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【コラム】史上4人目となる日米通算200勝の快挙、さらなる戦いのために覚悟を固める巨人・田中将大

 ラストチャンスでついにつかんだ。9月30日、東京ドームでの中日戦。巨人先発の田中将大は6回2失点の好投でチームを4対2の勝利に導き、日米通算200勝の大台に到達した。昨オフ、楽天から減額制限を超える年俸を提示されたが、それを拒否。自由契約を選択して不退転の覚悟で求めた新天地で、球史にその名を刻んだ。

 8月21日のヤクルト戦(神宮)で日米通算199勝をマークしたが、そこから“あと1勝”が遠かった。28日の広島戦(マツダスタジアム)は2回を6安打5失点。翌日登録抹消され、ファームでの1試合先発を挟んで9月15日に一軍復帰。だが、同日のDeNA戦(横浜)は6回を5安打2失点ながら打線が沈黙し、勝利を得られず。続く21日の中日戦(バンテリンドーム)は5回1/3を5安打5失点。30日の一戦は今季最終登板だった。

 初回、3点の援護をもらった田中将は3回に細川成也に2ランを浴び、さらに二死一、二塁のピンチを招いたがフルカウントから福永裕基をスライダーで空振り三振。5回も走者を背負ったが気迫のこもった投球で同点を許さない。7回以降はリードを保ったまま中川皓太、田中瑛斗、大勢がアウトを重ねるごとに、東京ドームのボルテージが上がっていく。8回二死一、二塁ではクローザーのマルティネスがマウンドへ。代打・板山祐太郎を一ゴロに仕留めると、回またぎで9回のマウンドにも上がり、27個目のアウトを空振り三振で決めると球場の熱気は最高潮に高まった。田中将はベンチで両拳を握り締めて渾身のガッツポーズ。大勢と田中瑛から祝福のウォータシャワーを浴びると、満面の笑顔を浮かべた。

「感無量です。ここまで本当に長い時間がかかりましたが、巨人に入団してから早く本拠地・東京ドームで勝ちたい、ヒーローになりたいと思っていたので、うれしいです。200勝が近づく中で苦しいこともありましたが、乗り越えることができて、この数字にたどり着けました」

 楽天時代は2度の最多勝と最優秀防御率などのタイトルを手にし、2013年には24勝0敗という驚異的な記録を残した。日本一を置き土産に海を渡ると、名門ヤンキースのエース格として腕を振り、7年間で78勝と順調に勝ち星を積み上げていった。21年の楽天復帰後は思うような投球ができず、巨人に移籍した今季も5月から約3カ月をファームで過ごすなど順風満帆とは言えなかった。しかし、決してあきらめることなく、目の前のことに取り組んできた結果、野茂英雄、黒田博樹、ダルビッシュ有(パドレス)に続く史上4人目の快挙にたどり着いた。

 もちろん、ここがゴールではない。この先について問われると、「今日これで終わりということではないので。ここから先の戦いが本当の勝負になってくると思います。クライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズと勢いに乗って戦っていきたいです」と力強く決意を口にした。3位に終わった巨人はまずCSファーストステージでDeNAと戦う。大きな節目を通過点にして、36歳右腕は下克上のために全力を尽くしていく。

【文責:週刊ベースボール】