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【セCSファーストS回顧】1点を争う好ゲームの連続! 2度のイニングまたぎでDeNA打線に得点を許さなかった湯浅京己の“熱投”もあり阪神がファーストステージ突破!!

 セ・リーグの「2022 JERA クライマックスシリーズ セ」ファーストステージが10月8日から横浜スタジアムで開催され、阪神が2勝1敗でDeNAを下し、ファイナルステージ進出を決めた。

 両チームとも投手陣が力を発揮し、ロースコアのゲーム展開が繰り広げられた。初戦はDeNA先発・今永昇太と阪神先発・青柳晃洋の両エースが抜群の立ち上がりを見せたが、0対0で迎えた5回表、均衡を破ったのは阪神だった。一死から青柳、中野拓夢の連打で一、二塁のチャンスをつくると、矢野燿大監督は代打の切り札・マルテの名前をコール。助っ人大砲は四球を選んで満塁とすると、続く近本光司が中前2点適時打を放つ。「青柳さんがいい投球を続けてくれていたので、何としても先制点をという気持ちで打ちました」と近本。2点のリードを得た阪神は積極的な継投でリードを守りに入った。

 青柳は85球、4安打無失点だったが、6回限りで降板。7回裏のマウンドには左腕・岩貞祐太が上がるも一死後、右打者の宮﨑敏郎が代打で登場してくると、右腕の浜地真澄にスイッチ。浜地は二死からソトに二塁打を浴びるも嶺井博希を二ゴロに打ち取りゼロで切り抜ける。8回裏は岩崎優がマウンドへ。今季28セーブを挙げた左腕が二死一、二塁のピンチを招き打席に四番・牧秀悟を迎えると阪神ベンチはすかさず動いた。

 今季45ホールドポイントで最優秀中継ぎに輝いたセットアッパー・湯浅京己をマウンドに送ると牧を空振り三振。ピンチを脱すると、背番号65はイニングをまたいで9回のマウンドにも上がった。湯浅は二死からソトに中前打を浴びたが、最後は代打・大田泰示を三ゴロに仕留めた。短期決戦用の継投で勝利を飾った矢野監督は「全員でつないで勝てた」と笑顔。リードを守り切った阪神が2対0で初戦を手に入れた。

 第2戦もDeNA・大貫晋一、阪神・伊藤将司の両先発がスコアボードにゼロを刻む。試合が動いたのはまたもや5回だ。DeNAが宮﨑、ソトの連打で無死二、三塁とすると大和が伊藤将の内角高め直球をとらえ中前へ。三走・宮﨑が先制のホームを踏んだ。しかし、ホームを狙った二走・ソトは近本の好返球に阻まれ本塁憤死。その後も伊藤将が踏ん張り、DeNAに追加点は許さなかった。

 阪神が反撃したのは7回表だ。先頭の中野が遊撃内野安打で出塁すると、すかさず二盗。糸原健斗が犠打で送り、一死三塁と同点のチャンスをつかんだ。ここでDeNAベンチが動く。大貫をあきらめ、伊勢大夢をマウンドに送った。伊勢はまず近本を内角高め150キロ直球で三邪飛に仕留めるとガッツポーズ。さらに大山悠輔に対しても151キロ直球で見逃しストライクを奪うと、2球目の149キロ外角直球で中飛に。再びガッツポーズを見せる気迫満点の投球でピンチを切り抜けた。

 伊勢はイニングまたぎで8回も続投したが、三者連続三振で阪神打線を寄せ付けない。9回は守護神の山﨑康晃が三者凡退で試合を締め、DeNAが1対0で勝利して対戦成績は1勝1敗の五分に。この日は横浜スタジアム史上最多の3万3037人の観客が球場に詰めかけたが、三浦大輔監督は「今日もたくさんのDeNAファンの方々に駆けつけていただき、選手たちに力を与えてくれた」とファンの後押しに感謝した。

 雌雄を決する3戦目も1点を争う好ゲームになった。DeNAは2回裏に宮﨑の先制ソロ、3回裏に阪神先発・才木浩人の暴投で2点をリード。阪神は4回表に佐藤輝明のソロで1点差に迫ると6回表だ。北條史也、近本の連続二塁打で同点とすると一死後、原口文仁が左前へ勝ち越し打。1点をリードすると岩貞、西純矢と必死の継投に。8回裏、二死二塁のピンチを招くと湯浅がマウンドへ上がる。一打同点の場面で佐野恵太を一ゴロに仕留めると、初戦に続き、再びイニングまたぎで9回のマウンドに立った。

 9回、湯浅に対してDeNA打線も意地を見せ、一死満塁と攻め立てる。打席には代打・藤田一也。初球、湯浅が投げ込んだ渾身の152キロ直球に果敢にスイングした藤田だが、打球は二塁手の正面へ。打球をつかんだ小幡竜平が本塁へ送球し、送球を受けた捕手の梅野隆太郎が一塁へ転送。藤田はヘッドスライディングをするも及ばず、「4-2-3」のダブルプレーでゲームセット。阪神が3対2で勝利した。

 ヤクルトとのファイナルステージへコマを進めた阪神・矢野監督は「やっぱり甲子園に帰って日本シリーズというのは、ファンの皆さんに見せたい。僕自身も経験したいので。もう1度、そこへ向けてチーム全員でファイナルを戦っていきます」と意気込んだ。

【文責:週刊ベースボール】