• セントラル・リーグ
  • 阪神タイガース
  • 広島東洋カープ
  • 横浜DeNAベイスターズ
  • 読売ジャイアンツ
  • 東京ヤクルトスワローズ
  • 中日ドラゴンズ
  • パシフィック・リーグ
  • オリックス・バファローズ
  • 千葉ロッテマリーンズ
  • 福岡ソフトバンクホークス
  • 東北楽天ゴールデンイーグルス
  • 埼玉西武ライオンズ
  • 北海道日本ハムファイターズ
  • 侍ジャパン

日本野球機構オフィシャルサイト

ニュース

NPBニュース

【パCSファーストS展望】2年連続最下位から2位に大躍進の日本ハム、ロッテは佐々木朗希がキーマンに

 今季のパ・リーグで旋風を起こしたのが、日本ハムだ。2年連続最下位から貯金15の2位に大躍進。6年ぶりのCS進出を決めた。10月12日に本拠地・エスコンFで開幕する「2024 パーソル クライマックスシリーズ パ」は、ファンの大声援を後押しに選手たちがプレーできる。投打にタレントがそろっており、一気に勝ち上がりたい。

 新庄剛志監督就任3年目の今季は、「大人の野球」ができるようになった。昨年までは好不調の波が激しく、勢いに乗ると手がつけられない半面、連敗すると歯止めがきかないもろさを露呈していた。試合に出続けて経験値を重ねた選手たちは、勝負所を見極めて確実に得点を奪い、ピンチで失点を防ぐ。守備と走塁を重視する新庄監督の哲学が浸透していることに加え、移籍組や若手の台頭で選手層が厚くなり、攻守で精度の高い野球を実現している。

 オリックスからFA移籍した山﨑福也が10勝をマークし、他の先発陣も刺激を受けただろう。伊藤大海は自己最多の14勝、加藤貴之が自身初の10勝を挙げた。さらに、将来のエースと嘱望される金村尚真、北山亘基も安定感が増した。バーヘイゲン、福島蓮を含めて先発枠を巡る競争はハイレベルだ。救援陣は最優秀中継ぎ賞を獲得した河野竜生、ベテランの宮西尚生、闘志を前面に出す生田目翼に加え、田中正義、杉浦稔大、山本拓実、池田隆英、齋藤友貴哉など他球団で伸び悩んでいた投手たちが輝きを放つ。抑えで8セーブを挙げた21歳右腕・柳川大晟の成長も明るい材料だ。

 打線は新外国人のレイエスが起爆剤に。春先は日本野球の適応に試行錯誤してファームで調整した時期があったが、夏場以降に打棒が爆発して打率.290、25本塁打、65打点。故障で出遅れた清宮幸太郎も6月に一軍昇格すると、打率.300、15本塁打、51打点をマークした。ソフトバンクから現役ドラフトで移籍した水谷瞬は交流戦で歴代最高打率.438をマークしてMVPを受賞。三塁の定位置をつかんだ郡司裕也、攻守で格段に成長した田宮裕涼など次々にブレーク。万波中正、マルティネス、伏見寅威、水野達稀の貢献度も高い。

 CSファーストステージは先発投手の起用を含め、新庄監督が奇襲を仕掛けてくる可能性がある。短期決戦でパ・リーグの主役になれるか。

 ロッテは5月に15勝4敗4分けと大きく勝ち越すと、8月中旬に今季最多の貯金12に。投打ががっちりかみ合っていたが、その後に大きく失速した。一時は貯金を3まで減らして4位の楽天が追い上げてきたが最終盤に振り切り、2年連続CS進出を決めた。

 打線はDeNAから加入したソトが打率.269、21本塁打、88打点をマーク。佐藤都志也も自身初の規定打席に到達し、打率.278、5本塁打、45打点と「強打の捕手」として存在価値を上げた。藤原恭大は故障で出遅れたが、2ストライクと追い込まれた後にノーステップ打法を取り入れたことで確実性が格段に上がり、打率.290、2本塁打、21打点をマーク。痛手は髙部瑛斗の離脱だ。8月に右膝を痛めてその後も試合に出続けていたが、9月9日に登録抹消。手術を受けて今季絶望となった。角中勝也、荻野貴司、岡大海ら能力の高いベテランたちの活躍に期待したい。

 投手陣はセットアッパーの鈴木昭汰が「チーム内MVP」だろう。51試合登板で2勝2敗5セーブ27ホールド、防御率0.73と獅子奮迅の働きぶりだった。また、国吉佑樹が41試合登板で防御率1.51と復活し、サイド右腕の横山陸人も43試合登板で防御率1.71と勝負所で粘投が光った。実績十分の澤村拓一、守護神の益田直也も頼もしい。日本ハムには今季6勝18敗1分と対戦成績で大きく負け越した。吉井理人監督がどのような継投策で日本ハム打線を封じ込めるか。

 先発陣は、左腕の小島和哉が2年連続2ケタ勝利となる自己最多の12勝をマーク。佐々木朗希もプロ5年目で自身初の10勝を挙げた。6月から2カ月間のファーム調整とコンディションに苦しみ、18試合登板で投球回数が111イニングにとどまったが、マウンドに上がれば能力はずば抜けている。自身初となる規定投球回数をクリアした種市篤暉、プロ16年目で自己最多タイの9勝を挙げた西野勇士が控えているが、佐々木がCSファーストステージの先発マウンドに立つ可能性は高い。規格外のパフォーマンスで日本ハムを抑え込めば、チームが勢いづく。チームのキーマンであることは間違いない。

【文責:週刊ベースボール】