最後まで日本ハムと熾烈な戦いを繰り広げてクライマックスシリーズ(CS)を勝ち上がったパ・リーグ王者か、それとも圧倒的な強さを誇って2リーグ制後最速でリーグ優勝を決めたセ・リーグ王者か。ソフトバンクと阪神が激突するSMBC日本シリーズ2025。11年ぶりの顔合わせとなった頂上決戦の開幕を翌日に控えた10月24日、みずほPayPayドーム福岡で両チームが前日練習を行った。
2年連続で日本シリーズに進出し、今年は本拠地で第1戦を迎えるソフトバンク。野手陣では左脇腹痛でCSファイナルステージを欠場し、日本シリーズ出場が危ぶまれた近藤健介が明るい表情でチームに合流。打撃練習で快音を響かせるなど、明日からの試合に出場できることをアピールした。主砲・山川穂高も無人のスタンドへ次々と打球を放り込み、状態が上がって様子を見せた。投手陣はキャッチボールやストレッチなどで各自が調整。時折、笑顔を見せるなど終始、明るい雰囲気で前日練習を終えた。
練習後には監督記者会見で小久保裕紀監督が「月曜日まで熾烈なCSファイナルを戦っていたので、そのままの勢いで行けそうな感じで比較的落ち着いています」と心境を語った。対戦相手の阪神については「ドラフト1位を軸とした強力打線。予告先発がいらないと思うぐらい右でも左でも打ってくる」と警戒し、「先発投手が試合をつくって、先制点を奪い、終盤から藤井(皓哉)、松本(裕樹)、杉山(一樹)につなげる勝ちパターンに持っていきたい」とレギュラーシーズン同様の戦いを誓った。
その後、小久保監督と阪神・藤川球児監督は監督会議へ。小久保監督が「しのぎを削ってきたパ・リーグの代表として、セ・リーグを独走で戦ってきた阪神タイガースさんと良い戦いができるように全身全霊で戦っていきたいと思っています」と語れば、藤川監督も「交流戦でコテンパンにやられたセ・リーグの代表として戦いたい。今シーズンで退任するヤクルトの髙津(臣吾)監督、(DeNA)ベイスターズの三浦(大輔)監督から、『ぜひセ・リーグの代表として戦ってくれ』という言葉をいただきました。5球団のファン、選手、関係者の思いをソフトバンクにぶつけたい」と健闘を誓った。また、第1戦の先発も両指揮官から発表され、ソフトバンクは2年連続で有原航平、阪神は村上頌樹の両右腕が開幕マウンドに上がる。
監督会議後には藤川監督が監督記者会見に臨み、「ビジターを得意としているチームなので、明日からの戦いにワクワクしている」と笑顔で語った。「過去は見ない、未来を見ているので……CSファイナルのときも言いましたが、荒々しさを出して楽しくやろう。そういう選手が一人でも出てきたらいい」と選手たちが躍動するプレーを期待した。先発・村上についても「いつもどおり(のピッチングを)やればいいと思います」と語り、大舞台に向けての気負いはまったく感じさせなかった。
阪神ナインは17時から練習を開始。まずは、坂本誠志郎がホームベース周りのボールの転がり方を入念にチェック。投手陣もマウンドの高さなどを確認しながらシャドーピッチングを繰り返した。その後、シートノックを行い、一塁手の大山悠輔、三塁手の佐藤輝明が一、三塁線のボールの転がり具合を何度もチェックし、明日に備えた。打撃練習では佐藤輝が特大の本塁打を4本放つなど好調を維持。そのほかの打者も目的を持った打撃練習を繰り返すなど、約2時間で練習を終えた。
いよいよ開幕となるSMBC日本シリーズ2025。ソフトバンクが2020年以来、5年ぶり12度目の日本一をつかむか、それとも阪神が23年以来、2年ぶり3度目の頂点に立つのか。両チームとも強力な投手陣と打線を備えるだけに、一挙手一投足から目が離せない激戦が待っていそうだ。第1戦は明日25日、みずほPayPayドーム福岡にて、18時30分プレーボールで行われる。

















