましたので、第1戦、第2戦と非常にもつれた糸を解くようなそういったチームでしたから、本当にゆっくりゆっくりもつれてほどけなくならないように、キャッチャーがやってくれました」と坂本の働きぶりを絶賛していた。

 打撃好調な森下、佐藤輝に加え、1、2戦で無安打だった大山も第3戦で貴重な適時二塁打を放ち、精神的に楽になっただろう。CSファイナルステージの3試合で11得点のうち、クリーンアップで10打点をたたき出したが、日本シリーズはソフトバンクの先発、救援が共に充実した陣容のため簡単には点を取れない。キーマンになるのは六番打者だ。中川勇斗、前川右京、小野寺が候補になるが、ポイントゲッターとして稼働すれば得点力が一気に上がる。ソフトバンクと今季の交流戦では1勝2敗。投手陣は3試合で計5失点と抑えたが、打線は計5得点にとどまった。小技や機動力で相手を揺さぶるなど、ベンチワークも重要になる。

 ソフトバンクはアドバンテージを含めて4勝3敗と、難敵の日本ハムとCSファイナルステージで激闘を繰り広げた。シーズンの対戦成績が13勝12敗という数字が示すように、一筋縄ではいかない相手だった。2連勝した後に3連敗。小久保裕紀監督が「今年は苦しいなか、流れ的には完全に日本ハムだった。僕自身もそうですけど、ファンの方からの『なんとか勝ってくれ』という思いがものすごく伝わってきた」と振り返るように、日本ハムの勢いが上回るかに見られたが、背水の陣で迎えた第6戦で地力の強さを発揮した。

 同点の5回二死満塁で川瀬晃が勝ち越しの適時打。今年の快進撃を象徴するシンデレラボーイだ。最下位に低迷していた5月2日のロッテ戦(みずほPayPay)で、1点差を追いかける9回に代打で出場して逆転サヨナラ適時二塁打。この一打でチームは息を吹き返し、首位に駆け上がる快進撃のターニングポイントになった。短期決戦の大一番でも値千金の一打を放つと、中4日で先発登板したモイネロが7回1失点の力投。継投した松本裕樹、杉山一樹が三者凡退と無失点に抑え、2年連続日本シリーズ出場を決めた。

 川瀬、牧原大成、柳町達、野村勇と昨年まではチームの脇を固めるイメージが強かった選手たちが今年は主力として活躍する中、この男の存在感は揺るがない。柳田悠岐だ。故障による長期離脱で20試合出場にとどまったが、CSは全6試合出場で打率.304をマーク。第2戦では0対0で迎えた8回に決勝打となる3ランを左翼席に叩き込んだ。柳田が打つと球場のボルテージが一気に上がる。日本シリーズでもキーマンの一人になることは間違いない。

 また、左脇腹痛でCS出場を断念した近藤健介が日本シリーズに間に合うかも気になる。無理は禁物だが、復帰すれば打線の厚みが一気に増す。DeNAと対戦した昨年の日本シリーズでは2連勝の後に4連敗と悔しい思いをした。今年は若手、中堅、ベテランが一体となり、5年ぶりの日本一を狙う。

【文責:週刊ベースボール】