コナミ日本シリーズ2011第4戦は、またしても1点を争う接戦の末に、福岡ソフトバンクが勝利をつかんだ。これで2勝2敗。シリーズの行方は、ますます予断を許さぬものとなった。
前日の第3戦でようやく勝利を挙げた福岡ソフトバンクは、そこで得た勢いを初回から発揮する。一番の川崎宗則がレフト前ヒットで出塁し、不調だった内川聖一がライト前ヒットでつないで、一死一、三塁のチャンスを作る。ここで四番の小久保裕紀がアウトコースのストレートを逆らわず右へ。一、二塁間を抜けるタイムリーヒットとなり、第3戦に続いて初回に先制点を奪うと、中日のミスに乗じて、もう1点を追加した。
鮮やかな先制攻撃の裏にあったのが、チームで統一されたバッティングだ。川崎、内川、小久保と、ヒットはいずれも逆方向。コンパクトなスイングでミートを心がけ、長打狙いではなく後ろにつなぐ意識を各打者が示したことが、連打での得点を生み出した。
連敗は避けたい中日は、5回に反撃。先頭バッターの平井良介が内野安打。送りバント後、代打の佐伯貴弘が四球を選び、一死一、二塁とする。続く荒木雅博は、制球に苦しむ福岡ソフトバンク先発のホールトンの球筋を見定め、2ボール1ストライクと有利なカウントとした後に、真ん中へ来たストレートをレフト前に運んだ。
1点差とした中日は、直後の6回に大きなチャンスを迎える。森野将彦がヒット、続くブランコが二塁打、さらに和田一浩が四球と、ノーアウト満塁の絶好機を作ったのだ。ここで福岡ソフトバンクは、ホールトンから森福允彦へ継投。中日打線が試合をひっくり返すか、それとも福岡ソフトバンクの継投策が実るのか。この試合最大の山場が訪れた。
軍配は、福岡ソフトバンクに上がった。森福は切れ味鋭いスライダー、シュートをアウトコース中心に集め、中日のバッターに自分のスイングをさせず3人でピシャリ。大ピンチを切り抜けた。森福は続く7回も抑え、8、9回はファルケンボーグが圧巻の投球を披露。両投手の活躍で、見事な逃げ切り勝利を飾った。
中日にとっては、悔やんでも悔やみきれない結果だろう。5回に得点したあとの三振ゲッツー、そして6回の逸機と、ホームを目前にしながら1点が遠かった。だが投手陣は相変わらず安定しており、チャンスの数は福岡ソフトバンクと互角以上にあった。ホーム最後の試合となる明日は、地の利を活かした戦い見せられるだろうか。
2011年11月16日(水)
ナゴヤドーム ◇開始 18:35 (3時間40分) ◇入場者 38,041
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
福岡ソフトバンク | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 8 | 0 |
中日 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 | 1 |
[ソ] | ○ホールトン(1-0)、森福、(S)ファルケンボーグ(2S) - 細川 |
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[中] | ●川井(0-1)、山井、三瀬、浅尾 - 谷繁 |