中日先勝で迎えた第2戦は、初戦に続く延長戦に。1対1で迎えた10回表、二死一、二塁から森野将彦の左前タイムリーで決勝点を挙げた中日が、前日と同じ2対1のスコアで福岡ソフトバンクを退け、2連勝を飾った。
第1戦と同様、見る者に時間の経過を忘れさせる熱戦だった。1つひとつのプレーに、選手の「意志」が反映されていたのだ。
まず1回裏、中日の先発・吉見一起が福岡ソフトバンクの先頭打者・川崎宗則に対した場面がそうだった。2ストライクと追い込んだ後の3球目、ストレートで見逃し三振に。「この試合も取るぞ。連勝して名古屋に戻る」というバッテリーの強い気持ちが見えた。
試合は、前日に続く投手戦。そして前日とは逆に、先制したのは中日だった。7回表、先頭打者の森野が二塁打で出塁すると、一死後、和田一浩が四球で一塁へ。二死後、前日は4打数無安打だった平田良介がレフトフェンス直撃の二塁打を放ち、待望の1点を挙げた。平田は、2回表の一死二、三塁で回ってきた第1打席では空振り三振。「(タイムリーを放った)あの打席は、気持ちを強く持って、納得のいく打席にしようと思って初球から思い切り振りました」という。
10回表に決勝打を放った中日の選手会長も、「気持ち」を強調した。二死から荒木雅博が二塁への内野安打で出塁すると、続く井端弘和が四球。これで一、二塁とし、森野がレフト前にタイムリーを放つ。「ここで決めてやるという強い気持ちで打ちました」と森野。本塁打とタイムリーの違いはあるが、二死走者なしからの決勝点は、前日と同じ。まさに「強い気持ち」の結晶(決勝)点だった。
一方で、福岡ソフトバンクの選手のプレーからも、「絶対に勝つ」という強靭な意思が感じられた。
2回裏の先頭打者・小久保裕紀は、レフト線に安打を放つと二塁にヘッドスライディング。第1打席で三振を喫した川崎は、3回裏の第2打席では初球を思い切りたたいてレフト前へ。7回裏には、一死満塁の場面でフルカウントから右前にタイムリーを放った。先発投手・杉内俊哉は、7回に1点を失ったものの、丁寧な投球でクライマックスシリーズに続く好投を見せた。
双方ともに勝利への気迫をにじませながら、明暗が分かれた第2戦。敵地で連勝し、これ以上ない収穫を手に名古屋に戻ることになった中日に対し、福岡ソフトバンクにとっては悩ましい2試合となった。第1戦、第2戦とも先発投手が好投しながら2試合とも1得点と、「あと一打」が出ない。
この勢いを持続させて名古屋での胴上げを実現させたい中日と、石にかじりついてでも勝ちたい福岡ソフトバンク。中1日おいて15日に行われる第3戦では、これまで以上に精神力の強さが問われることになりそうだ。
2011年11月13日(日)
ヤフードーム ◇開始 18:16 (3時間44分) ◇入場者 34,758
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 計 | H | E | |
中日 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 7 | 0 |
福岡ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 8 | 0 |
[中] | 吉見、浅尾、○平井(1-0)、(S)岩瀬(2S) - 谷繁 |
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[ソ] | 杉内、ファルケンボーグ、●馬原(0-2)、金澤 - 山崎、細川 |