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【コラム】防御率0点台に突入した安定感抜群の広島・栗林良吏、先発転向でこだわりは「登板試合でチームが勝つこと」

 大量援護を背に丁寧な投球で相手打線を抑え込んだ。5月6日のDeNA戦(横浜)に先発した広島の栗林良吏は打線が5回までに8点を挙げたが緊張感を緩めない。6回まで二塁を踏ませない完璧なピッチング。7回を82球で3安打無失点、四死球はゼロと安定感抜群の内容で3勝目をマークした。

「まずは自分の球で勝負したいなと思っていました。どれだけ点を取ってもらっても、点差に関係なく投げたい、と。四球がゼロだったところが良かった。リズムをつくるために、できるだけ守備の時間を短くしたかったです」

 ルーキーイヤーの37セーブをはじめ、3度、30セーブ超を記録するなど昨年までのプロ5年間の271試合登板はすべてリリーフ。昨季末に新井貴浩監督から提案を受けて先発転向を果たした。「リリーフでも先発でも、行けと言われたところで投げるという思いがあるので、自分としては大きな決断ではなかったです」。先発初登板となった3月29日の中日戦(マツダスタジアム)で9回を被安打1、四死球ゼロの“準完全試合”と最高の形で勝利を飾ると波に乗った。5月11日現在、5試合に先発して7回以上、自責点2以下のハイ・クオリティー・スタートを4試合でマーク。防御率は0点台に突入し、リーグ2位の0.96と隙のなさが際立っている。

 開幕前に出た課題をすぐに修正できたことが功を奏している。

「二軍の試合で會澤(翼)さんと組ませてもらった際(3月4日、春季教育リーグの中日戦=先発して4回7安打3失点)に、會澤さんから『腕を強く振っているように見えない』と言われて。『どこに来てもいいから強く投げていくようなイメージで』とアドバイスをもらいました」。さらに石井弘寿投手コーチからは「軸足が先に地面から離れて、ボールに力が伝わらない使い方になっている」、菊地原毅投手チーフコーチからは「体が開くのが早い」と指摘された。「結局はすべて関連していることで、足の使い方が悪いから体が開いて、腕も振れていない状態でした」。助言をもとにフォームを見直すと、3月12日のDeNAとのオープン戦(横浜)では先発して5回5安打無失点。状態が上向いた形で、シーズンに入ることができた。

 先発転向で一番に考えたのは「テンポを良くすること」だという。「僕はリリーフでテンポの遅いピッチャーだったので、テンポ良く投げてゼロで抑えながら攻撃につなげていけるようにと意識しました」。ただ、「僕はリリーフの気持ちでやりたいと思っています」とも言う。「これまでリリーフで長くやってきているので、先発の気持ちになっていく必要はないかな、と。(リリーフの経験が生きるのは)リリーフピッチャーの気持ちが分かることですね。だからこそ、最少失点に抑えたいと思います。それからリリーフのときと変わらず常に全力で行きたいと思います」と前を見据える。

 先発としての理想像は「勝てるピッチャー」だ。「テンポ良く投げて、真っすぐも変化球も、しっかり投げ切る。こだわっていきたいのは勝ち星。でも、自分の勝ち星というより、自分が登板した試合でチームが勝つということ。それを目指したいです」。

 新境地を開いた右腕は、チームのために懸命に腕を振っていく。

【文責:週刊ベースボール】