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日本野球機構オフィシャルサイト

コナミ日本シリーズ2013

デイリーリポート

第3戦

 コナミ日本シリーズ2013第3戦は、東北楽天が5対1で逃げ切り、対戦成績を2勝1敗とした。

 東北楽天は第2戦の田中将大に続き、先発・美馬学の好投が光った。大きくゆるいカーブを有効に使い、巨人打線に的を絞らせず、5回2/3を無四球、4安打無失点。美馬は6回裏二死から巨人・阿部慎之助の投手強襲安打を右足首に受けて降板したが、緊急リリーフ登板のレイも、2回1/3を1失点と好投した。

 先発野手全員の13安打を集めた東北楽天は、内容的にも巨人を圧倒したといっていいだろう。2回表二死満塁から藤田一也、銀次に連続二塁打が飛び出し、4点を先制。8回表一死後も藤田、銀次の連続安打をきっかけに、ジョーンズのタイムリーでダメ押し点を挙げた。

 それでも東北楽天・星野仙一監督は「もう少し点が欲しかった」と貪欲な姿勢を崩さない。「美馬もレイもしっかり投げてくれた。嶋のリードが冴えていたね。巨人は王者だから、逃げたら捕まる。攻めていけば、こういう結果になる」とバッテリーの配球を褒めた。先制打を含む2安打2得点2打点の藤田は「チームメートがチャンスで回してくれたので、魂で打ちました。日本一になれるように、東北のファンのために頑張ります」とお立ち台でコメントした。

 一方の巨人は、福岡ダイエー時代の03年に日本シリーズMVPの経験もある先発・杉内俊哉が、2回途中KOという大誤算。打線も相変わらず低調で、途中出場の矢野謙次のソロ本塁打による1点のみに終わった。特に五番・高橋由伸が3試合で10打数ノーヒット、六番・ロペスも同じく11打数ノーヒットと事態は深刻。三番・阿部も8打数で内野安打1本と、調子は上がっていない。今季レギュラーシーズンでセ・リーグ1位のチーム打率.262を誇った強力打線が、沈黙したままなのだ。

 巨人・原辰徳監督は「打線の話は耳が痛いが仕方ない。攻撃が"守り"に入っているので、攻撃的な姿勢が必要です」。巨人はここまで3試合で合計4点。本拠地・東京ドームに帰ってくれば、流れは変わる。その思いは届かなかった。

 巨人にとっての収穫は今村信貴、青木高広といった日本シリーズ未経験の投手たちに、大舞台のマウンドの経験を積ませられたことだろうか。この日の敗戦によって巨人は、本拠地・東京ドームでの「日本一胴上げ」の可能性が消えた。とはいえ、このまま終わるチームではないはず。前年度覇者のプライドにかけて、コナミ日本シリーズ2013第4戦では逆襲を狙ってくるだろう。一方の東北楽天は敵地で先勝したことで、この先1敗しても「地元・宮城で胴上げできる」という余裕ができた。ビジターで一歩リードできたのは、現時点でかなり大きな収穫であるといえよう。

コナミ日本シリーズ2013 第3戦

2013年10月29日(火)
東京ドーム ◇開始 18:18 (3時間26分) ◇入場者 44,940

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
東北楽天 0 4 0 0 0 0 0 1 0 5 13 1
読売 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 6 0
バッテリー
[楽] ○美馬(1-0)、レイ、斎藤 - 嶋
[巨] ●杉内(0-1)、小山、今村、青木 - 阿部
本塁打
[巨] 矢野 1号(8回1点 レイ)