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【コラム】巨人が4年ぶり39度目のセ・リーグ制覇、「常勝軍団」復活へ覚悟を示した四番・岡本和真

 頂点に立つ瞬間まで四番としての存在感を示し続けた。巨人が優勝マジック1で迎えた9月28日の広島戦(マツダスタジアム)。1対1の同点で迎えた6回無死一塁で打席に立ったのは岡本和真だ。カウント1-2からの4球目、「いい形で後ろにつなぐつもりだった」と外角低めのカットボールをすくい上げた打球が左中間を破る。一走・吉川尚輝が一気に本塁を陥れ、勝ち越しに成功。さらに3対1で迎えた7回だ。一死一、三塁から再び左中間を破る2点適時打を放って、試合を決定づける。9回にも3打席連続の二塁打でダメ押し点を演出した。

 岡本和の4安打3打点の活躍もあり、8対1で勝利した巨人は4年ぶり39度目のリーグ制覇を達成。全試合で四番を担った岡本和は「本当に、この優勝をまず1つ目指してやってきたので、優勝できて良かったなと思います。こういうところで打てるようになりたいと思って取り組んできた部分もありますし、序盤はみんなに助けてもらっていたので、最後は打つことができて良かったなと思っています」と喜びを口にした。

 誰よりも四番と向き合ってバットを振ってきた。勝負を左右する打席で凡退すると、「僕が打っていれば、点が入っていた」と悔しい表情で言葉を絞り出した。9月29日現在、村上宗隆(ヤクルト)と3打点差のリーグ2位・83打点を稼ぎながら、勝負どころで打てなければクローズアップされる。それが巨人の四番というものだ。「やりがいを感じながらできています。自分が打てなければ、なかなか勝つのは難しい。点が欲しいときに回ってきたり、逆転したいときに僕のところに回ってきたり。そういう場面が四番には多い」と覚悟を口にしている。

 昨年からはキャプテンの肩書きが加わり、グラウンドに立つ。前キャプテンの坂本勇人は「言葉で引っ張るタイプじゃないけど、今年は特に自分がチームを引っ張っていく姿勢が普段から見える。去年から今年で、またさらにちょっと変わった」と高く評価している。

「キャプテンだからどうというだけではなくて、2年連続Bクラスというのは僕らにとって、チームにとって名誉なことではないですから。歴史的にそうした経験の少ないチームが、自分たちの時代にそれをしてしまったというのは情けないことなので。その分、今年はやり返さないといけないという気持ちはありましたね。チームを勝たせる、チームを引っ張るという気持ちは、もちろん強くなっています」

 球団創設90周年のメモリアルイヤーで見事に“リベンジ”を果たした。「常勝軍団」を掲げるチームにあって、その意義は大きい。

「僕も知らない時代ですけど、ON、V9という時代があって、そこから続いてきた伝統は、ジャイアンツという球団にいると節々に感じる部分はあります」

 まだ終わりではない。10月に入り、日本一をかけた激闘が始まっていく。

「これからもっと厳しい戦いになっていく。僕自身、初めての経験をしたいので、そこに向けて頑張りたいなと思います」

 12年ぶりの日本シリーズ制覇を成し遂げるために、岡本和のバットは鋭さを増していく。

【文責:週刊ベースボール】