10月29日、SMBC日本シリーズ第4戦が阪神甲子園球場で行われた。前日の第3戦ではソフトバンクが投手戦を制し2勝1敗と一歩リード。ソフトバンクが日本一に王手をかけるのか、阪神が星を五分に戻すのか。注目の一戦は、阪神は髙橋遥人、ソフトバンクは大津亮介の先発で幕を開けた。
ここまで3戦とも初回に得点が動いたが、この日は両先発がともに三者凡退という立ち上がりを見せる。しかし2回、ソフトバンクの先頭は、第2戦、第3戦と本塁打を放っている山川穂高。カウント2ストライクからの4球目。髙橋の直球が真ん中に甘く入ってきたのを、山川は見逃さなかった。「少し先でしたが、いい見え方でしっかり自分のスイングができました」というひと振りは、バックスクリーンに飛び込む先制本塁打となった。
さらに続く3回、二死一、三塁から、前日に決勝適時打を放っている柳町達が左翼ポール付近のスタンドへ飛び込んだがファウルに。しかし、日本シリーズでは6人審判制で行われており、左翼にも外野審判がいたが、これにソフトバンクの小久保裕紀監督がリクエストしてリプレイ検証が行われた。4点差となれば試合の趨勢が一気に傾くが、判定は変わらずにファウルのままとなった。髙橋は気持ちを切らさずに柳町を空振り三振に打ち取り、このピンチを切り抜けた。阪神はその裏の攻撃で二死から三塁・栗原陵矢の失策も絡み一、三塁で、3戦連続適時打を放っている佐藤輝明という場面を作ったが、ここは大津が踏ん張って中飛に打ち取った。
ソフトバンクは5回、一死一、二塁から周東佑京が投手強襲の打球を放つと、この打球が髙橋の左肘付近に当たり内野安打に。髙橋は治療のためにベンチに下がったが再びマウンドに上がることはなく、藤川球児監督が交代を告げ、阪神の二番手・畠世周は一死満塁という難しい場面での登板となった。続く柳町に中犠飛を打たれ1点を奪われたが、続く山川に四球を与えた後、二死満塁から栗原を空振り三振として、このピンチを最少失点で切り抜け、味方の反撃を待つ。
しかし6回のソフトバンクの攻撃は二死二塁、ここまで5回59球、被安打3、与四死球2、無失点と好投していた大津の打席に小久保監督は、第1戦、第2戦はDHで先発出場し2試合連続で適時打を放っている切り札・近藤健介を代打で送る。一塁も空いていたが、阪神バッテリーは勝負を選択。近藤は阪神三番手・桐敷拓馬の2球目・ツーシームを右翼前にはじき返し適時打。「守りができない中で、代打での一振りで絶対に仕事をしようとしました」と近藤が意地を見せた。小久保監督の采配がズバリ的中した形だ。
この3点目が阪神に重くのしかかる。8回には一死一、二塁から佐藤輝が中前へ4試合連続となる適時打を放ち、さらに一、三塁とし、大山悠輔の二ゴロの間に1点を追加してあと1点に詰め寄ったが、反撃はここまで。9回は杉山一樹が締めてソフトバンクが3勝1敗と5年ぶり12度目の日本シリーズ制覇に王手をかけた。「とにかく一戦必勝。やることは変わらずに準備したい」と小久保監督の視線はすでに明日の第5戦に向けられていた。第5戦は10月30日、阪神甲子園球場で行われ、予告先発は阪神が大竹耕太郎、ソフトバンクは有原航平となっている。
2025年10月29日(水)
阪神甲子園球場 ◇開始 18:01 (3時間30分) ◇入場者 41,591人
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
| 福岡ソフトバンク | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 | 9 | 3 |
| 阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 6 | 0 |





























