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【セCSファイナルS回顧】ヤクルトが王者の貫禄を見せて3連勝で日本シリーズへ。阪神は最後に“守乱”で力尽きる

 「2022 JERA クライマックスシリーズ セ」ファーストステージでDeNAを2勝1敗で下した3位・阪神と1位・ヤクルトの対決となったファイナルステージ。下克上を目指す阪神がヤクルトをどのように攻略するか注目されたが、リーグ連覇を果たした王者が危なげない戦いで阪神を一蹴した。

 初戦は序盤からヤクルト打線が阪神を攻め立てた。初回、二死から山田哲人が四球で出塁すると、村上宗隆も8球粘った末に四球。一、二塁とチャンスを広げると続くオスナがカウント2-1から西勇輝の内角シュートを巧みにとらえた。打球は左翼席へ飛び込む先制3ラン。「短期決戦で先に先制してチームに勢いをつけたかった。一発で仕留めることができた」という助っ人の会心の一撃でヤクルトは波に乗る。2回裏には山崎晃大朗の中前適時打、3回裏にはサンタナの中犠飛で着実に加点。サンタナは6回裏にもバックスクリーンへ2ランをたたき込んだ。大量点に守られたヤクルト先発の小川泰弘は粘りの投球。6回2/3を6安打1失点で後続に託すと、石山泰稚、田口麗斗、清水昇が無失点リレー。ヤクルトが7対1と快勝した。試合前練習の冒頭で「シーズンでできたことができなかったり、できなかったことができたり。それが短期決戦」と髙津臣吾監督は心得を説いたが、指揮官の言葉を胸にナインは緊張感の中でも躍動した。

 第2戦では初戦無安打に終わった三冠王のバットが火を噴いた。0対1で迎えた3回裏二死一塁。打席にはヤクルトの四番・村上が入った。フルカウントからの6球目、藤浪晋太郎が投じた外角低め直球を逆らわずに打ち返す。逆風をものともせず、打球は左翼席へ飛び込む逆転2ランとなった。「追い込まれていたのでコンパクトに打つことを心掛けて。しっかりと押し込めました」。降りしきる雨の中でも集中力を切らさずに、CS初本塁打をたたき出した。4回裏には「ストレート一本に絞って思い切り打ちました」と長岡秀樹がフルスイングで右翼席へソロアーチ。さらに5回裏にはオスナの「完璧に打つことができた」と自画自賛の2ランでダメ押し。守っては先発のサイスニードが5回2/3を1失点と試合をつくると、最終回に守護神のマクガフが1点を失って2点差にまで迫られたが、後続を断ってヤクルトが5対3で連勝。アドバンテージの1勝を含めて王手をかけたが髙津監督は「(CSは全)6試合というところで第2戦がすごく大事だと思っていた。今日を取れたのは良かったと思う」と満足気にうなずいた。

 あとがなくなった阪神は意地を見せたい第3戦で先発マウンドにエース・青柳晃洋を送った。丁寧な投球で青柳はヤクルト打線を6回まで3安打無失点に封じ込める。打線も4回表に陽川尚将の中犠飛、5回表に大山悠輔の中前2点適時打で3点を奪取と優位に試合を進めていた。しかし、7回裏に悪夢が待っていた。青柳の制球が乱れ、3四死球で二死満塁。続く山崎の打球は一塁へのゴロとなったが捕球したマルテが二塁へ悪送球し、二者が生還した。代わった浜地真澄も四球を与え、さらに二死満塁になると打席には村上を迎えた。浜地は村上を一塁線へのボテボテのゴロに打ち取ったが、無理な体勢からバックハンドでグラブトスして悪送球。この間にすべての走者が生還し、3対5とヤクルトに逆転を許してしまった。ヤクルトは8回裏にも山田の適時二塁打で1点を追加。9回表はマクガフが3人で締めて6対3で勝利を飾り、日本シリーズ進出を決めた。髙津監督は「(球団)初の連続日本一を目指して頑張りたいと思います」と力強く宣言。なお、MVPには3試合で2本塁打、5打点と打棒を発揮したオスナが選ばれた。

【文責:週刊ベースボール】