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【コラム】史上初「初回先頭から4者連続弾」の先にある理想、日本ハム・水野達稀が追い求める「打てる遊撃手」

 歴史的な一発の、その先にある理想を追い続けている。

 日本ハムは7月2日のオリックス戦(エスコンF)で、プロ野球史上初となる「初回先頭から4者連続本塁打」の離れ業を成し遂げた。一番・水谷瞬、二番・水野達稀、三番・レイエス、四番・万波中正が続けてアーチを描き、球史に残る快挙を達成。その一員として豪快な一発を放った水野だが、本人の視線は次のステージへ向いている。

「打てるに越したことはないですし、ショートが打てるチームは強いだろうなと思っています」

 遊撃手といえば守備力が最優先されるポジションというイメージが根強い。しかし近年は攻守両面でチームをけん引する存在が勝敗を左右する。水野もまた、そんな理想のショートを目指している。5年目の今季は打撃に安定感が増し、上位打順を任される試合も増えた。7月6日現在、打率.304はリーグ2位。出塁率.348、長打率.464を記録し、OPS.812はリーグ4位と、遊撃手という枠を超えた打力を示している。

 その打撃を磨く上で、長年追い続けてきた理想像がある。

「打撃に関しては、ずっと吉田正尚さん(レッドソックス)にあこがれています。バッティングスタイルがすごく好きなので、社会人のときから参考にしています」

 確実性と力強さを兼ね備え、どんな球種にも対応できる技術。派手さだけではなく、打席でのアプローチやコンタクト能力まで含めて吸収してきた。

 一方で、遊撃手として思い描く完成形も明確だ。

「ショートだと、守備もバッティングも球界トップクラスだった松井稼頭央さん(元西武ほか)が理想です」

 攻守で試合を支配した松井のように、守備で流れを引き寄せ、バットで勝負を決める。そんな万能型ショートこそが水野の目標である。

 新庄剛志監督が掲げる「超攻撃的野球」において、遊撃手が打線の中軸を担える意義は大きい。守れるだけではなく、得点源にもなれる選手がいることで打線の厚みは格段に増す。7月に入り、ペナントレースはいよいよ佳境へ。上位との差を縮めるためにも、水野はチームの勝利だけを見据えている。

「チームとしてはもちろん優勝と日本一をずっと目標にやっています。交流戦はいい形で戦えました。今後、レギュラーシーズンで上位と順位差を縮めるには直接対決で勝たないといけないので、さらに勝ちにこだわってやらないといけない」

 歴史的な4者連続本塁打は、あくまでも通過点。その一発に満足することなく、攻守で勝利を呼び込み、日本ハムを頂点へ導く――。「打てる遊撃手」という理想を追い求める水野の挑戦は、これからが本番だ。

【文責:週刊ベースボール】