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【コラム】新天地で新たな覚悟が芽生えた楽天・西川遥輝、チャンスメーカー&ポイントゲッターの一番打者

 起死回生の一発が飛び出した。4月30日のソフトバンク戦(楽天生命パーク)。4点ビハインドで迎えた9回裏、楽天は1点を返して、さらに二死一、二塁のチャンスで打席には西川遥輝が入った。カウント1-1からの3球目、モイネロの直球が真ん中へ吸い込まれる。その甘い1球を西川は見逃さなかった。鋭いスイングから放たれた打球は右翼席へ消える同点5号3ランに。延長11回裏には二死から四球を選ぶと小深田大翔の中前打で三塁へ。そして、浅村栄斗の右翼頭上を越える一撃でサヨナラのホームを踏んだ。

 ヒーローインタビューでお立ち台に上がった西川は「いい場面で回ってきましたけど、後ろにすごいバッターがいるので回すことだけを考えていました。(同点3ランは)わけが分からなかったです。(ファンの声援も)一切聞こえていませんでした」と興奮気味だった。さらに「ここまで出来過ぎているので、今年死ぬんじゃないかと怖いです」とジョークを飛ばしたが、確かに開幕から素晴らしい成績を残している。5月2日現在、全24試合に一番でスタメン出場し、打率.337、5本塁打、22打点。打率はリーグ3位、本塁打は同4位、打点は同2位タイ。出塁率も同1位の.477、盗塁も同2位タイの7個を数え、時にチャンスメーカー、時にポイントゲッターとしてチームの首位快走に貢献している。

 日本ハムでは球界を代表するトップバッターとして長年活躍してきた。だが、2020年オフにポスティングによるメジャー挑戦を表明するも契約合意に至らず、「自分の実力のなさを痛感した」と視線を落とした。昨年は打撃不振に苦しんだが、自身4度目の盗塁王を獲得。しかし、オフにまさかのノンテンダーFAに。年俸は2億4000万円から8500万円へ大幅ダウン(金額は推定)で新たに楽天と契約を結んだ。2年連続でオフに屈辱を味わったが、キャンプでは前向きな気持ちになっていた。

 「メジャーに行けなかったときは得るものより失うもののほうが多かったのですが、今回のノンテンダーに関しては失うものよりも得るもののほうがすごく多いと思っています。今はとても前向きにやれていますし、本当に楽天には感謝しかないですね」

 何よりも新天地で新人時代の感情を思い出したことが大きかったという。

 「ルーキーのような気持ちというのはずっと日本ハムにいたら思い出せなかったと思いますし、もう一度感じろといわれても無理なことなので。自由契約になったことで楽天イーグルスに入団させてもらって、もう一度そのような気持ちに戻れたというのは僕の中ではすごく大きなことだなと。天狗になっていたわけではないですけど、ある程度経験を積んでくるといろいろなプライドが邪魔をすることもあり、そのすべてを取っ払ってくれたというのは自分の中で人間として、選手としてまたレベルアップできるんじゃないかなと思っています」

 日本ハムを去ることが決まり、「野球ができないんじゃないか」という不安な思いにも襲われた。だからこそ、ユニフォームを着ることができている現在、これまで以上に野球に打ち込むようになった。後悔を残すことがないように野球と向き合う。新たな覚悟が芽生えた今季。それが結果を残している理由のすべてだろう。

【文責:週刊ベースボール】