【記録員コラム】2026年3、4月度ファーム・リーグ マンスリーレビュー
今シーズンからNPBの二軍は従来までのイースタン・リーグ、ウエスタン・リーグの2リーグ制から、「ファーム・リーグ」と名を改めて1リーグ三地区制となりました。
「え?そうなの?知らなかった」という方もいらっしゃるのではないかと思います。かく言う私も先日、付き合いの長い友人に「イースタン・ウエスタンってもう言わないの?」と言われる一幕があり、「ファーム・リーグ」も「三地区制」もまだまだ浸透が十分ではないなと実感した次第です。
そこで、この機会に毎月のファーム・リーグで生まれた記録を紹介するコーナーを設けることにしました。このコーナーが、プロ野球ファンの皆様にとって、ファーム・リーグにより一層の関心をお寄せ頂く一助になれば嬉しく思います。
それでは、新生「ファーム・リーグ」で3、4月に生まれた主な記録と、好成績を残した選手をご紹介します。
個人記録
日本ハム・淺間大基、ファーム・リーグ初のサイクル安打達成(3/24)
試合結果
3月24日(火)、森林どりスタジアム泉で行われた楽天-日本ハム1回戦は序盤から日本ハム打線が繋がり、3回を終わって8得点を挙げる展開となります。
「2番・中堅手」で先発出場の淺間大基選手はこの時点で2打席凡退に終わっており、打線の爆発からは蚊帳の外といった感じでしたが、4回の第3打席で詰まりながらもセンター前へのシングルヒットを放つと、これを皮切りに6回の第4打席ではレフトフェンス直撃の三塁打、7回の第5打席では左中間突破の二塁打と3打席連続安打。残すは本塁打のみとして、サイクル安打に王手をかけます。
そして迎えた8回の第6打席。1ボール1ストライクからの3球目を振り抜いた打球はレフトフェンスを越える本塁打となり、ファーム・リーグ初、NPB二軍では史上29人目、29度目となるサイクル安打の達成となりました。
ちなみに、最初の2打席を凡退したにも関わらず、その後の4打席で固め打ちしての達成は、一軍公式戦において藤本博史選手(ダイエー)が1990年7月7日の日本ハム戦(浜松)で記録した1例のみで、二軍では初のケースとなりました。
チーム記録
横浜DeNA、相手チームの打者全員から三振を奪う「全員奪三振」を達成(4/28)
試合結果
4月28日(火)、バッティングパレス相石スタジアムひらつかで行われたDeNA-日本ハム1回戦は序盤から点の取り合いとなりますが、DeNAは先発の武田陸玖投手が3回4失点(3奪三振)でマウンドを降りて以降、救援投手陣による奪三振ショーが始まります。
4回から2番手で登板した若松尚輝投手が2イニングを投げて3奪三振、6回から登板した3番手の吉野光樹投手も同じく2イニングでこちらはなんと5奪三振!
7回二死、7番打者の中島卓也選手から空振り三振を奪ったところで、先発野手9人全員から三振を奪うことに成功しました。
その後も8回に登板した4番手の馬場皐輔投手は2奪三振。9回に登板した5番手の石田健大投手も2奪三振を記録し、5投手のリレーで奪った三振の数は15を数えました。日本ハム打撃陣は先発出場した9人がそのまま最後まで試合に出続けたため、これにてファーム・リーグ初、NPB二軍では通算29度目となる全員奪三振の達成となりました。
なお、試合は5対3で日本ハムが勝利しています。
3、4月度リーダーズ
リーグ・リーダーズ (打撃部門)
東地区
| 打率 | .347 | 園部 佳太(O) |
|---|---|---|
| 本塁打 | 5 | エドポロ ケイン(日) |
| ウォーカー(O) | ||
| 金子 京介(楽) | ||
| 打点 | 16 | 井上 広大(ロ) |
| ウォーカー(O) | ||
| 出塁率 | .483 | 有薗 直輝(日) |
| 安打 | 33 | 繁永 晟(楽) |
| 盗塁 | 13 | 漆原 幻汰(O) |
中地区
| 打率 | .344 | 廣沢 新太郎(ハ) |
|---|---|---|
| 本塁打 | 4 | 仲三 優太(西) |
| 打点 | 16 | 今村 龍之介(ハ) |
| 出塁率 | .391 | 村田 怜音(西) |
| 安打 | 33 | 廣沢 新太郎(ハ) |
| 盗塁 | 14 | 鈴木 大和(巨) |
西地区
| 打率 | .302 | 山中 稜真(オ) |
|---|---|---|
| 本塁打 | 3 | 笹川 吉康(ソ) |
| ディベイニー(神) | ||
| 前川 誠太(広) | ||
| 打点 | 18 | 内藤 鵬(オ) |
| 出塁率 | .367 | 山中 稜真(オ) |
| 安打 | 32 | 山中 稜真(オ) |
| 盗塁 | 6 | 名原 典彦(広) |
リーグ・リーダーズ(投手部門)
東地区
| 防御率 | 1.50 | 髙田 琢登(O) |
|---|---|---|
| 勝利 | 4 | 松岡 洸希(日) |
| 勝率 | 1.000 | 伊藤 樹(楽) |
| 奪三振 | 26 | 孫 易磊(日) |
| セーブ | 6 | 日當 直喜(楽) |
| 上村 知輝(O) |
中地区
| 防御率 | 1.37 | 佐藤 爽(西) |
|---|---|---|
| 勝利 | 4 | 川下 将勲(西) |
| 勝率 | 1.000 | 佐藤 爽(西) |
| 森山 暁生(中) | ||
| 奪三振 | 34 | 上田 大河(西) |
| セーブ | 4 | 福 敬登(中) |
西地区
| 防御率 | 0.94 | 前田 純(ソ) |
|---|---|---|
| 勝利 | 4 | 門別 啓人(神) |
| 宮國 凌空(オ) | ||
| 勝率 | 1.000 | 河野 佳(広) |
| 奪三振 | 35 | 山岡 泰輔(オ) |
| セーブ | 4 | 津田 淳哉(神) |
※太字は三地区を通じてリーグトップ
東地区はルーキーの活躍が目を引きます。日本ハムのドラフト2位ルーキー・エドポロ ケイン選手と楽天の育成ドラフト4位ルーキー・金子京介選手がオイシックスのウォーカー選手と並ぶリーグトップの5本塁打を記録。楽天のドラフト3位ルーキー・繫永晟選手はこちらもリーグトップタイの33安打を記録。
中地区では独立リーグを経て今シーズンからハヤテに加入した廣沢新太郎選手が打率と安打の二冠を記録。舞台をNPBに移しても変わらぬ安打製造機ぶりを発揮しています。
西地区ではオリックスの山中稜真選手が打率・出塁率・安打の三冠を記録。今シーズンのオリックスは5年目の渡部遼人選手や4年目の杉澤龍選手ら若手野手の活躍が目立ちますが、2年目の山中選手も虎視眈々とチャンスを伺っています。
各地区から一人ずつ選出される月間MVPは今週の木曜日、5月14日発表です!
以上、3、4月度のファーム・リーグ マンスリーレビューでした。それではまた来月お会いしましょう。
【NPB公式記録員 大塚雄太】