【コラム】前田健太が3919日ぶり日本球界白星、38歳ベテラン復活で楽天浮上の追い風
38歳のベテランがお立ち台で目を潤ませた。
「なかなか勝つことができなかったので、今日という日はすごく大切な日になりました」
今季7試合目の先発マウンドとなった6月25日の西武戦(楽天モバイル)、7回3安打無四球とテンポよく投げ込み、強力打線を無失点に抑えた前田健太。今季アメリカ球界から復帰して楽天のユニフォームに袖を通したが、日本球界では広島時代の2015年10月2日の中日戦(マツダスタジアム)以来、3919日ぶりの勝利を手にした。
「なかなか勝てなくても本当に熱い声援をたくさんくださったので、とにかくイーグルスのために全身全霊をかけてたくさん勝利に貢献できるように頑張っていきたい」
かつては同学年の田中将大(現巨人)が着けた『18』を背負って迎えた11年ぶりのNPB復帰戦はホーム開幕となる3月31日のソフトバンク戦だった。だが、5回途中2失点で敗戦投手に。そこから二軍調整する時期もあり、焦りが募る中、たどり着いた答えは“原点”だった。「僕はコントロールで戦ってきた投手。自分のピッチングスタイルを見直してきた」と投球フォームなどを修正。すると「疲労感は特に感じなかった」と今季最多の114球を投げ込んだ。本来の姿を取り戻したベテラン右腕は、「まだ1勝ですし、次の登板もあるのでしっかり気持ちを切り替えていきたい。ただ、前向きに調整はできると思うので、そういう意味ではいいきっかけになればいいなと思っています」と充実した表情で次回登板を見据えた。
日本で98勝、メジャーで68勝の日米通算166勝。楽天入りを決断した理由の一つに、先発として期待されたことを挙げていた。
「先発、中継ぎ、抑え、野手も含めて魅力はすべてのポジションにあると思っているのですが、僕は先発としてキャリアを過ごさせてもらっているので、そこにこだわりを持ってやっていますし、先発ピッチャーとして、このキャリアを全うしたいという思いが強くあります。あとは自分の持ち味や長所を一番発揮できるのが先発だと思っているので、そこを評価してもらえたことがすごくうれしいですし、チームに一番貢献できるはずであるこの場所で、結果を残してチームの勝利に貢献したいですね」
キャリアの最後に日本球界で投げる意味も強く胸に抱いていた。
「日本のファンの皆さんに応援していただいて、期待されて、背中を押されて頑張ってこられました。日本でプレーしていたときもそうですが、アメリカでもたくさん応援していただいたので、最後は投げている姿を見てもらいたい。それも、いい状態で投げている姿を見てもらいたいとずっと思っていました。ファンの方に最後しっかりと見届けてもらえるように、きちんと自分から自分の言葉や自分の姿で最後を締めくくれるようにずっと日本でキャリアを終えたいと考えていました」
吉井理人新監督の就任後、チームは6月22日から4連勝と上昇ムードにある。前田健の待望の初白星は、その勢いをさらに加速させる1勝となりそうだ。
【文責:週刊ベースボール】
