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【セ・リーグ後半戦展望】阪神首位も混戦模様、広島、DeNA、巨人に逆転優勝の可能性が

 阪神が前半戦を首位で折り返したが、優勝争いは最後までもつれそうだ。2位・広島は1ゲーム差、3位・DeNAは3ゲーム差で、4位の巨人も阪神と6.5ゲーム差しか離れていない。2021、22年とリーグ連覇を飾った5位のヤクルト、最下位の中日は借金2ケタ以上と苦しい戦いが続いているが、上位4球団と大きな力の差はない。クライマックスシリーズ(CS)争いを含め、熾烈な争いが予想される。

 岡田彰布監督が15年ぶりに復帰した阪神は5月に19勝5敗と大きく勝ち越し。その原動力となったのが、新たな戦力だ。現役ドラフトでソフトバンクから移籍した大竹耕太郎が7勝1敗、防御率1.48、昨季まで未勝利だった大卒3年目の村上頌樹が6勝5敗、防御率1.97と抜群の安定感で先発の柱に。野手で貢献度が高いのが木浪聖也だ。中野拓夢が二塁にコンバートされ、レギュラーが白紙となった遊撃で定位置に返り咲くと、得点圏打率.310と下位打線でポイントゲッターに。守備でも強肩と球際の強さで幾度もチームを救っている。後半戦は青柳晃洋、西勇輝、佐藤輝明と主力選手たちが復調できるか。特に佐藤輝をクリーンアップで固定できれば得点力が上がるだけに、チームの命運を握る存在だ。

 広島は新井貴浩監督が就任し、粘り強さがチームカラーの野球を取り戻している。6月は14勝9敗と勝ち越し、7月も5連勝で貯金を最多の9に伸ばして前半戦を終えた。先発は九里亜蓮、床田寛樹、大瀬良大地、森下暢仁の4本柱に加えて野村祐輔も復活の予感が。救援陣は栗林良吏が春先に乱調でファーム降格を味わったが、7月に入るとセットアッパーで本来の姿を取り戻しつつある。ターリー、島内颯太郎と共に新守護神・矢崎拓也につなぐ勝利の方程式が稼働している。打線は秋山翔吾、菊池涼介、西川龍馬、坂倉将吾、野間峻祥と経験値のある選手がそろっている。16年から3年連続リーグ連覇を飾ったが、19年以降は4年連続Bクラス。悔しいシーズンが続いたが、今年は赤ヘル復活なるか。

 3位のDeNAは3、4月に16勝7敗と開幕ダッシュに成功したが、5月以降は連敗と連勝を繰り返してなかなか落ち着かない、宮﨑敏郎がリーグトップの打率.347をマークし、関根大気も外野の定位置をつかんで打率.287とチャンスメーカーに。佐野恵太、牧秀悟、桑原将志と並ぶ打線は切れ目がない。投手陣も先発でエースの今永昇太、新外国人のバウアー、8勝をマークしている東克樹、石田健大、大貫晋一と能力が高い投手がズラリ。懸念材料は救援陣だ。山﨑康晃が防御率4.45と不安定で後半戦は配置転換の可能性が。新守護神を含めて再整備が急務となっている。打線も小技や進塁打の精度を高めることが覇権奪回のポイントに。投打で戦力は充実しているだけに今年こそ頂点に立ちたい。

 巨人は借金2の4位で前半戦を終えた。明るい材料は高卒3年目の秋広優人のブレークだ。規格外の飛距離を誇るパワーだけでなく、ミート能力も高い。詰まっても逆方向のヒットゾーンに飛ばせるため打率が落ちない。5月下旬以降は三番に定着し、打率.299、8本塁打、25打点。後半戦もどれだけ数字を伸ばすか楽しみだ。大きな痛手は坂本勇人の戦線離脱。6月下旬に右太もも裏の肉離れを発症。開幕から打撃不振でスタメン落ちを味わったが、5月以降は調子を上げて一番に定着していた。門脇誠、中山礼都ら若手の奮起が求められる。前半戦は不完全燃焼だった丸佳浩、菅野智之も巻き返せるか。守護神・大勢が右上肢のコンディション不良で戦列を離れているため、救援陣の踏ん張りも求められる。

 リーグ3連覇を狙うヤクルトは借金11を背負う苦しい前半戦となった。開幕5連勝と最高のスタートを切ったが、その後は投打がかみ合わず4月下旬に7連敗で借金生活に入ると、5月中旬から1つの引き分けを挟んで12連敗と沈んだ。昨季日本選手記録の56本塁打を樹立し、三冠王に輝いた村上宗隆が打撃不振、山田哲人、塩見泰隆が故障で戦線離脱と主力打者たちがそろわず得点力が低下。投手陣も先発が試合を作れず、8回のセットアッパー・清水昇、9回の守護神・田口麗斗につなぐ継投策が機能しない状況が続いた。ただ、前半戦最後の3連戦で巨人に同一カード3連勝を飾り、村上も7月は打率.306、4本塁打、12打点と復調の気配を見せている。後半戦は借金を1日も早く完済し、優勝争いに加わりたい。

 立浪和義監督就任2年目の今季、中日は中軸で期待していた野手の新外国人選手3人が機能せず、244得点はリーグワースト。課題だった得点力不足が解消されていないのが最下位低迷の要因になっている。明るい材料は現役ドラフトでDeNAから移籍した細川成也の活躍だ。打率.285、12本塁打、49打点とクリーンアップに不可欠な存在に。ドラフト7位の福永裕基、日本ハムからシーズン途中にトレード移籍した宇佐見真吾と新戦力の活躍が目立つ。石川昂弥が不動の四番に座る打撃を見せれば得点力が上がる。投手陣は大野雄大が4月に左肘のクリーニング手術で長期離脱したが、先発、救援共に力のある投手がそろっている。後半戦は台風の目になれるか。

【文責:週刊ベースボール】