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【セCSファイナルS回顧】阪神が3試合連続の逆転勝利、無傷で広島を下して38年ぶりの日本一へ一歩前進

 「2023 JERA クライマックスシリーズ セ」ファーストステージで3位・DeNAを2勝0敗で下した2位・広島と1位・阪神の対決となった甲子園でのファイナルステージ。シーズンでは広島に11.5ゲーム差をつけて独走優勝を果たした阪神が、3試合連続の逆転勝利と王者の底力を見せつけた。

 阪神初戦の先発は防御率1.75で最優秀防御率に輝いた村上頌樹。シーズンで抜群の安定感を見せた右腕は4回、先頭の小園海斗に三塁打を浴びるも一死三塁から秋山翔吾の犠飛による1点に抑え切る。するとその裏、一死から森下翔太が左翼席へ同点弾をたたき込む。「やっぱり森下のホームランは大きかった」と岡田彰布監督も絶賛する一撃で試合を振り出しに戻すと、5回には一死一、三塁から村上が一塁線を破る勝ち越し適時打。近本光司も適時打で続き、この回3点を挙げた阪神が試合の流れを引き寄せると、終盤は盤石のリリーフ陣が力を発揮した。村上の後を継いだ7回以降は桐敷拓馬、石井大智、島本浩也、岩崎優が無失点リレー。7回は桐敷が三者三振、9回の岩崎も先頭の小園に中前打を許したが、そこから三者三振と圧巻のピッチング。投打に危なげない戦いで阪神が4対1で初戦をものにした。

 第2戦は両軍の先発が“熱投”を見せた。阪神の伊藤将司は初回に1点を失ったが、その後は粘りのピッチング。辛抱強く低めに丁寧に制球して、7回5安打1失点と広島打線を最少失点に封じた。対する広島の大瀬良大地も力を振り絞る。1対1の同点で迎えた5回二死一、二塁ではフルカウントから外角高めカットボールで中野拓夢を空振り三振に斬って取り、雄たけびと共に渾身のガッツポーズを見せた。勝負を決めたのは“つなぎの意識”だった。9回、二死二塁から広島ベンチはノイジーを申告敬遠。続く坂本誠志郎は3ボールから栗林良吏の外角直球を冷静に見極め四球。その瞬間、ネクストに控える木浪聖也に向かって指をさしてほえた。「なんとかそれに応えようと思った」と意気に感じた木浪は二死満塁でカウント1-2から142キロの高め直球を振り抜くと一、二塁間を鋭く抜けるサヨナラ打。「ずっと1年間、木浪が八番でキーポイントになっていたけど、よく打った」と岡田監督。劇的なサヨナラ勝利で阪神が一気に王手をかけた。

 第3戦も先制したのは広島。4回二死一、三塁から阪神先発の大竹耕太郎から坂倉将吾が右前適時打を放つ。しかし、阪神はその裏、ノイジー、坂本の連続適時打で逆転に成功。5回、堂林翔太の左犠飛で同点に追いつかれるも、6回には二死一、二塁から坂本が右翼前にしぶとく落とす適時打で勝ち越し。7回にも一死満塁から森下が押し出し四球を選び、1点を追加した。投げては6回から二番手の桐敷が2回無失点。8回二死一、二塁のピンチも五番手の島本が代打・松山竜平を右飛に仕留め守り切る。9回は走者を許しながら岩崎がゼロで締め、4対2で勝利。阪神が3連勝でアドバンテージの1勝を含む4勝とし、9年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。MVPは第2戦でサヨナラ打をマークするなど、3試合で5安打を放ち勝利に貢献した木浪が選ばれた。1985年以来の日本一に挑む岡田監督は「甲子園では3試合あるので、あと1週間でもう一度、打つほうも調子を上げて、もう一つ上のステージで勝ち上がれるように頑張ります」と38年ぶりの頂点をファンに誓った。

【文責:週刊ベースボール】