10月27日、SMBC日本シリーズ2018がマツダスタジアムで開幕した。セ・リーグ3連覇を果たし、34年ぶりの日本一を目指す広島とパ・リーグ2位からクライマックスシリーズを制し、2年連続日本一を狙うソフトバンクの頂上決戦。両者の対決は日本シリーズで初顔合わせとなった。
第1戦の先発は広島・大瀬良大地、ソフトバンク・千賀滉大の両エース。大瀬良は初回ソフトバンク打線を三者凡退に抑え上々の立ち上がりを見せる。一方、千賀は先頭の田中広輔を三ゴロに抑えたが、続く菊池涼介に対して制球が定まらない。3ボール1ストライクからの5球目。菊池の「バッティングカウントだったので積極的にいきました」の言葉どおり、真ん中高めに浮いた直球を完ぺきにとらえられ、打球は左中間席へ飛び込む先制本塁打となった。さらに丸佳浩に四球を与え、鈴木誠也には右前打で一死一、二塁とされ、松山竜平に右前適時打を浴びて追加点。後続は抑えたが、いきなり2点を先制されてしまった。
2回以降、千賀は立ち直り、大瀬良も150キロに近い直球にカットボール、スライダー、フォーク、カーブと多彩な変化球を低めに制球し、ソフトバンク打線を封じ込む。4回表、二死からグラシアルに四球を与え、この試合初めてランナーを出したが続く四番・柳田悠岐に対してはスライダー、カットボールで厳しく内角を攻めて2ボール2ストライクと追い込む。最後はこれも内角低めに直球をズバッと決め見逃し三振に仕留めた。
しかし、続く5回表。大瀬良は先頭の中村晃に初安打を浴びるなど二死二、三塁のピンチを迎えると打席には千賀の代打でデスパイネ。大砲が放った打球は二遊間へ飛んだ。セカンドの菊池は抜けそうな当たりを好捕するも一塁は間一髪のセーフ。さらにこの送球を松山が後逸し、一気に二者が生還して広島は同点に追いつかれてしまった。
大瀬良も5回裏の攻撃で代打を送られ降板。その後は両軍のリリーフ陣が踏ん張る。広島は6回を岡田明丈、7回を一岡竜司、8、9回をフランスア、ソフトバンクは5、6回を武田翔太、7回、8回を石川柊太、9回を森唯斗とゼロ行進を続け、2対2のまま日本シリーズは初戦から延長戦に突入していく。10回表を中﨑翔太、その裏を加治屋蓮がともに三者凡退とし、息詰まる展開は続く。11回表、広島はジャクソンが二死一、三塁のピンチを迎える。打席には内川聖一。広島ベンチはここでヘルウェグをマウンドへ。助っ人右腕は内川に死球を与え満塁とするが、続く代打の福田秀平を左飛に打ち取りピンチを切り抜けた。
12回表、広島は8人目の中田廉がマウンドに立つ。中田は先頭の髙谷裕亮にストレートの四球を与え、代打に栗原陵矢。ソフトバンクはこれで野手をすべて起用したことになる。まさに総力戦。栗原は犠打を決め、一死二塁としたが、ソフトバンクはこの勝ち越しチャンスを生かすことができなかった。
12回裏、ソフトバンクのマウンドには高橋礼。一死後、安部友裕に四球を与えると代打に新井貴浩の名前が告げられた。今季限りでの引退を表明している大ベテランの登場に広島ファンの大歓声が球場にこだまする。しかし、ここで新井は投ゴロ。一走が二塁へ進み、左打者の田中が打席に立ったところで投手は左腕のモイネロに。広島の勝利か、引き分けか。勝負を決める対決は三振。2対2のまま熱戦は幕を閉じた。
なお、日本シリーズの初戦引き分けは1986年の広島対西武以来、3度目の出来事だった。
2018年10月27日(土)
マツダスタジアム ◇開始 18:33 (4時間38分) ◇入場者 30,727人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 計 | H | E | |
福岡ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 6 | 1 |
広島東洋 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 8 | 1 |