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　前回のコラム「守備一貫」では連続守備機会無失策を中心に守備記録について書きましたが、今回も守備記録についてのコラムになります。

　毎年シーズン開幕前にNPBで発行しているブルーブック（パ・リーグの記録全般を掲載）では、守備記録としてポジション別の通算1000試合以上出場（投手は通算2000投球回以上）選手の守備成績を掲載しています。今回はその守備記録からご紹介します。

　今シーズン終了時で、パ・リーグの遊撃手では源田壮亮（西武）選手が遊撃手通算1008試合出場になり、遊撃手の守備率ランキング1位に登場しました。前回のコラムで今宮健太（ソフトバンク）選手が遊撃手通算1575試合出場となりパ・リーグ遊撃手最多出場記録を更新したことを書きましたが、通算1000試合以上出場の守備率でもパ・リーグのランキング1位が入れ替わっていました。ただ、同じ条件でプロ野球記録として見ると源田選手は4位になってしまいます。ランキング上位の名前を見るとファンのみなさまも納得の選手名が並んでいるのではないでしょうか。

　ランキングで言えば、パ・リーグの捕手も甲斐拓也（ソフトバンク）選手がパ・リーグ捕手通算1018試合出場となり、こちらも捕手の守備率ランキング1位に登場しました。捕手は通常の守備に加えて、盗塁を阻止するための送球（主に二塁送球）で失策を記録することが間々あるので、甲斐選手の守備率が高い（失策が少ない）ということは、「甲斐キャノン」と称されている強肩での送球で失策を記録することが少なかったという見方も出来ると思います。先日、甲斐選手はFAで読売ジャイアンツ（セ・リーグ）への移籍が決まりましたので、しばらくの間はこのパ・リーグランキング1位の座は揺るがないと思われます。

　それと、甲斐選手の捕逸（パスボール）は29で通算1000試合出場以上としては少ない方ですが、パ・リーグ捕手通算1000試合以上では里崎智也（ロッテ）が通算1018試合で捕逸20が最少です。セ・リーグでは梅野隆太郎（阪神）選手が通算1037試合で捕逸25が最少ですが、プロ野球記録としてみると藤井彰人（近鉄、楽天、阪神）が通算1049試合で里崎と同数の捕逸20です。

　捕逸は同数の20で出場試合数は藤井の方が31試合多いですが、捕手でのスタメン出場が里崎選手1018試合中929試合、藤井選手1049試合中780試合なので、率的な感覚で言えば里崎選手の方が若干上ではないかと推察できると思います（※本来なら守備の出場イニング数が分かればイニング率での数字で比較ができるのですが、現在2016年以降のデータしかすぐに出せないので、ご容赦ください。ちなみに甲斐選手は捕手1018試合出場で7809イニング、スタメン出場918試合、フルイニング出場597試合）。

　ただこの数字は、今シーズン終了時で若月健矢（オリックス）選手が捕手通算830試合出場で捕逸13なので、今後1000試合出場到達時に捕逸20以下になる可能性が十分あると思われます。

　以上、守備記録からトピックをご紹介しました。
「守備記録から」というよりは捕逸（パスボール）の話が長くなってしまいましたが、甲斐選手で少し調べている時にふと目にしたネット記事が誤ったものだったので、正確なものを記しておこうと思いコラムに書きました。今後も個人的に気が付いたものがあれば、またここで取り上げたいと思います。

【NPB公式記録員 藤原宏之】

パ・リーグ 遊撃手通算1000試合以上 守備率

プロ野球 遊撃手通算1000試合以上 守備率

パ・リーグ 捕手通算1000試合以上 守備率

プロ野球 捕手通算1000試合以上 守備率

プロ野球 捕手通算1000試合以上 捕逸（少ない順）

記録員コラム