【セCSファーストS回顧】集中力を見せて2位・阪神を下した3位・DeNA、2連勝でファイナルステージへ進出
セ・リーグの「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」ファーストステージが10月12日から甲子園で開催され、DeNAが2連勝で阪神を下し、ファイナルステージ進出を決めた。
レギュラーシーズンでは甲子園で阪神の5勝4敗とほぼ互角の勝敗となっていた両者。持ち味を発揮したのはDeNAだった。初戦は3回、牧秀悟の中前打、佐野恵太の二塁打などで一死満塁のチャンスをつくると桑原将志の遊ゴロ併殺崩れで1点を先制。7回も牧の二塁打、佐野の左前打で一死一、三塁とすると、四番・オースティンの右中間二塁打で2点を追加した。「前の2人（牧、佐野）が、いい内容で出塁してくれたので、何とか強い打球を打って走者をかえそうと思った」とオースティンは語ったが、牧、佐野は3安打猛打賞で打線をけん引した。
投げては先発の東克樹が4回に左前打を放った際に走塁で左大腿裏に違和感を覚えるアクシデント。4回限りでマウンドを降りたが、残り5回を山﨑康晃、佐々木千隼、坂本裕哉、伊勢大夢、森原康平が1イニングずつリレー。1失点で切り抜けて、DeNAが3対1で初戦を制した。「本当に出た投手出た投手が仕事をしてくれました。つないで、つないでという形になりましたし、（伊藤）光もうまくリードしていたと思います。守備でもいいプレーが出たので、よく守り切ったと思います」と三浦大輔監督。DeNAはファーストステージ初戦の連敗を4で止める勝利でもあった。
あとがなくなった阪神は第2戦の先発に今季DeNAと対戦がない髙橋遥人を起用。打線も初回、三番・森下翔太が左翼ポール際に飛び込む弾丸ライナーの先制ソロをたたき込む。主導権は阪神が握るかと思われたが、直後の2回にDeNAが反撃。無死満塁と髙橋を攻め立てると、戸柱恭孝がセンターへ走者一掃の逆転適時二塁打を放つ。さらに牧の適時打で4点目を奪う。阪神・岡田彰布監督もこれ以上、流れを渡すまいと3回に梅野隆太郎から坂本誠志郎に捕手をスイッチ。6回までDeNA打線をゼロに封じ込んだが、打線がジャクソンの速球とスライダーのコンビネーションに苦しみ、要所で三振を喫して追い上げることができない。
DeNA打線が再び猛攻を見せたのは7回だ。CSから一軍に合流した代打・フォードが村上頌樹から右翼へソロ本塁打で追加点。ファーム日本選手権でも2本塁打を放ち「ここ最近、状態は良かった」と語る助っ人の一打を皮切りに、梶原昂希、牧が連打でつなぎ、代わった富田蓮が投じた高めのカットボールを佐野が一閃。右翼席への3ランとなり、さらに戸柱の5打点目となる2点適時打も飛び出し一挙6得点。10対1となり、勝負はほぼ決した。阪神も7回、9回に1点ずつ返したが開いた点差はあまりに大きく、DeNAが連勝を果たした。
チームとしては7年ぶり、指揮官としては初めてファイナルステージに挑む三浦監督は「チーム全体が集中している」と手応えを口に。短期決戦での爆発力を示したDeNAが巨人を倒して下克上を狙う。
【文責：週刊ベースボール】
