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【コラム】ヤクルト・丸山和郁が史上73人目のサイクル安打、新人時代に「首位打者の夢」、整いつつある飛躍の舞台

「勝手にポーズが出ちゃいました」とヤクルト・丸山和郁は笑顔を浮かべた。5月1日のDeNA戦(神宮)、一番・右翼でスタメン出場すると初回の第1打席は凡退したが、2回一死の第2打席では右前打を放ち、岩田幸宏の2ランを呼び込む。さらに4回一死の第3打席では右中間に三塁打。3点追加の起点となると、9対5で迎えた5回二死では「点を取られたあとなので、頑張って塁に出ようと打席に立ちました」と無欲で第4打席へ。フルカウントから堀岡隼人の内角高め直球を強振すると打球は右翼席に飛び込む2号ソロとなった。

 単打、三塁打、本塁打。ベンチのナインからは「二塁打を狙え」、スタンドのファンからは「サイクルを狙え」との期待感が渦巻く7回一死の第5打席。1ストライクからの2球目、マルセリーノの外角スライダーにバットを出すと左中間方向への飛球に。強風が吹き、打球が流れる中でDeNA外野陣も懸命に打球を追い、左翼手・勝又温史がダイビングキャッチを試みるも及ばず。その瞬間、二塁に到達した丸山和は両手を挙げて喜びを表した。

「(サイクル安打の期待に)『そんなに簡単じゃないよ』と思って打席に立っていました(苦笑)。当たりは良くなかったですけど、神風が吹いてくれて落ちてくれました。最高です。必死に食らいついていっているので、本当に結果が出て良かったと思います」

 昨年8月19日ヤクルト戦(神宮)での巨人・丸佳浩以来、史上73人目、78度目のサイクル安打。ヤクルトでは2021年9月18日巨人戦(東京ドーム)の塩見泰隆以来、8人目の快挙だ。だが、レギュラー定着を誓う丸山和は大記録達成にも気を緩めない。「一喜一憂しない。それを継続するのは意識しています」。8回に回ってきた第6打席でも右前打。野球人生でも記憶にないという1試合5安打をマークして16対5の大勝に貢献した。

 同日時点で20試合に出場し、45打数20安打、打率.444と打撃好調だが、お立ち台でアナウンサーから原動力を問われると、「(4月)19日にパパになりました」とファンに報告。24年途中に結婚した際には「これから2人で生活していくためには、もっともっと活躍しないといけない。より責任感が生まれましたし、下を向いていられません」と心境を明かしていたが、新しい家族の誕生は何よりも前に進む力になる。

 2022年に明大からドラフト2位でヤクルトに入団。ルーキー時代に放った劇的打は記憶に残る。優勝へのマジックナンバー「2」で迎えた9月25日DeNA戦(神宮)、9回一死二塁で左中間へ打球をはじき返した。サヨナラ打で2年連続9度目のリーグ制覇を手繰り寄せ、ナインはベンチから一斉に飛び出し、スタンドの燕党は歓喜に沸いた。

 ルーキー時代には将来的に首位打者獲得の夢を思い描いていた。「そのためにも細かな部分をもっと突き詰めていかなければなりません。まずは三振を減らすこと。バットに当てて事が起これば、ヒットになる可能性が出てきます。そして、ボール球を見極めること。四球を選ぶことができれば打率も落ちない。バントについても同じで、成功すれば打数には加算されません。ヒットを積み重ねて打率を上げるだけでなく、すべての面で精度を上げていきたい」と語っていたが5年目の今季、飛躍の舞台は整いつつある。サイクル安打を契機に自身も、チームもさらに上昇気流に乗せていくだけだ。

【文責:週刊ベースボール】