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【コラム】広島打線に火をつけた秋山翔吾の一発、本領を発揮して後半戦でチームを牽引

 打線に火をつけたのは秋山翔吾の一発だった。7月23日のヤクルト戦(神宮)。初回、無死一、三塁で打席に入った広島の三番・秋山はカウント2-2からの5球目、原樹理が投じた真ん中低めのカットボールにバットを一閃すると、打球は右翼席へ飛び込む2試合連続の3号3ランとなった。広島打線の勢いは止まらない。初回は羽月隆太郎の適時三塁打などで3点を追加して計6点。さらに2回には秋山の適時二塁打などで3点、3回には坂倉将吾の適時三塁打などで4点を加えて13対0と大量リード。4回にも1点、7回にも先頭の秋山の中前打が起点となり1点を追加し、15対3と大勝した。

 今季途中、アメリカ球界から広島で日本球界に復帰した秋山。当初はファームで調整を進め、7月8日に一軍昇格して同日の中日戦(バンテリンドーム)からスタメンに名を連ねた。だが、11試合で打率.171と低迷。三番打者の役割を果たすことができなかったが、この試合で3安打4打点、前日の同カードでも4安打2打点をマークして打率も一気に.280まで上昇した。だが、秋山は冷静だ。「反省する打席もまだあるので、これがピークにならないようにドンドン伸ばしていきたいと思います」。慎重な姿勢を崩さないところに秋山らしさがあふれていた。

 思えば西武時代から気を付けていたのは「本塁打の魅力にとりつかれないように」ということだった。2015年にシーズン最多の216安打をマークするなど安打製造機として鳴らしてきた秋山。本来の打撃は右中間、左中間を鋭く抜く打球を飛ばすことだ。自身初めて20本塁打を突破し、25本のアーチを架けた17年のシーズン中には「自分の中で想定外のことが起きている」と驚きつつ、以下のように語っていた。

 「やっぱり本塁打って感触、手応え、打球の角度など、すべてが気持ちいい。バッターとして、それを追い求めるのはごく自然なことですけど、だいぶ『違うぞ』と自分に言い聞かせて、次の打席に入っています。ライトに飛んだ本塁打が特に怖い。右翼手の頭上からポールの間の打球が目に入りますから。誰だって自分が心地いい打撃をしたい。でも、そうさせないのが相手バッテリー。自分がこう打ちたいという思いだけではダメだ、というのが分かっていないと大崩れする可能性があります」

 さらに「だから、例えばですけど、ホームランが出た次の打席は、あえて、より苦しく打つこともある。点差が開くなど展開が許せば、ですけど。そんなときはショートゴロでも納得。1年間戦う上で、自分のバッティングをコントロールする意味では、そういうこともしていかないと崩れてしまいます」と打撃を整える作業を行っていることも明かしていた。だからだろう、23日の試合で本塁打のあとに放った二塁打、単打は左翼、中堅へとボールに逆らわずに打ち返した。「本塁打の魅力にとりつかれない」素直な打撃だった。

 勝率5割の2位タイで前半戦を終えた広島。首位・ヤクルトとは11ゲーム差とだいぶ離されているが、少しでもヤクルトを脅かす戦いを繰り広げたい。そのためにも秋山の存在は貴重だ。「本当によく練習をする。いろいろ考えながら取り組んでいる姿勢は若手の見本となる」と佐々岡真司監督も一目を置く背番号9。後半戦でさらに本領を発揮して、チームを牽引していく。

【文責:週刊ベースボール】