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【2021パ・リーグ回顧】オリックスが25年ぶりのリーグ制覇、絶対的王者のソフトバンクがまさかのBクラスに

 昨季最下位のオリックスが25年ぶりにリーグ制覇を飾った。エースの山本由伸が18勝5敗、防御率1.39と投手のタイトルを総ナメにする活躍で、高卒2年目左腕・宮城大弥も13勝4敗、防御率2.51と大ブレーク。この2枚看板が投手陣を牽引した。打線は打率.339で2年連続首位打者に輝いた吉田正尚を軸に、育成と勝利を両立する中嶋聡監督の采配も光った。二軍監督時代から潜在能力を評価していた杉本裕太郎が四番で打率.301、32本塁打と覚醒し、自身初の本塁打王を獲得。宗佑磨も三塁のレギュラーをつかみ、ゴールデン・グラブとベストナインを受賞。二塁から中堅にコンバートされた福田周平はリードオフマンに成長し、高卒2年目・紅林弘太郎も遊撃で球団史上初の10代で2ケタ本塁打を達成。伸びしろ十分の布陣で連覇を狙う。

 ロッテは2年連続2位と頂点に届かなかった。最多安打(169)のタイトルを獲得した荻野貴司が塁に出て、中村奨吾、マーティン、レアードがかえす得点パターンで、救援陣の奮闘が光った。佐々木千隼は8勝1敗26ホールド、防御率1.26と抜群の安定感で不動のセットアッパーに。佐々木千、シーズン途中にDeNAから移籍した国吉佑樹、唐川侑己、ハーマンから守護神・益田直也につなぐ必勝パターンで白星を積み重ねた。小島和哉が自身初の2ケタ勝利を挙げ、一軍デビューを飾った高卒2年目右腕・佐々木朗希は3勝をマーク。シーズン終盤は安定感が増してエース格の働きぶりだった。さらなるチーム力の底上げへ、安田尚憲、藤原恭大、山口航輝ら若手野手たちの飛躍に期待したい。

 3位の楽天は投打がかみ合わなかった。田中将大が日本球界に8年ぶりに復帰。4勝9敗、防御率3.01と打線の援護に恵まれず白星は伸びなかったが、ゲームメーク能力は際立っていた。則本昂大がチーム最多の11勝、瀧中瞭太が自身初の2ケタ勝利をマークし、ドラフト1位左腕・早川隆久も9勝を挙げたが、昨季最多勝の涌井秀章が誤算だった。ファーム降格も味わうなど6勝8敗、防御率5.04。打線も島内宏明が打率.257、21本塁打、96打点で自身初の打点王を獲得したが、爆発力に欠けた。ディクソン、カスティーヨの両外国人が打撃不振で機能せず、昨季の本塁打王・浅村栄斗も打率.269、18本塁打、67打点と不本意な成績。実績のある選手たちが意地を見せられるか。

 5年連続日本一を狙ったソフトバンクはまさかのBクラス。故障者が続出したことが大きな誤算だった。エース・千賀滉大、四番・グラシアル、守護神・森唯斗と主力が次々に離脱。12球団トップの8度優勝と得意にしていた交流戦で5勝9敗4分、球団史上最低勝率.357と失速した。シーズン終盤も9月30日の西武戦(PayPayドーム)から引き分けを挟み8連敗を喫し、優勝争いから脱落した。黄金時代を支えてきた松田宣浩、今宮健太ら主力メンバーが打撃不振や故障で欠場する機会が多く、若返りが課題となっている。チームを熟知している藤本博史監督が新たに就任。三森大貴、リチャード、柳町達ら若手の台頭でV奪回を目指す。

 5位に低迷した日本ハムは変革を断行した。シーズン途中に四番の中田翔を巨人にトレード移籍させたのに続き、今オフに海外FA権を持つ西川遥輝、国内FA権を持つ大田泰示、秋吉亮と来季の契約を提示せず保留手続きを行わないことを発表。侍ジャパンの監督で東京五輪金メダルに導いた稲葉篤紀GM、新庄剛志監督の新体制で巻き返しを狙う。ド派手なファッションと度肝を抜く発言で「オフの主役」になっている新庄監督だが、野球理論には定評がある。投打の中心として期待される伊藤大海、野村佑希に加え、五十幡亮汰、清宮幸太郎、立野和明、吉田輝星ら将来が楽しみな若手が多い。どのようにチームを再建するか。ビッグボスの手腕が注目される。

 42年ぶりの最下位に低迷した西武は、髙橋光成、松本航が共に自己最多の11勝、10勝をマークしたが、先発のコマ不足が響きリーグワーストの防御率3.94。打線も山川穂高、外崎修汰が打撃不振でリーグ5位の521得点と迫力を欠いた。ただ、戦力が整えばチームがガラッと変わる可能性を秘めている。若手は高卒3年目右腕・渡邉勇太朗が後半戦に先発ローテーションに定着して4勝をマーク。ドラフト4位の若林楽人は5月下旬に故障で戦線離脱したが44試合出場で20盗塁、岸潤一郎も100試合出場で打率.220、9本塁打と頭角を現した。懸案の先発陣もドラフトで1位・隅田知一郎、2位・佐藤隼輔と即戦力左腕の獲得に成功。来季は巻き返しを狙う。

【文責:週刊ベースボール】