【後半戦展望】セ・リーグは阪神と巨人の一騎打ちか、パ・リーグはソフトバンクが首位快走
セ・リーグは前半戦を終え、巨人と阪神が首位を並走している。ヤクルトは春先に勢いに乗って一時は貯金11を築いた。その後は借金3まで後退したが、昨季最下位から健闘を見せている。勝負の夏場でもうひと踏ん張りできるか。4位以下のDeNA、広島、中日は2ケタ以上の借金を背負っているが、逆転でCS進出の可能性が十分にある。
球団史上初のリーグ連覇を狙う阪神は個々のタレントで言えば、12球団屈指の陣容だ。佐藤輝明は三冠王を狙える位置につけ、下半身のコンディション不良が気がかりだが森下翔太もリーグトップの24本塁打を放っている。左手首骨折で離脱していたリードオフマンの近本光司が7月11日に一軍復帰したことも大きなプラスアルファだ。投手陣では髙橋遥人が11勝1敗、防御率1.70と圧倒的な安定感を誇る。才木浩人、村上頌樹もエース級の働きを見せ、先発陣はリーグ屈指の充実ぶりだ。課題は救援陣の整備だろう。工藤泰成、木下里都が勝利の方程式に定着すれば、勢いは加速する。
同率首位の巨人は交流戦から指揮を執る橋上秀樹監督代行の下で試合巧者ぶりが目立つ。交流戦はセ・リーグの他球団が苦戦した中、10勝6敗2分と唯一の勝ち越し。復活の道筋が見えた戸郷翔征が7月上旬に「左太もも裏の肉離れ」で離脱したことは誤算だったが、右肩のコンディション不良で開幕からファーム調整が続いていた山﨑伊織が戻ってきた。打線は浦田俊輔が頭角を現したほか、笹原操希、石塚裕惺、小濱佑斗、知念大成など有望株も台頭している。経験豊富なベテランの坂本勇人、丸佳浩も貴重な存在だ。
3位のヤクルトは池山隆寛監督が就任し、3、4月は17勝11敗、5月は14勝9敗1分と好スタートを切った。山野太一、松本健吾が先発の軸となり、救援陣は新外国人のリランソ、キハダで逃げ切る継投策が確立。打線は岩田幸宏、増田珠、モンテルなどが躍動している。6月以降は借金14と失速し、なかなか浮上のきっかけをつかめていない。後半戦で巻き返せるか。奥川恭伸、吉村貢司郎、高橋奎二が先発ローテーションに定着してほしいところだ。
4位のDeNAは山本祐大を5月12日にソフトバンクへ電撃トレード。松尾汐恩を正捕手として起用したが、6月は4勝15敗と大きく負け越した。先発に配置転換された入江大生が7試合登板で防御率6.90、デュプランティエは2試合登板のみで退団と誤算が相次いだが、7月は12勝8敗1分で浮上の兆しを見せている。途中加入のエンカーナシオンが打線の核になっている。3位のヤクルトと4ゲーム差。借金11を1日でも早く完済したい。
5位の広島はリーグワーストの266得点と貧打が低迷の要因になっている。昨年首位打者に輝いた小園海斗は打率.242と好調を維持できず、試行錯誤を続けている。名原典彦、持丸泰輝など若手が成長してきているが、中堅、ベテランの奮起なくして上位浮上は望めない。投手陣はセットアッパーで26ホールドをマークしたハーンが右腹斜筋損傷で離脱。早期復帰を願うとともに、新たな戦力の台頭に期待したい。
最下位の中日は3、4月に8勝19敗と出遅れたのが大きく響き、その後も借金がふくらんでいたが、7月は12勝10敗と持ち直している。柳裕也、大野雄大、金丸夢斗、涌井秀章に加え、エースの髙橋宏斗が復帰したことで先発陣の質は高い。不安定だった救援陣も橋本侑樹、吉田聖弥、藤嶋健人から守護神・松山晋也につなぐ形が確立されている。借金を一つずつ返済していけば、逆転でのCS進出が見えてくる。
パ・リーグはリーグ3連覇を目指すソフトバンクが貯金24で首位ターン。前年5位だった西武が貯金13の2位と奮闘している。ソフトバンクとともに優勝候補に挙げられていた日本ハムは首位と6ゲーム差の3位。これ以上離されると苦しくなる。4位のオリックス、5位のロッテはCS進出に向けて挽回できるか。最下位の楽天は吉井理人監督がシーズン途中に就任。来季を見据えた戦いで台風の目になれるか。
首位のソフトバンクは投打がかみ合い、順調に白星を重ねている。近藤健介と並んで打線をけん引している栗原陵矢の存在が頼もしい。前半戦で自己最多を塗り替える30本塁打に到達。不動の四番として稼働している。投手陣では高卒3年目の前田悠伍が8勝0敗、防御率1.41と抜群の安定感で先発の柱に。先発、救援の両方でフル回転した上茶谷大河の貢献度も高い。今季まだ一軍登板のないエースのモイネロが万全の状態で復帰すれば、さらに強固な布陣になる。リーグ3連覇に向けて視界良好だ。
2位の西武は髙橋光成、平良海馬、隅田知一郎、武内夏暉、渡邉勇太朗と強力な先発陣を中心に守り勝つ野球で安定した戦いぶりを見せて、貯金が最大19に。交流戦を14勝3敗1分で球団史上初優勝を飾った。野手では滝澤夏央が攻守の中心選手に成長。だが、春先の快進撃を支えた長谷川信哉、桑原将志が故障で離脱。投手陣にも疲れが見えた7月は9勝10敗1分と負け越し、勢いに陰りが見えた。後半戦は再び優勝争いを盛り上げたい。
3位の日本ハムは投打に充実した陣容だが、ソフトバンクとの対戦成績で2勝12敗と大きく負け越したことが優勝争いを苦しくしている。14試合で102失点と1試合平均7失点以上を喫しており、後半戦はソフトバンク打線をどのように封じ込めるかがポイントになる。レイエス、万波中正、野村佑希、清宮幸太郎と本塁打を打てる選手がそろっているが、リーグワーストの61失策と守備の乱れが目立つ。逆襲に向け、新庄剛志監督の手腕が注目される。
4位のオリックスは3、4月に17勝10敗と好スタートを切るなど貯金10まで増やしたが、6月以降は2カ月連続8勝12敗1分と波に乗れず勝率5割に。宮城大弥、山下舜平大がトミー・ジョン手術を受けて長期離脱となり、先発陣の台所事情は苦しい。打線は西川龍馬、太田椋、中川圭太など巧打者を要するが、2ケタ本塁打は12本をマークしている紅林弘太郎のみ。投打で戦力を再整備し、上位3強に食い込みたい。
5位のロッテは藤原恭大、山口航輝、西川史礁、小川龍成と中軸を担う選手がそろっている。山本大斗、寺地隆成は前半戦に打撃不振で苦しんだが殻を破れるか。投手陣は救援が安定しているだけに、先発陣の再整備が上位浮上のカギを握る。ジャクソン、小島和哉の両輪に加えて廣池康志郎、毛利海大、田中晴也、河村説人が一本立ちすれば、投手陣の厚みが一気に増す。発展途上のチームは大きな可能性を秘めている。
最下位の楽天は交流戦で4勝14敗の最下位に沈むなど借金がふくらみ、シーズン途中に吉井理人監督が就任。西武、オリックスに同一カード3連勝を飾るなど、チーム再建へ明るい兆しが見え始めている。後半戦は早川隆久、荘司康誠、瀧中瞭太、古謝樹が先発ローテーションで稼働できるか。ベテランの岸孝之、前田健太の力も必要だ。打線は5月下旬の一軍昇格後に打撃好調のマッカスカーを軸に、得点力向上を図りたい。
【文責:週刊ベースボール】