【コラム】開幕直前!2026年パシフィック・リーグ展望
昨年はソフトバンクが日本ハムとの熾烈な優勝争いを制し、リーグ制覇を達成。日本シリーズも阪神を4勝1敗で下し、5年ぶりの日本一を飾った。打倒・ソフトバンクの一番手に挙げられるのは2年連続2位の日本ハムだ。新庄剛志監督の下で選手層が厚くなり、10年ぶりのV奪回を狙う。オリックスも投打でタレントがそろっている。攻守でもう一段レベルを引き上げて、上位2強に食らいつきたい。伸び盛りの多い若手が多い楽天は外国人の活躍がカギを握る。大型補強を図った西武は台風の目になる予感が。8年ぶりの最下位に低迷したロッテはサブロー監督が就任してチーム再建を目指す。
ソフトバンクは昨年、4月終了時点で9勝15敗2分とスタートダッシュに失敗したが、5月以降に息を吹き返して逆転優勝を飾った。故障者が続出したなかで、首位打者を獲得した牧原大成、最高出塁率の柳町達、野村勇、川瀬晃、海野隆司などが奮闘。周東佑京、山川穂高、柳田悠岐、今宮健太、中村晃など経験値の多い選手がそろっていることは大きな強みだ。投手陣は有原航平が日本ハムに移籍し、セットアッパーの藤井皓哉が右肘の手術で今季絶望となったのは痛手だが、WBC台湾代表の本格派右腕・徐若熙が加入し、昨年は故障で登板なしに終わったスチュワート・ジュニアが復帰する。昨年は不安定な投球が目立ったオスナが復調すれば救援陣に厚みが増す。今年のチームスローガンは「全新(ゼンシン)」。新しいチームを作る姿勢で進化させた先にリーグ3連覇、2年連続日本一が見えてくる。
日本ハムを率いて5年目の新庄監督は今季、圧倒的な強さで頂点に立つことを宣言している。投打に充実した布陣で、野球の精度が確実に上がっていることは間違いない。大きなプラスアルファが、宿敵のソフトバンクから6年ぶりに復帰した有原だ。2年連続最多勝に輝いた右腕は先発の軸として計算できる。昨年の23完投は12球団最多。エースの伊藤大海、北山亘基、達孝太、加藤貴之、細野晴希など能力の高い先発がそろうなかで、どのように運用するか。打線も2つのチームが作れるほど選手層が厚い。そのなかで不可欠な存在が本塁打、打点の2冠に輝いたレイエス、四番での起用が明言されている郡司裕也だ。今年もポイントゲッターとしてチームを勢いに乗せる。
オリックスは宮城大弥、九里亜蓮、曽谷龍平、エスピノーザ、寺西成騎、新外国人右腕のジェリーと先発陣が充実している。右肘のコンディション不良で離脱したが山下舜平大もいる。救援陣の防御率が3.58とリーグ5位だったが、力のある投手がそろっているので立て直したい。打線のキーマンは森友哉だ。昨年は度重なる故障の影響で50試合出場にとどまり、打率.205、1本塁打と不完全燃焼だった。今年は中軸で復活できるか。西川龍馬も夏場以降の相次ぐ故障で規定打席に届かなかったが、打率.310をマークしている。コンディションを整えれば首位打者に輝く能力は十分。2021年本塁打王の杉本裕太郎、太田椋、紅林弘太郎、中川圭太、廣岡大志、頓宮裕真とパンチ力のある選手がそろっており、切れ目のない打線で得点力を上げたい。
4年連続4位の楽天はアメリカで10年間プレーしていた前田健太が加入。先発の軸として期待されるだけでなく、若手が多い投手陣でお手本になる存在だ。荘司康誠、古謝樹、瀧中瞭太、藤井聖、内星龍、手術から復帰を目指す早川隆久など生え抜きの投手たちが奮起できるか。助っ人右腕のコントレラス、ウレーニャ、即戦力の呼び声高いドラフト1位・藤原聡大、同2位・伊藤樹の加入でハイレベルな先発ローテーション争いを期待したい。打線は中島大輔、黒川史陽、宗山塁など成長著しい若手のほか、村林一輝が攻守で替えの利かない存在になっている。外国人枠の兼ね合いがあるが、ボイト、ゴンザレス、新加入のマッカスカーが機能すれば得点力が一気に上がる。昨年、打撃不振に苦しんだ浅村栄斗の復調もポイントになる。
西武は得点力不足の解消へ、大型補強に着手。強肩強打のカナリオ、WBC台湾代表の林安可のほか、FAで桑原将志、石井一成が加入したことで選手層が一気に厚くなった。強打が持ち味の大学No.1捕手・小島大河もミート能力が非常に高く、正捕手争いに割って入る。投手陣はエースの今井達也がメジャー挑戦で退団したが、隅田知一郎、渡邉勇太朗、髙橋光成、抑えから先発に再転向した平良海馬、武内夏暉など実力者がそろっている。救援陣は昨年ブレークした山田陽翔が右肘手術で長期離脱に。甲斐野央、ウィンゲンター、E.ラミレス、糸川亮太で勝利の方程式を形成できるか。羽田慎之介、篠原響、ドラフト2位左腕の岩城颯空など楽しみな若手が多いことは明るい材料だ。
最下位からの逆襲を目指すロッテはサブロー監督が就任。ソトを主将に指名し、昨年は捕手でブレークした寺地隆成の打力を生かすためにオープン戦は三塁がメインとなるなど早くも新しいカラーを打ち出している。昨年はリーグワーストのチーム防御率3.60に終わった投手陣だが、種市篤暉、小島和哉の左右の両エースに、田中晴也、木村優人、ドラフト2位左腕の毛利海大が一本立ちすれば未来は明るい。DeNAから加入したジャクソンは右手指を負傷した影響で開幕に間に合うか微妙だが、先発の柱になる。攻撃は新人王を獲得した西川史礁、藤原恭大、髙部瑛斗、小川龍成らが中心になり、機動力と長打力を兼ね備えた打線の構築を目指す。
【文責:週刊ベースボール】




