【コラム】チームを勇気づけるプレーで連敗を3でストップ、結果にフォーカスしない“ガッツマン”西武・桑原将志
「感触はあまり良くなかったです。たまたまです」
4月17日の日本ハム戦(エスコンF)、1点ビハインドの7回、一死一塁で打席に入ったのは西武・桑原将志だ。カウント1-1からの3球目、上原健太の真ん中低めに落ちるフォークに対して地面に右膝がつきそうになりながら食らいついた。「(入れと)願いながら走っていました」。高く舞った打球は左翼ブルペンに吸い込まれた。逆転2ランに沸き上がる西武ファン。値千金の一撃はチームの連敗を3で止める一発となった。
「今日は『1人がみんなを勇気づける』がテーマでした」
一番・左翼で出場したこの試合、初回先頭で北山亘基の初球、149キロ直球を左中間へはじき返した。二塁ベースを蹴って加速すると三塁にヘッドスライディング。続く源田壮亮の右犠飛で再び頭からホームに飛び込んで生還を果たす。試合開始からわずか2球でユニフォームは泥だらけ。“勇気づける”プレーを体現した。
得点力不足が解消されず3年連続Bクラスに低迷した西武。チーム再建の切り札として、昨オフにDeNAからFAで加入した。昨年はセ・リーグ4位の打率.284をマーク。OPSも.730を数え、得点力向上のけん引役として期待された。それだけではない。DeNA時代は“ハマのガッツマン”の愛称で親しまれたが、熱い心でチームを盛り上げるムードメーカーとしても見込まれた。
「“心技体”で何が一番重要かと問われたら、僕は“心”と答えます。やっぱり、“心”が文字の先頭に置かれていますから。僕は“心”がないと、とてもじゃないですけど“技”も“体”もついてきません」
アマチュア時代から気持ちを前面に押し出すタイプだったという。相手はもちろん、チームメートに対しても負けたくない思いは強かった。両親からは「謙虚にやりなさい」「周囲の人に感謝しなさい」という教えを受けていたが、負けん気は野球をプレーしていくなかで自然と身についていった。
さらに結果にフォーカスしないことも自身の哲学だ。
「野球は相手がいるスポーツなので、全部が全部、自分の思うように事が運ばない。結果はあとからついてくるので、自分のプレースタイルや気持ちの部分を貫くことにフォーカスすることが大事です。プロに入って、ある程度要領をつかんだときに、そこがブレかけていたシーズンがあったんですよ。自分がやりたいことと求められることも違いますし、きれいに野球をやりたいと思ってしまった。でも、それはちょっと違うなと思って。やっぱり自分のプレースタイルでチームに貢献することが一番だと思いました」
4月20日現在、全21試合に一番でスタメン出場。打率.310、OPS.841と期待に応える成績を残しているが、それよりも桑原が欲するのは勝利につながるプレーだ。
「とにかく1日1日、1試合1試合、自分のやるべきことに対して全力を尽くすだけです」
“獅子のガッツマン”がナインを鼓舞してチームを上昇気流に乗せる。
【文責:週刊ベースボール】