ソフトバンクの1勝で迎えた「SMBC日本シリーズ2019」の第2戦。ソフトバンク先発はプロ2年目、レギュラーシーズンで12勝を挙げたアンダースローの高橋礼。巨人はシーズン8勝を記録した左腕・メルセデスを先発マウンドに送った。先攻の巨人はアンダースロー対策のため、9人中7人の左打者をスターティングメンバーにそろえた。後攻のソフトバンクも前日から打線を入れ替え、一番に左キラーの川島慶三を入れる。
初回、高橋礼は三者凡退と上々の立ち上がり。対するメルセデスも川島を中飛、今宮健太を三ゴロ、柳田悠岐を二ゴロと、わずか5球で1回を終え、クライマックスシリーズから続く好調さをアピールした。
2回以降は高橋礼、メルセデスの両先発が三者凡退の山を築き、両チームとも一人のランナーも出すことができずに進む。高橋礼は手元で伸びるストレートを中心に、スライダー、シンカーなどの変化球を絡め岡本和真、阿部慎之助らクリーンアップから三振を奪う。メルセデスも140キロ台中盤のストレートを中心として、コーナーを丁寧に突くピッチングでソフトバンク打線に的を絞らせない。両投手ともテンポのいいピッチングでゲーム中盤を迎える。
両チームを通じての初めてのランナーは松田宣浩だった。5回裏、二死からレフト前にライナーで運ぶ初ヒット。続いて打席に迎えるのはこの試合、七番に下がった中村晃。3ボール1ストライクからメルセデスが投じた5球目はボール判定で一、二塁とソフトバンクがチャンスを広げる。だが、ここで内川聖一のライナー性の当たりはライトの正面を突き、先制点はならず。無得点が続く。
巨人の初めてのランナーは6回表だった。先頭の若林晃弘が死球で出塁すると、続く田中俊太は初球からバントの構えで高橋礼を揺さぶる。田中俊は2球目で確実にバントを決め、この日、スタメンに起用された九番・重信慎之介へとつなぐ。重信はヒット性の当たりを放つが、ライナーはショート・今宮の正面を突き、飛び出していた二塁走者の若林が戻れずにアウト。ダブルプレーでチャンスを逸する。
均衡を破ったのはソフトバンクだった。0対0で迎えた7回裏、メルセデスに代わってマウンドに上がった大竹寛が先頭打者のデスパイネを三ゴロに打ち取るも、この回から守備に入った山本泰寛がはじき、エラーでの出塁を許す。デスパイネの代走に送られた周東佑京は走ると見せかけて一度もスタートを切らなかったが、ランナーを警戒し過ぎたバッテリーがグラシアルへのカウントを3ボール1ストライクと悪くする。5球目、グラシアルは内角シュートをレフト横へはじき返して一、三塁。迎えた六番の松田が2ボールのあと、甘く入ったシュートをバックスクリーンへ運ぶ。先制の3ランホームランで試合はソフトバンクの流れになった。
その後、ソフトバンク打線は代わった桜井俊貴から8回裏に柳田がソロで追加点。桜井に代わりマウンドに上がった高木京介からは福田秀平が2ランを放ち、着実に追加点を奪った。
ソフトバンクは8回表をモイネロがゼロで締め、9回表は髙橋純平をマウンドへ。しかし、22歳の右腕が誤算。巨人は3つの四球で一死満塁のチャンスをつくり、森唯斗を引きずり出す。絶対的守護神から岡本、阿部がタイムリーを放ち、最後は二死一、三塁と一発が出れば同点と食い下がるが、最後の打者、山本がショートゴロに終わり万事休す。走塁ミスなどもあり、反撃は3点で終わってしまった。
6対3で勝利したソフトバンク・工藤公康監督は「レギュラーシーズン以上の集中力とコントロールがあった」と先発の高橋礼を褒め称えた。打線も3本塁打で全6得点をたたき出すなど、効果的な攻撃は見事だったと言える。投打に巨人を圧倒してソフトバンクが2連勝を飾った。
日本シリーズ第3戦は場所を東京ドームに移し、10月22日(火)に開催される。
2019年10月20日(日)
ヤフオクドーム ◇開始 18:31 (3時間12分) ◇入場者 37,052人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
読売 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | 4 | 1 |
福岡ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 | x | 6 | 7 | 0 |