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【コラム】激しいV争いの中、ロッテ・荻野貴司がサヨナラ打、チームに勢いを与える最高のトップバッター

 グッと目に力が入った。ロッテ・荻野貴司の集中力は最高潮に達した。10月23日の日本ハム戦(ZOZOマリン)。8回表、レアードのタイムリーエラーで同点に追いつかれ、嫌な流れとなっていたロッテだが9回裏、無死満塁と絶好のチャンスを迎える。打席には荻野。カウント3ボール1ストライクからの5球目だった。杉浦稔大が投じた真ん中外寄りの直球を巧みにとらえると、打球は一、二塁間を抜けた。

 「本当はもっとカッコいい感じの打球をイメージしていましたが、すごく渋い打球になってしまった(笑)。それも僕らしいのかな」

 会心の一撃ではなかったが、チームにとっては大きな一打だった。サヨナラ勝利で試合のなかった首位・オリックスに0.5ゲーム差と迫り、優勝マジックを「4」に減らした。シーズン最終盤まで優勝が決まらない激しい大混戦。負けられない戦いが続く日々で、36歳のベテランが大仕事を果たした。

 今季で12年目を迎えた背番号0。快足と好打に定評があったが、これまではシーズン途中で故障に泣くことが多かった。過去11年で100試合出場を超えたのは、わずか3年だ。しかし、今季は戦線離脱することなく、トップバッターとして全試合出場。右方向へ巧みに打球を運びつつ、内角球はうまく体を回転させて左へ技あり打を放つなど、バットで存在感が光る。積み重ねたヒットは10月25日現在、リーグトップの165安打。最多安打のタイトルも視界に入る。

 「(打率は)1日1日変わります。一喜一憂せずに『1日一本、1四球』を最低目標としてやってきました。一番打者としては、やっぱりチームに勢いを与えたいな、というのは常に頭にはあります。一番は出塁すること。それを一番に考えながら、まずは自分のスイングをしっかりする。まずは、そこかな、と」

 初回は必ず先頭で打席に入る。準備がモノを言う打順だが抜かりはない。

 「まず、相手投手は誰か。その投手の球種、持ち球は何か。前回の対戦、前々回の対戦の入りは、どんな球種で、どう攻められて、どんな結果だったか。それを確認して、イメージしながら打席に向かっています。そして事前にタイミングを合わせて、自分のスイングをしっかりする。これが大事な『準備』だと思っています」

 その結果が今季6本放っている初回先頭打者アーチだ。今季はここまで10本塁打だから驚異的な確率だ。「いや、先頭打者ホームランは本当にたまたまです(笑)。でも、さっき言った『準備』と『自分のスイングをしっかりする』という延長であり、1つの結果だとは思います。それができたときに、いい結果が出ていると思うので」と本人は笑うが、チームを鼓舞する最高のトップバッターだ。

 シーズンの結果がどうなろうと戦いは終わりではない。次は日本一に向けた戦い、クライマックスシリーズが始まる。2021年、ロッテが球界の頂点に立つために、荻野の力は欠かせない。

【文責:週刊ベースボール】