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ソフトバンク打線が爆発し1勝1敗に。周東佑京が1試合5安打の日本シリーズ記録を樹立

　10月26日、SMBC日本シリーズ第2戦がみずほPayPayドーム福岡で行われた。前日の第1戦は阪神が数少ないチャンスをものにして、投手陣が守り切る“らしい”野球で先勝。第2戦の先発は8月9日のヤクルト戦（京セラD大阪）以来の登板となるデュプランティエ。星を五分に戻すべくソフトバンクは2桁勝利カルテットの一人、上沢直之に託した。

　試合は1回表、阪神の攻撃からいきなり動く。一死から中野拓夢が中前打で出塁すると、森下翔太が三遊間へ放った打球は遊撃・川瀬晃がスライディングキャッチを試みるもこれを弾いてボールは左翼線方向へ転々。一死二、三塁とチャンスを作る。打席には第1戦で決勝点を挙げた佐藤輝明。カウント1－1から外角のカーブを右翼前へ引っ張り先制点を挙げた。なおも一死一、三塁と追加点のチャンスだったが、上沢が大山悠輔、髙寺望夢を連続空振り三振として最少失点で切り抜けた。

　しかしその裏、ソフトバンクは先頭の柳田悠岐がカーブに泳ぎながらも左前打を放つと、周東佑京も右前打で続き無死一、二塁。柳町達は送りバントの構えからバットを引いたが、柳田は飛び出してしまい、挟殺で一死二塁となるが、四球を選び一死一、二塁に。近藤健介が空振り三振で二死一、二塁となったものの、栗原陵矢が右前にはじき返すと周東が快足を飛ばして本塁へ生還し、同点に追いつく。さらに二死一、二塁から打席には山川穂高。4球目、外角への直球を振り抜くと、打球は右中間フェンスを直撃し、走者一掃の2点適時二塁打となった。「しっかりと打つべきボールに対してスイングを仕掛けることができ、仕留めることができました。まず、いい流れにもってくることができて良かったです」と山川。ソフトバンクはこの回3点を挙げて逆転に成功した。

　2回もソフトバンク打線が止まらない。二死二塁から周東が左中間を破る適時三塁打を放つとベース上でガッツポーズ。続く柳町の打席にデュプランティエの暴投があり1点を追加。さらに四球で出塁した柳町を一塁に置いて、近藤は右翼線へ適時二塁打を放つと、阪神の藤川球児監督はここで投手交代を告げた。デュプランティエは1回2/3を52球、被安打6、与四球3、7失点で降板となった。阪神はベテランリリーバーの岩貞祐太をマウンドへ送るが、この流れを食い止められない。再び二死一、二塁の場面で山川に打席が回る。第一打席はフェンス直撃だったが、今度は打った瞬間にそれと分かる左中間への3点本塁打。「いいイメージを持って打席に入ることができ、スライダーを完璧にとらえることができました。いい展開に持ってくるホームランとなって良かったです」と、山川はこの一打を振り返った。これで9対1として、2回ながら試合の大勢は決した。

　ソフトバンクは5回にも二死一、三塁、柳町の打席で阪神三番手の伊原陵人の暴投で1点を追加し10点目を挙げる。7回には二死から周東が左翼線へ二塁打を放つと、これが日本シリーズの1試合最多安打記録を更新する5安打目となった。「この長い歴史の中で、バッティングで名を刻めると思っていなかったので非常に嬉しいです」と、足で歴史を刻んできた周東は5安打を振り返った。投手陣も打線に応えるように奮闘。先発の上沢は2回以降、完全に立ち直り6回100球、被安打5、与四球1の1失点と好投。後を受けたリリーフ陣も7回はヘルナンデスが三者連続空振り三振、8回から9回一死までを松本晴が無失点でつなぎ、最後は木村光が締め、1勝1敗のタイに戻した。

　小久保裕紀監督は第3戦から舞台を移す阪神甲子園球場での決戦に向け「アウェイでの戦いになりますが、ホークスらしい野球をして、しっかり勝ち切りたいです」と前を向いた。

　27日の移動日を挟み、第3戦は28日に阪神甲子園球場で行われる。