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【2022セ・リーグ回顧】ヤクルトが村上宗隆の大活躍でリーグ連覇、DeNAが前年の最下位から2位に躍進

 ヤクルトが29年ぶりのリーグ連覇を飾った。正捕手の中村悠平が下半身の張りで開幕に間に合わず、サンタナが開幕直後に左ヒザの手術で長期離脱するなど戦力は決して盤石ではなかったが、投打ががっちりかみ合って5月から首位を快走。7月に貯金28と独走態勢に入ったあと、主力選手が新型コロナウイルスに大量感染した影響で勢いが落ちたが、猛追するDeNAを振り切り地力の強さを見せた。四番の村上宗隆が打率.318、シーズン日本選手記録を58年ぶりに塗り替える56本塁打、134打点で三冠王を獲得。高卒3年目の長岡秀樹が遊撃の定位置をつかみ、塩見泰隆、オスナが打線の核になった。主将の山田哲人は打撃不振に苦しんだが、二塁の守備で再三好守を見せた。先発陣は2年連続2ケタ勝利がいなかったが、救援陣が奮闘。選手のコンディションを重視し、能力を引き出す髙津臣吾監督の采配も光った。

 他球団が失速する中、前年最下位に低迷したDeNAがセ・リーグを盛り上げた。ヤクルトに最大17.5ゲーム差をつけられたが、8月に8連勝を飾るなど18勝6敗の月間成績で、一時は4ゲーム差まで接近。シーズン終盤に力尽きて2位に終わったが、本拠地・横浜スタジアムで17連勝を飾った戦いぶりは見事だった。ヤクルト同様に、救援陣の踏ん張りが快進撃につながった。伊勢大夢はリーグトップの71試合登板し、3勝1セーブ39ホールドをマーク。エスコバーも70試合登板で4勝2セーブ34ホールドとフル稼働した。投打でタレントはそろっている。今オフに守護神・山﨑康晃が6年契約で残留を発表したことも明るい材料だ。共に11勝を挙げた大貫晋一、今永昇太の左右の両エースが来年もキーマンになりそうだ。

 3位の阪神は春先の出遅れが大きく響いた。開幕9連敗を喫するなど、借金16までふくらんで最下位に低迷。その後は投手陣が踏ん張り、前半戦で借金を完済したが、後半戦に入ると勢いが続かなかった。エース・青柳晃洋が13勝4敗、防御率2.05で最多勝、最優秀防御率のタイトルを獲得。救援で湯浅京己が大ブレークして45ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手賞のタイトルを獲得。投手陣はリーグトップのチーム防御率2.67を記録したが、貧打と守備の乱れで大事な試合を落とすケースが少なくなかった。リードオフマンの近本光司が自身3度目の盗塁王を獲得したが、中軸の働きぶりが物足りない。岡田彰布監督が就任する来季は大山悠輔、佐藤輝明がタイトル争いに絡む活躍を見せられるか。

 5年ぶりのBクラス4位に低迷した巨人はドラフト1位右腕・大勢が奮闘し、57試合登板で1勝37セーブ8ホールド、防御率2.05の大活躍。だが、救援陣が不安定で大勢につなぐ勝利の方程式が確立できなかった。打線では2020、21年に本塁打&打点の2冠に輝いた岡本和真が夏場に打撃不振で四番を剥奪され、六番に降格したのが誤算だった。坂本勇人も開幕前を含めて3度の故障で戦線離脱し、83試合出場にとどまった。投手陣は戸郷翔征が自己最多の12勝をマーク。菅野智之は2年ぶりの2ケタ勝利を挙げたが、絶対的エースの復活まではたどりついていない。今季頭角を現した山﨑伊織、堀田賢慎ら「次世代のエース」たちが先発ローテーションで一本立ちしてほしい。

 広島は開幕6連勝と最高のスタートを切ったが、交流戦で5勝13敗の12位と大きく失速したのが響き5位に。メジャーでプレーしていた秋山翔吾が6月下旬に電撃加入したが、好不調の波が激しい不安定な戦いぶりは改善できず、優勝争いから脱落。先発陣の柱として期待された大瀬良大地が8勝9敗、九里亜蓮が6勝9敗と負け越すようだと厳しい。打線も西川龍馬が下半身のコンディション不良で、6月上旬から2カ月間戦線離脱したことで破壊力が落ちた。16~18年にリーグ3連覇を達成したが、19年から4年連続Bクラスと黄金時代の粘り強い戦いが影を潜めている。新井貴浩監督が就任し、再スタートへ。小園海斗、羽月隆太郎、中村健人、末包昇大ら若手が台頭してほしい。

 立浪和義監督が就任した今季は6年ぶりの最下位に沈み、低迷期から脱出できなかった。岡林勇希が最多安打のタイトルを獲得し、髙橋宏斗は6勝7敗、防御率2.47とスケールの大きい投球スタイルで球界を代表するエースになる可能性を抱かせたが、リーグワーストの414得点と貧打が深刻だった。ベテラン・大島洋平がヤクルト・村上と熾烈な首位打者争いを繰り広げるなどまだまだ健在で、岡林と共にチャンスメークしたが、中軸が迫力不足で本塁が遠い。投手陣も大野雄大、柳裕也のダブルエースが2ケタ勝利に届かず、不完全燃焼だった。今オフはトレードを積極的に敢行し、戦力を大幅にテコ入れ。来季は生まれ変わった姿を見せたい。

【文責:週刊ベースボール】