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【記録員コラム】ホールド オン

 阪神の及川雅貴投手が、9月28日の対中日25回戦(甲子園)でプロ野球新記録の18試合連続ホールドを達成しました(従来の記録は2005年藤川球児(阪神)と2015年E.バリオス(ソフトバンク)の17試合)。惜しくもセ・リーグ最優秀中継ぎ投手のタイトルこそ大勢(巨人)投手に譲ったものの、66試合登板で防御率0点台の安定ぶりは、自身の記録を更新された藤川監督にとっても厚い信頼の置ける存在だったことでしょう。

 一方、この及川投手の新記録達成の2日後に「ホールド」でもうひとつの記録が更新されていました。今回はそれをご紹介します。

9月30日 ロッテ対楽天25回戦(ZOZOマリン)

 引退登板となった美馬学(ロッテ)投手が先発し、先頭打者の浅村栄斗(楽天)選手を三振に打ち取り降板。続く2番手の澤村拓一投手が初回を抑える。2回先頭からB.サモンズ投手が7回終了まで6イニングを投げて無失点。両チーム無得点の4回にロッテが1点を入れたので降板時には勝利投手の権利を持っていたが、8回にリリーフが打たれ同点になった時点で勝利投手の権利が無くなり、サモンズにはホールドが記録された(ホールドは当該投手が条件を満たせばチームの勝敗に関係なく記録されるので、このような“勝ち消えホールド”が記録されることがあります)。

 この「6イニングホールド」がゲーム最長投球回ホールドのプロ野球新記録となりました。


 それまでの記録だった2015年の大野雄大(中日)投手は、引退登板の先発・山本昌投手が先頭の丸佳浩(当時広島)選手を二ゴロに打ち取った一死走者なしからリリーフして、6回終了までの5回2/3を無失点に抑えてホールドを記録(試合は8回表に得点した中日が3-0で勝利したので勝利投手の権利はなかった)。

 2024年の高橋奎二(ヤクルト)投手は、先発・小澤怜史投手を0-0の3回からリリーフして8回一死まで無失点(チームは延長11回に0-1xでサヨナラ負け)。2016年のL.メンドーサ(日本ハム)投手は、右手中指のマメをつぶした影響で約2か月ぶりの復帰登板となった先発・大谷翔平投手を2-1でリードした3回からリリーフして7回終了まで無失点(8回にリリーフが失点したことで勝利投手ではなくなったことでホールド)。

 当然ながらロングリリーフでのホールドは先発投手が早い段階で降板する状況が必要になります。近年オープナーのような投手起用がされる試合をしばしば目にするようになりましたが、そのほとんどは2番手以降に本来の先発投手を起用するのではなく、「ブルペンデー」と称されるように短いイニングをつないでいく投手起用になっています。この記録は登板時点で意識して記録を狙える性質のものではありませんが、サモンズ投手や大野投手のケースを見ればそれらと同様の(引退する)先発投手が打者ひとりで降板するような試合での記録更新は今後も十分に考えられるでしょう。

最長投球回ホールド(投球回5以上)
投球回 投手 球団 日付 相手 回戦 球場
6 B.サモンズ ロッテ 2025.9.30 楽 天 25 ZOZOマリン
5 2/3 大野 雄大 中 日 2015.10.7 広 島 25 マツダスタジアム
5 1/3 高橋 奎二 ヤクルト 2024.7.13 広 島 11 マツダスタジアム
5 L.メンドーサ 日本ハム 2016.9.7 ロッテ 21 札幌ドーム

※現ホールドは2005年以降

(参考)交流戦は4回が最長投球回
投球回 投手 球団 日付 相手 回戦 球場
4 朝倉 健太 中 日 2008.6.22 ロッテ 4 ナゴヤドーム
4 大谷 智久 ロッテ 2011.5.24 広 島 2 マツダスタジアム
4 岡本 洋介 西 武 2013.5.22 広 島 1 西武ドーム

【NPB公式記録員 藤原宏之】