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【コラム】後半戦開幕投手を託された20歳の右腕、ヤクルト・奥川恭伸が6年ぶりVの原動力に

 下馬評を覆す戦いを繰り広げ、首位・阪神と2.5ゲーム差の3位で前半戦を折り返したヤクルト。2015年以来の優勝も視界に入るが、大事な後半戦の開幕投手を託されたのが高卒2年目の奥川恭伸だった。8月15日のDeNA戦(新潟)。前日の同カードが雨天中止となり、プロで初めてのスライド登板だったが、「特に影響はありませんでした」。2回、先頭の宮﨑敏郎に先制ソロを浴びたが動じない。最速151キロのキレのある直球を軸にスライダー、フォークを自在に操り、DeNA打線を抑え込んでいく。5回から7回は完全投球。自身最長に並ぶ7回を1失点に抑え、自己最多タイの9奪三振をマーク。さらに、3試合連続無四球と抜群の制球力も発揮した。「素晴らしかったですね。文句をつけるところはありません」と高津臣吾監督も称賛する内容。石川県から応援に訪れた両親の前で自身3連勝の5勝目を飾った。

 「後半戦の大事な初戦を任せていただいた。何とかゲームをつくりたいという気持ちでマウンドに上がりました。自分的にはいい感触でいいストレートを投げられました。地元から近いということもあって、お客さんの声援も元気へと変わりましたね」

 着実に成長曲線を描いている。星稜高3年時に夏の甲子園で準優勝に輝き、ドラフト1位でヤクルトに入団した。だが、昨季は右ヒジの軽度の張りなどの影響で2度ノースローを経験。シーズン最終戦となる11月10日の広島戦(神宮)でプロ初登板初先発を果たしたが、2回0/3を5失点で黒星を喫した。「緊張しましたね。高校時代には甲子園の大観衆の中でも投げていますし、ナイターの経験もあったので、さほど緊張しないんじゃないかなって思っていたんですけど……。雰囲気が全然、高校野球とプロ野球は違っていたので。やっぱり空気が違うというか、緊張しました」。

 だが、2年目を迎えるとたくましさを増した。今季4月8日の広島戦(神宮)で5回5失点ながらプロ初勝利。初のお立ち台で「まずは初勝利できて、すごくホッとしています」と本音を漏らしたが、続けて「勝つことはそう簡単じゃないことを自分自身感じましたし、その中でチームをしっかり勝たせられるような投球が毎試合できるように頑張っていきたい」と今後に向けての力強い言葉を発していた。

 今季はここまで、中10日以上の登板間隔を空けての登板が続いているが「投げるタイミングやトレーニングするタイミングが確立されてきて、中10日空いてもスムーズに試合に入れるようになってきたと思います」と胸を張る。2勝目を挙げたのが5月27日の日本ハム戦(神宮)だったが、6月以降は5試合中4試合でクオリティースタートを記録するなどゲームメーク能力に長ける投手となってきている。

 4月16日に20歳を迎えたとき、「エースと呼ばれるような存在になりたいです」と将来の夢も明かしていた奥川。寮の部屋では「グラブが大好きなので型を作っていますね。寝転んで上にボールを投げて、グラブでキャッチしてということを繰り返しやっています」という野球小僧。若き右腕が6年ぶり歓喜への原動力となる。

【文責:週刊ベースボール】