• セントラル・リーグ
  • 阪神タイガース
  • 広島東洋カープ
  • 横浜DeNAベイスターズ
  • 読売ジャイアンツ
  • 東京ヤクルトスワローズ
  • 中日ドラゴンズ
  • パシフィック・リーグ
  • オリックス・バファローズ
  • 千葉ロッテマリーンズ
  • 福岡ソフトバンクホークス
  • 東北楽天ゴールデンイーグルス
  • 埼玉西武ライオンズ
  • 北海道日本ハムファイターズ
  • 侍ジャパン

日本野球機構オフィシャルサイト

ニュース

NPBニュース

【セ・リーグ後半戦展望】阪神、巨人、ヤクルトが優勝争いのセ・リーグ、Bクラス球団も侮ることはできない

 前半戦終了時点でセ・リーグはAクラスとBクラスがはっきりと分かれてしまっている。首位・阪神、2位・巨人、3位・ヤクルトは2.5ゲーム差内にひしめいているが、3位・ヤクルトと4位・中日は10ゲーム差。上位3球団の優勝争いに興味は絞られているが、Bクラス球団も侮ることはできない。

 開幕カードのヤクルト戦(神宮)で3連勝、4月には8連勝を果たすなど開幕ダッシュを決めた阪神。交流戦も2位でフィニッシュするなど、6月中旬までは首位独走状態だった。しかし、打線が下降気味となり、中継ぎ陣が崩れ始めると勝てない試合も増えてきた。チーム状態が落ちてきた間に巨人が迫ってきて前半戦終了時点で2ゲーム差に。シーズンが続いていれば厳しい状況になったかもしれないが、東京五輪開催により、ペナントが中断されたのは幸いだった。後半戦でカギを握るのは大山悠輔か。前半戦、四番の重圧に苦しみ、打率.245、10本塁打、43打点と結果を残せず。大山の打撃が復調すれば、強力打線で相手にプレッシャーを掛けられ、開幕時のような勢いが取り戻せるはずだ。

 前半戦、巨人は故障や新型コロナウイルス感染などで主力がこぞって戦線離脱を繰り返した影響は小さくなかった。それでも不動の四番・岡本和真が本塁打、打点の2部門トップで打線を引っ張り、3年目の髙橋優貴が9勝、同じく3年目右腕の戸郷翔征が8勝で2位を堅持したことに意味がある。菅野智之や故障者たちの復帰時期によるものの、前半戦で叶わなかったベストな布陣を組むことができれば、逆転での3連覇は現実的になる。主将の坂本勇人は昨季までの連覇を「投手に助けられてばかりの優勝。僕らが打って、圧倒的な強さで3連覇をしたい」と話しており、後半戦はその坂本を中心とした打線に注目したい。

 ヤクルトは下馬評を覆す快進撃で、前半戦を折り返した。手薄な先発陣には、田口麗斗を巨人からトレードで加え、オスナ、サンタナといった強打が武器の新助っ人も機能するなど補強が功を奏した。2年目の奥川恭伸が台頭したことで先発ローテーションも厚みが増し、離脱者が出れば、山崎晃大朗、塩見泰隆らが結果を残す。チーム内の競争が底上げにつながっていった。エキシビションマッチでは、前半戦で一軍登板のなかったドラフト1位ルーキーの木澤尚文や宮台康平ら新戦力組が好投を見せ、後半戦でさらなる新戦力の台頭もありそうだ。石川雅規や青木宣親らベテランも健在。チーム一丸となって総力戦で優勝を目指していく。

 昨年は8年ぶりのAクラス入りを果たした中日。10年ぶりの優勝に向けて期待が高まった今季だったが、開幕から深刻な打撃不振が響き、低空飛行が続いた。投高打低はチームの特徴でもあるが、打てない上にチャンスに弱く、日替わりオーダーが定番に。投手陣は大野雄大、福谷浩司と左右のエースが本調子ではなかったものの、柳裕也、小笠原慎之介がカバー。強力なリリーフ陣で得意とする先行逃げ切りの勝ちパターンも多く見られた。チーム一の俊足を誇る4年目の髙松渡が台頭するなど、チーム全体に機動力野球が浸透してきたのも大きな収穫。後半戦は足や犠打、進塁打などを絡めつつ、貪欲に1点を奪う野球が求められる。借金10の4位という成績を考えれば、まずは5割復帰が現実的な目標か。

 前半戦は、借金12の5位に沈んだ広島。一番に予定していた田中広輔、昨季11年目の覚醒を見せた堂林翔太、長距離砲と期待されたクロンの不振があったうえ、5月にコロナ禍に襲われ、主力選手が何人も感染、あるいは濃厚接触者と認定されて戦列を離れたことで戦力構想が崩壊したのが痛かった。ただ、そこで一軍と二軍のシャッフルが多く行われたことをきっかけに、野手では小園海斗、林晃汰がスタメンに定着して3割台の打率をマーク、投手でも大道温貴、玉村昇悟が先発ローテーション入りと、若い選手が結果を出した。前半戦の最後は4連勝と、戦力がかみ合えば勝てないチームではないことを証明。後半戦も一つひとつ借金を返済していく。

 最下位のDeNAは開幕6連敗とスタートでつまずき、4月に10連敗、5月にも5連敗を喫して、大きく借金を抱えてしまった。大貫晋一、京山将弥、上茶谷大河、入江大生ら先発陣がことごとく不調で試合をつくれず。さらに平良拳太郎がトミー・ジョン手術を受けるなど、開幕ローテーションは4月で崩壊。それでも前半戦終了時点でチーム打率.261はリーグトップタイ。自慢の強力打線は後半戦も健在だ。東京五輪でアメリカ代表をけん引したオースティン、現在首位打者の佐野恵太を擁するラインアップに他球団は警戒を強める。投手陣は左肩手術から復活した今永昇太を中心に、濵口遥大、大貫、阪口皓亮、坂本裕哉らが先発ローテ入りに名乗りを挙げる。先発の出来次第では上位陣も痛い目に遭いそうだ。

【文責:週刊ベースボール】