第2戦から一夜明けた10月29日、ソフトバンクはそれぞれ帰福の途に就いた。この日はヤフオクドームで12時から先発投手練習が行われ、対象選手以外は休養日に。練習に参加したミランダ(第3戦予告先発)、東浜巨(第4戦先発予定)、バンデンハーク(第2戦先発)らは、ストレッチ、軽めのダッシュ、キャッチボールなどのメニューをこなした。
12時20分ごろ、グラウンドに姿を見せたのは工藤公康監督。選手たちと談笑するなどリラックスした様子で、こちらも練習に途中合流した髙谷裕亮とキャッチボール、遠投を行うなど、指揮官自らも汗を流した。
練習後、囲み取材に応じた工藤監督の第一声は「(ホームに帰ってきて)落ち着いています」。再び地元・福岡で野球ができる喜びを感じながら、マツダスタジアムでできなかった“ホークスの野球”を見せることを誓った。そのための戦略として、短期決戦ならでは戦い方ついて問われると、監督としての見極めの重要性を説いた。シーズンと異なり、計2戦、移動日、計3戦、移動日、計2戦と、ゲームスケジュールに余裕があるだけに、ある程度、選手をつぎ込むことも可能。切り札となる“カード”をどこで切るかが、これからの戦いでもポイントとなりそうだ。
また、「切り替えの早さも重要」と語る。勝ったとしても、負けたとしても次の準備ができていれば「いい結果は生まれると思っています」と語気を強めた。
なお、初戦に左太ももに死球を受け、第2戦はベンチ外となった内川聖一については「明日の状態を聞いて決める」という。短期決戦に強い内川を欠くとなれば、ソフトバンクにとっては痛いことこのうえない。
1勝1分けで敵地に乗り込んだ広島は、九里亜蓮、野村祐輔、大瀬良大地の先発3投手が、ヤフオクドームで15時半ごろから約1時間、体を動かした。この練習の顔ぶれから、第3戦は九里、第4戦は野村、さらに第5戦に中4日で大瀬良の投入も有力になってきたと見られる。
それぞれキャッチボールと遠投、補助器具を使ったインナーマッスルや体幹のトレーニング、ショートダッシュなどを行ったが、野村はヤフオクドームのマウンドを使ったピッチング練習を多めに行い、「硬さはマツダスタジアムのほうが硬い。傾斜はこちらのほうがある」と感想。また、九里と大瀬良も、マウンドに立って何度かシャドーピッチングを行い、それぞれに感触を確かめた。
第3戦に先発する九里は、「シーズン同様、リラックスしていきたい」としながらも、「ソフトバンク打線はどの打者も一発があるが、臆することなく、チャレンジャーのつもりで一人ひとりの打者と勝負していければ」と、強い気持ちで向かっていくことを宣言していた。