ソフトバンクに王手をかけられながら、第4戦から連勝で踏みとどまったDeNA。両チームは福岡へと戻り、再びヤフオクドームに舞台を移して日本一をかけた最終決戦が戦われる。
どちらに転ぶか分からないクロスゲームとなった第5戦の翌日。ソフトバンクは13時50分に球場入り。王貞治会長も見守る中、14時30分から練習を開始したが、投手陣・野手陣ともこれまでの疲労を考慮して軽めの調整に終始した。
野手陣は主力クラスがグラウンドに姿を現さず、サブ組が中心。10分ほどの軽いアップから打撃練習をこなし、1時間ほどで終了。これまで出番の少ない長谷川勇也や上林誠知がアピールするかのように鋭い打球を飛ばしていた。また、守備練習には時間を割かず。勝手知ったるホームグラウンドだからこそのアドバンテージと言えるだろう。
投手陣もダッシュやキャッチボールなど軽めのメニューを全体で1時間ほどこなした。それでも先発が予想される千賀滉大は「ホームにかえってきて、ホークスの力を見せられればと思います」と語るなど、投手陣全体に闘志はみなぎっている。
ソフトバンクが15時30分ころに早々と練習を終えてから2時間30分後。DeNAは18時直前に球場入りすると、すぐに練習をスタートさせた。印象的だったのが第6戦の先発が予想される今永昇太と濵口遥大の両左腕。グラウンドに入るやいなやマウンドへ向かい、アップを始める前に状態をチェックしていた。投手陣は山﨑康晃を筆頭に一部の主力リリーフ陣は休養。練習に参加した選手たちも調整重視で練習を終えている。
野手陣はしっかりと守備練習をこなして5日ぶりのヤフオクドームのグラウンド状態を確かめると、打撃練習でも第4戦で今シリーズ初となる2ランを放った筒香嘉智をはじめ主力がそろって快音を響かせ、攻撃陣全体が上り調子であることを再確認させた。
あとがないことに変わりはないDeNAだが、明らかに勢いを取り戻している。第4戦で濵口が8回途中までノーヒットの快投を見せると、第5戦では要所で打線がつながり2度の逆転の末に接戦を制した。特に四番・筒香が目覚めたことは大きい。
一度、火がつけば止まらなくなるのがDeNA打線。その中心にいる筒香のバットが火を噴いたことの意味は小さくない。チャンスメークを担う桑原将志が復活すれば、得点の可能性はさらに広がるだろう。
一方のソフトバンクは第5戦で序盤にリードを奪う“勝ちパターン”に入りながら、6回にモイネロが火消しに失敗して逆転を許したのは気掛かり。それでも8回を担う岩嵜翔、守護神のサファテにほころびはなく、モイネロも続く7回は3人で抑えた。
攻撃陣は一番に入る好調・柳田悠岐を中心に、ソツのない攻撃と粘り強さを見せている。先発が予想される千賀に先制点をもたらすことができれば、第1戦同様の好投が期待できるだろう。
ソフトバンクが地元で2年ぶりの日本一を手にするのか、DeNAが第7戦に持ち込んで逆王手をかけるのか。いずれにしても、この試合も序盤の主導権争いが試合の流れを大きく左右することになりそうだ。